東京理科大学 工学部(B方式)の化学対策

本記事では東京理科大学 工学部(B方式)の化学対策について記載しています。
工学部の化学の試験時間は80分で、配点は100点です。
目標得点率は70%以上に設定して勉強していきましょう。
工学部の入試情報
東京理科大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で5~6つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2026年度 | |
| 1 | ・水と非電解質水溶液の冷却曲線(過冷却、凝固点降下、分子量測定)、ハーバー・ボッシュ法と化学平衡の移動(ルシャトリエの原理)(12点) 設問×2 |
| 2 | ・理想気体と実在気体の比較(圧縮率因子、ファンデルワールスの状態方程式、分子間力と体積の影響)(16点) 設問×8 |
| 3 | ・プロパンの不完全燃焼(熱化学方程式・反応エンタルピー)、混合気体の燃焼計算と体積変化(23点) 設問×6 |
| 4 | ・金属イオンの系統分離(8種分離の流れ図、沈殿の生成と錯イオン形成、各液性の反応)(15点) 設問×5 |
| 5 | ・酢酸の工業的合成法の変遷(乾留、カーバイド・アセチレン経由、ワッカー酸化)、燃焼による二酸化炭素発生量(10点) 設問×2 |
| 6 | ・炭素単体・化合物の反応(気液固の状態、溶解性、呈色反応の分類と数値加算選択)(24点) 設問×6 |
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| 1 | ・原子の構造、標準状態での気体反応、水溶液のpH比較、酸化還元(18点) 設問×6 | ・氷とダイヤモンドの結晶構造・単位格子(密度・原子間距離計算)、ヘンリーの法則、炭化水素の不完全燃焼計算(21点) 設問×3 | ・最外殻電子数、二次電池、グルコース水溶液の冷却曲線と凝固点降下、糖類(単糖・二糖・多糖の反応)、高分子化合物の正誤(22点) 設問×5 |
| 2 | ・弱電解質と強電解質、硫化水素の2段階電離平衡、ヘンリーの法則と気体の溶解度・濃度計算(20点) 設問×4 | ・気液平衡と飽和蒸気圧、蒸気圧曲線、沸騰と外圧、水とオクタン(互いに混ざり合わない液体)の分留(水蒸気蒸留)(14点) 設問×4 | ・連結容器内の気体と水蒸気圧(状態変化、温度・容積変化に伴う凝縮と分圧計算)(16点) 設問×4 |
| 3 | ・酸化還元反応と金属の析出(イオン化傾向)、電解精錬、有機化合物(メタン・エタノール等)の炭素原子の酸化数変化(20点) 設問×6 | ・反応速度式の決定、アレニウスの式と活性化エネルギーの算出・温度依存性(14点) 設問×6 | ・過マンガン酸カリウムと過酸化水素の酸化還元滴定、酸化数変化、実験器具の扱い(共洗い等)(13点) 設問×5 |
| 4 | ・8族遷移元素(鉄)の性質とコロイド、14族金属(鉛)の性質と単位格子・密度計算・原子量算出(20点) 設問×6 | ・接触法(硫酸の工業的製法)とオストワルト法(硝酸の工業的製法)、濃硫酸の希釈、化学平衡と平衡定数計算(18点) 設問×6 | ・遷移元素(銅)とその化合物の呈色、錯イオン、水和物の質量変化からの原子量決定(16点) 設問×6 |
| 5 | ・反応効率の指標(原子効率[%]と収率[%])、重合様式(縮合重合・開環重合・付加重合)による比較、構造異性体の生成比(22点) 設問×5 | ・C1化合物(一酸化炭素、二酸化炭素、メタン等)および関連物質(石灰石、フェノール樹脂、ビニロン等)の複合知識問題(33点) 設問×4 | ・分子間力(ファンデルワールス力、水素結合、極性)と沸点・融点・分子構造(異性体)の関係(14点) 設問×8 |
| 6 | ・アルコール・アルデヒド・カルボン酸・エステルの有機反応系統図、分子量測定、構造決定、分離操作(19点) 設問×8 |
東京理科大学工学部の化学は、80分で5~6題を解くマークシート方式です。問題数が多いうえ、独特の解答形式が採用されており、知識だけでなく計算力や判断力も求められます。2023~2026年度の過去問を見ると、理論化学を中心に、無機・有機・工業化学まで幅広く出題される総合力重視の試験となっています。
●対策
出題傾向① 独特な「数値加算型」マーク方式
東京理科大学工学部最大の特徴は、正しい選択肢の番号を合計して解答する「数値加算型」の問題です。
例えば、「正しいものが1・4・16」であれば「21」と解答します。
一つでも正誤判断を間違えると答え全体が変わるため、消去法だけでは対応できません。教科書の内容を曖昧に覚えるのではなく、一つひとつの選択肢について「なぜ正しいのか」「なぜ誤りなのか」を説明できるレベルまで理解することが重要です。
出題傾向② 理論化学が得点の中心
工学部では理論・無機・有機のすべてが出題されますが、配点・計算量ともに理論化学の比重が高い傾向があります。
特に頻出なのは、
- 気体
- 化学平衡
- 電離平衡
- 反応速度
- 電池・電気分解
- 凝固点降下や沸点上昇
などです。
近年はファンデルワールスの状態方程式や圧縮率因子、アトムエコノミーといった教科書の発展的な内容も出題されていますが、これらだけを特別視する必要はありません。まずは教科書の基本事項を確実に理解し、その上で発展内容にも触れておくことが大切です。
出題傾向③ 実験問題・データ処理が多い
工学部では実験を題材にした問題が多く出題されます。
例えば、
- 滴定
- 電気分解
- 気体発生
- 分離操作
- 凝固点降下
など、実験データを読み取りながら考察する問題が目立ちます。
計算だけでなく、実験操作や結果の意味まで理解しておく必要があります。
出題傾向④ 工業化学・無機・有機を横断的に問う
無機化学では、系統分離や錯イオン、金属イオンの性質に加え、
- 接触法
- オストワルト法
- アンモニアソーダ法
- 金属の製錬
など工業化学との関連が頻繁に出題されます。
有機化学では、構造決定だけではなく、
- 反応経路
- 官能基
- 合成法
- 高分子
- 天然高分子
を体系的に理解しているかが問われます。
また、生分解性プラスチックや高分子の用途など、資料集レベルの知識まで確認しておくと安心です。
効果的な学習法
まずは理論化学を最優先に学習しましょう。
気体、平衡、電池、反応速度などは、公式を暗記するだけではなく、「なぜその式になるのか」を理解し、自分で立式できるようになることが重要です。
無機化学は暗記だけで終わらせず、系統分離や工業的製法を関連付けて整理しましょう。
有機化学は反応経路を一本の流れとして理解し、高分子まで含めて体系的に復習すると得点しやすくなります。
さらに、教科書だけではなく資料集も活用し、イオンの色、錯イオン、用途、実験操作など細かな知識まで確認しておきましょう。
時間配分のポイント
80分という試験時間では、すべての問題に同じ時間をかける余裕はありません。
まず知識だけで解ける問題を素早く解答し、その後で計算問題に取り組む戦略がおすすめです。
過去問演習では、本番と同じ時間で解き、独特な数値加算型マーク方式にも慣れておきましょう。
おすすめ参考書
基礎固めには『鎌田の理論化学』『福間の無機化学』『有機化学演習』がおすすめです。その後、『化学重要問題集』で典型問題を完成させ、さらに余裕があれば『化学の新演習』などに取り組むと、東京理科大学工学部レベルまで対応できる実力が身につきます。
まとめ
東京理科大学工学部の化学は、理論化学を中心に、工業化学・無機・有機をバランスよく学習することが重要です。独特な数値加算型マーク方式では、曖昧な知識では得点できません。教科書・資料集の内容を正確に理解し、実験問題や計算問題を数多く演習することで、合格に必要な実戦力を身につけることができるでしょう。
早慶上理対策のまとめはこちら!↓

