東京理科大学(創域理工学部・数理、先端物理、情報計算、生命生物、経営システム工学科・B方式)の化学対策

本記事は東京理科大学 創域理工学部(数理科、先端物理、情報計算、生命生物、経営システム工学科・B方式)の化学対策について記載しています。
東京理科大学では2023年4月に理工学部が創域理工学部と名称を変えています。
科目は数理科、先端物理、情報計算、生命生物、経営システム工学科と建築、先端化、電気電子情報工、機械航空宇宙工、社会基盤工学科で分かれています。
化学の試験時間は80分で、配点は100点です。
創域理工学部の入試情報
東京理科大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で6つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2026年度 | |
| 1 | ・反応速度(反応速度式、生成速度、触媒と熱)、化学平衡の移動、弱酸の電離平衡と指示薬の変色域(12点) 設問×3 |
| 2 | ・水溶液の濃度変換(質量パーセント濃度・モル濃度)、金属の反応(亜鉛と塩酸)、イオン交換膜法と食塩水電解(15点) 設問×3 |
| 3 | ・密閉容器内の酸素の溶解とヘンリーの法則、温度変化・体積変化に伴う気液平衡計算(16点) 設問×4 |
| 4 | ・ハロゲン単体・ハロゲン化水素の性質・沸点比較、塩化セシウム型結晶格子と式量・原子量、錯イオン平衡(19点) 設問×4 |
| 5 | ・元素分析と分子量測定(質量分析)、エステルの加水分解・けん化、アルコール・アルデヒド・エーテルの反応、分液抽出(18点) 設問×11 |
| 6 | ・樹脂の合成(フェノール樹脂、ナイロン66、ビニロン)、縮合重合・開環重合・アセタール化の計算(20点) 設問×2 |
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| 1 | ・分子結晶の性質、黒鉛・ダイヤモンドの結晶構造と密度・結合距離計算(17点) 設問×3 | ・沸点上昇、溶解熱・中和熱の熱化学計算、アルミテルミット反応・高炉の還元、鉄の沈殿呈色反応(16点) 設問×4 | ・最外殻電子数、電池、電子配置、イオン化エネルギー、結晶構造(CsCl型・面心立方)、非共有電子対(16点) 設問×11 |
| 2 | ・大気の組成、アルゴン(Ar)の発見史、結晶構造(面心立方)、ヘンリーの法則と気体の溶解度・状態変化計算(17点) 設問×2 | ・直列および並列回路の電気分解、ファラデーの法則と析出量(18点) 設問×2 | ・ヨウ化水素の生成・分解反応の熱化学、結合エネルギー、ルシャトリエの原理、アレニウスの式と触媒作用(17点) 設問×7 |
| 3 | ・金属の防食(イオン化傾向とガルバニック電池)、鉄の腐食・沈殿生成と溶解度積Ksp、pH計算(17点) 設問×2 | ・中和滴定(二段階中和)、弱酸(酢酸)の電離度・電離定数とpH計算(17点) 設問×2 | ・酢酸の電離平衡・電離定数、緩衝液のpH計算(17点) 設問×7 |
| 4 | ・塩素の発生実験と洗気びんの役割、並列接続回路における電解槽の電気分解(16点) 設問×2 | ・混合気体(水蒸気とアルゴン)の状態変化、気液平衡と水の凝縮熱(17点) 設問×3 | ・金属イオンの系統分離(5種イオン分離フローチャート)、錯イオン、水和物・沈殿の呈色(17点) 設問×3 |
| 5 | ・アセチレンを出発とする各種誘導体(アセトアルデヒド、酢酸、エステル、ベンゼン)の合成系統図(17点) 設問×10 | ・分子式C5H12Oのアルコールの構造異性体・不斉炭素・立体異性体(8種類)、濃硫酸による分子内脱水反応(ザイツェフ則・シス/トランス異性体)、ヨードホルム反応(20点) 設問×3 | ・炭化水素(アルカン、アルケン、アルキン、二環式化合物等)の一般式・構造異性体数・立体異性体(鏡像異性体)(17点) 設問×16 |
| 6 | ・アミノ酸・ペプチドの構造異性体数、質量分析法によるテトラペプチドのアミノ酸配列決定、タンパク質の呈色反応(16点) 設問×12 | ・プラスチックの分類(熱可塑性・熱硬化性樹脂、鎖状・架橋構造)、ポリスチレン(付加重合)、フェノール樹脂(付加縮合、ノボラック・レゾールの触媒条件)(12点) 設問×12 | ・糖類(単糖・二糖・多糖)、DNA・RNA(核酸塩基の水素結合、相補性)、酵素による加水分解(16点) 設問×13 |
東京理科大学創域理工学部の化学は、試験時間80分のマーク式試験です。
近年4年間では大問6題構成が続き、理論化学、無機化学、有機化学、高分子化学まで幅広く出題されています。
ただし、各分野が毎年均等に出るわけではなく、理論計算の負担が比較的大きい総合問題型の試験と考えるのが適切です。
●対策
理論化学は計算力と立式力が重要
理論化学では、気体、化学平衡、電離平衡、電気分解などが重要です。
特に、気体の分圧、飽和蒸気圧、液体への溶解を組み合わせた問題では、公式をそのまま当てはめるだけでは対応できません。
気相と液相に存在する物質量を整理し、状態方程式や物質収支を使って立式する力が必要です。
酸塩基分野では、弱酸や緩衝液の公式を暗記するだけでなく、まず中和反応を処理し、その後に生じる平衡状態を考える手順を身につけましょう。
電気分解では、流れた電気量と電子の物質量、各電極での反応量を正確に結び付けることが重要です。
無機化学は実験操作の理由まで理解する
無機化学では、沈殿の色、錯イオン、気体の性質、金属イオンの分離などが問われます。
知識の暗記は必要ですが、系統分離や気体の精製は手順だけを覚えても十分ではありません。
なぜその試薬を使うのか、なぜその順番で操作するのかを、沈殿生成、酸塩基反応、酸化還元、気体の溶解性から説明できるようにしましょう。
洗気びん、乾燥剤、気体の捕集法など、教科書や資料集にある実験図も確認しておく必要があります。
有機・高分子は反応経路と実験操作を結び付ける
有機化学では、脂肪族化合物や芳香族化合物の反応経路、構造決定、高分子、天然有機化合物が扱われます。
反応式を個別に暗記するのではなく、出発物質から生成物までの変化を系統的に整理しましょう。
また、エステル化、加水分解、抽出、水層と有機層の判定など、実験操作を伴う問題にも注意が必要です。
2025年度には、質量分析法を題材としてペプチドのアミノ酸配列を推定する問題が出題されました。
ただし、質量分析法の専門知識を事前に覚える必要があるわけではありません。
問題文で与えられた原理と測定値を整理し、誘導に従って考える読解力が問われています。
独特な解答形式にも慣れる
創域理工学部の化学では、有効数字や指数形式で答える計算問題だけでなく、複数の記述の正誤を判断し、正しい選択肢に付された数値の合計をマークする形式も見られます。
一つの判断ミスで解答全体が変わるため、曖昧な知識では安定して得点できません。
各選択肢について、正しい理由や誤っている部分を説明する練習が有効です。
時間配分のポイント
80分で6題を解くため、単純平均では1題約13分です。
しかし、大問ごとの計算量や文章量は異なるため、時間を均等に配分する必要はありません。
最初に全体を確認し、知識中心の問題や標準計算を先に回収し、その後で長い計算問題や初見の資料問題に取り組む方法が有効です。
最後には有効数字、指数、単位、マーク位置を確認する時間を残しましょう。
まとめ
東京理科大学創域理工学部の化学は、理論、無機、有機、高分子を幅広く扱う総合力重視の試験です。
合格には、正確な知識、安定した計算力、実験操作への理解、長い問題文から必要な条件を読み取る力が求められます。
教科書と資料集で全範囲の基礎を固め、標準問題を繰り返したうえで、過去問を80分で解く練習を重ねることが重要です。
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