東京理科大学(創域理工学部・数理、先端物理、情報計算、生命生物、経営システム工学科・B方式)の生物対策

本記事は東京理科大学 創域理工学部(数理科、先端物理、情報計算、生命生物、経営システム工学科・B方式)の生物対策について記載しています。

東京理科大学では2023年4月に理工学部が創域理工学部と名称を変えています。
科目は数理科、先端物理、情報計算、生命生物、経営システム工学科と建築、先端化、電気電子情報工、機械航空宇宙工、社会基盤工学科で分かれています。

生物の試験時間は80分で、配点は100点です。

創域理工学部の入試情報

東京理科大学の公式サイトをご参照ください。

各項目の傾向と対策

大問は全部で3つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。

2026年度
1・生物の誕生と代謝(呼吸・発酵・光合成細菌)、地球上のバイオマス比較、ヒトの活動と生態系、筋収縮とATP合成系(ATP-PCr系・解糖系等)、脳の呼吸商と部位別代謝(33点)
設問×4
2・嗅覚の受容メカニズム、無髄神経の活動電位と $\text{Na}^+$ 透過量、交感神経とホルモン、カイコガのフェロモン受容と探索行動・インパルス応答、植物ホルモン(33点)
設問×2
3・分子時計と置換数、PCRを用いた部位特異的変異導入と制限酵素サイト導入設計、X染色体連鎖遺伝の遺伝子頻度計算、オプシン(視物質)の光受容と進化スペクトル解析(34点)
設問×5
2025年度2024年度2023年度
1・呼吸と光合成の電子伝達系・ATP合成酵素のH⁺回転数計算、化学合成細菌の酸化反応、ツンベルク管を用いたコハク酸脱水素酵素の実験と脱気・呈色反応、複合酵素反応速度(34点)
設問×3
・同義置換・分子系統樹、PCR・サンガー法・次世代セケンサーの原理、ラクトースオペロン組み込みプラスミドとコロニーのPCR判定(塩基対計算)、超好熱菌酵素の変性・pH応答・酵素複合体速度(35点)
設問×4
・解糖系・クエン酸回路の化学反応式と定量計算、2,4-ジニトロフェノールによる解離(脱共役剤)、発酵・化学合成細菌の代謝(28点)
設問×8
2・接合型(+/−)の接合と減数分裂、遺伝子頻度と交配計算、代謝生合成経路の欠損変異株と呈色解析、神経管形成とカドヘリン・神経堤細胞の誘導、神経軸索の視蓋への投射(分子認識)(33点)
設問×11
・赤血球・白血球の機能、腸内細菌叢と腸管免疫(MHC抗原提示・トル様受容体・免疫寛容・アレルギー)、抗体医薬品とNK細胞による殺細胞効果(がん細胞増殖曲線)(33点)
設問×3
・遺伝子組換え技術(プラスミドベクター・PCR・制限酵素)、真核生物のcDNA合成、GFP融合タンパク質の蛍光局在解析、DNA修復タンパク質(Y/Z)の相互作用実験解析(37点)
設問×2
3・赤血球の脱核と特性、原核/真核の細胞比較、シナプス接着分子、酸素解離曲線と血液中酸素消費量計算、血液凝固と血清/血しょう実験、MHC抗原提示とT/B細胞、抗体医薬品実験(33点)
設問×6
・植物の側芽の成長制御:① 頂芽優勢(オーキシンとサイトカイニンの相乗・拮抗作用、切除実験と寒天ゲル処理)② 光環境条件と側芽成長(フィトクロム変換、遠赤色光による抑制解除、遺伝子X, Y, Pの変異株・多重変異体を用いた発現量解析と推論)(32点)
設問×2
・視神経の視蓋への投射モデル(受容体XとシグナルYの相互作用実験)、カドヘリンと神経堤細胞の移動、頂芽優勢(オーキシン・サイトカイニン)、フィトクロムと光による側芽の成長制御遺伝子(X/Y/P)解析(35点)
設問×4

東京理科大学創域理工学部の生物は、試験時間80分のマーク式試験です。

問題冊子は30ページ台後半から50ページ程度と厚く、長い文章、実験データ、図表、グラフを短時間で処理する力が求められます。

ただし、単に文章量が多いだけではありません。

教科書レベルの知識を土台として、実験条件と結果を対応させ、最も妥当な結論を選ぶ力が重視されています。

●対策

実験考察問題の比重が高い

創域理工学部の生物では、未知のタンパク質、遺伝子変異体、酵素反応などを題材とした実験考察問題が目立ちます。

問題を解く際は、実験目的、操作した条件、対照実験、測定結果、そこから導ける結論を整理することが重要です。

長い文章を最初から細部まで暗記するように読むのではなく、何を比較している実験なのかを意識して読み進めましょう。

遺伝情報とバイオテクノロジーが重要

近年は、PCR、制限酵素、プライマー、電気泳動などを利用した問題が出題されています。

2025年度には、PCRの結果から塩基配列の欠失や置換の可能性を判断する問題が見られました。

2026年度には、制限酵素の認識配列や塩基配列を使った設計問題も出題されています。

ただし、専門的な技術を大学レベルまで暗記する必要はありません。

DNAの複製、転写、翻訳、遺伝子発現の基本を理解したうえで、問題文に示された実験方法を読み取る力が必要です。

代謝は仕組みの理解が必要

呼吸、光合成、解糖系、クエン酸回路、電子伝達系、ATP合成も重要分野です。

反応式やATP生成量だけを機械的に覚えるのではなく、電子供与体と電子受容体、水素イオン濃度勾配、ATP合成酵素の関係を図で説明できるようにしましょう。

酵素反応では、阻害剤の有無や基質濃度の違いによるグラフ変化を読み取る練習も有効です。

知識問題も軽視できない

実験考察の比重は高いものの、知識問題が少ないわけではありません。

代謝、進化、系統、免疫、神経、発生、植物、生態など、教科書全範囲から基本事項が問われます。

分子生物学だけに学習を偏らせず、用語の意味や現象の仕組みを正確に整理することが必要です。

計算問題への対応

代謝量、酸素量、遺伝子頻度、割合、反応速度などを扱う定量問題も出題されます。

公式を暗記するだけでなく、与えられた数値の単位、割合、物質収支を整理して立式する習慣を身につけましょう。

表やグラフから必要な数値だけを抜き出す練習も重要です。

時間配分のポイント

大問3題なら、1題25分程度が一つの目安です。

ただし、各大問の重さは同じではありません。

最初に全体を確認し、知識問題や読みやすい設問から得点し、複雑な実験考察に時間を残しましょう。

一つの難問に固執せず、各大問の前半を確実に回収する戦略が有効です。

まとめ

東京理科大学創域理工学部の生物は、幅広い基礎知識と実験考察力の両方を求める試験です。

合格には、教科書内容の正確な理解、長い実験文から条件を整理する力、図表やグラフを読み取る力、限られた時間で判断する処理速度が必要です。

まず過去問を中心に演習し、実験目的、条件、結果、結論を整理する読み方を身につけることが最も重要です。

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