上智大学 TEAP利用型の化学対策

本記事は上智大学の化学(TEAP利用型)対策について記載しています。
上智大学には受験方式がさまざまありますが、本記事はTEAPスコア利用型にて出題される化学試験の対策記事となります。*TEAPの公式サイトはこちら。
化学の試験時間は90分で、配点は下記の通りです。
| 試験区分 | 試験教科 | 科目 | 配点 |
| 英語外部検定試験 | 英語 | TEAP、TEAP CBTの検定試験を利用 *入試当日の英語試験はありません | 100点 |
| 本学独自試験 | 数学 | 数学ⅠⅡⅢAB(数列)C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面) | 150点 |
| 理科 | 物理、化学、生物のうちから2科目選択 | 150点(各75点) |
TEAP利用型の入試情報
上智大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で3つです。
下の表で出題される問題を確認しましょう。
| 2026年度 | 2025年度 | 2024年度 | |
| 1 | ・NO2とCOの二次反応、素反応、律速段階、反応エンタルピー 設問数6問 | ・ボルン・ハーバーサイクルと格子エネルギー 設問数5問 | ・メタンの水蒸気改質と水生ガスシフト反応、平衡定数、熱化学方程式 設問数6問 |
| 2 | ・ハロゲンの酸化作用、ヨウ素滴定を利用した混合ガスの定量 設問数5問 | ・塩化ガスが吹き込まれた溶液と溶液内の電離 設問数7問 | ・原子の構造、周期表、同位体、半減期、放射性炭素年代測定 設問数6問 |
| ・ベンゼンのニトロ化、ニトロベンゼンの還元、アセトアニリドの合成 設問数6問 | ・C7H14の化合物の構造決定 設問数7問 | ・C5H12Oの構造異性体と関連化合物、元素分析 設問数6問 |
| 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
| 1 | ・水の蒸気圧曲線、吸収する熱量、水蒸気の比熱 設問数5問 | ・分解速度と反応速度定数、活性化エネルギー 設問数5問 | ・プロパンの液化とプロパンおよびブタンの混合気体の燃焼 設問数5問 |
| 2 | ・鉄の単位格子と密度、Fe2+とKMnO4の酸化還元滴定 設問数5問 | ・アミノ酸の電離平衡と平衡定数、等電点、イオン交換膜による電解 設問数6問 | ・シュウ酸標準溶液による中和滴定と食酢の濃度決定 設問数6問 |
| ・C14H19NO3の化合物の構造決定と加水分解 設問数5問 | ・脂肪族エステルの構造決定 設問数5問 | ・芳香族化合物の系統分離と構造決定、元素分析 設問数6問 |
マークが中心ですが、一部、有機化合物の分子式、構造式、化学反応式、熱化学方程式などを記述で回答する問題も出題されます。
マーク式の回答の場合、導出過程を記述することがなく答えが合っているか間違っているかで判断されるため正確な計算力が必要となります。
●対策
特徴① 教科書の理論を深く理解しているかが問われる
理論化学では、毎年テーマは異なります。
2021年度:燃焼熱や中和滴定
2022年度:反応速度や反応速度定数
2023年度:熱化学と状態変化
2024年度:化学平衡
2025年度:格子エネルギーと緩衝液
2026年度:反応速度や律速段階
が出題されています。
このように、毎年テーマは変わります。
しかし共通しているのは、「教科書に載っている原理を理解しているか」を問う問題であることです。
公式を暗記するだけではなく、「なぜその式になるのか」「なぜその現象が起こるのか」を説明できる状態まで理解を深めることが重要です。
特徴② 実験を題材とした考察問題が中心
上智大学の化学では、ほとんどの大問が実験を題材としています。
燃焼実験、滴定実験、反応速度の測定、状態変化の観察、平衡実験、結晶や格子エネルギー、ヨウ素滴定など、毎年さまざまな実験が登場します。
重要なのは、実験器具や操作を暗記することではありません。
・実験の目的
・操作の意味
・得られたデータから何が分かるのか
これらを整理しながら考える力が求められます。
特徴③ 有機化学は「構造決定」が勝負
有機化学では毎年構造式を書く問題が出題されています。
しかし、本当に重要なのは構造式を書く技術ではありません。
元素分析、酸化反応、ヨードホルム反応、分離操作、水素付加などの情報を組み合わせて化合物の構造を決定する力が最も重要です。
構造式を書く練習だけでは不十分です。構造決定問題を数多く解き、考え方を身に付ける必要があります。
特徴④ 無機化学も毎年重要
無機化学は理論化学の中に組み込まれることもありますが、それだけではありません。
鉄、周期表、イオン結晶、ハロゲン、硫黄化合物など、無機化学だけで大問が構成される年度もあります。
暗記だけで解ける問題は少なく、結晶構造や酸化還元、実験操作などと組み合わせた考察問題として出題されることが多いのが特徴です。
特徴⑤ 読解力が得点を左右する
上智大学TEAP利用方式では、問題文が長いことでも知られています。
必要な条件はすべて問題文に書かれています。
そのため、文章を正確に読み取り、必要な情報だけを整理する力が非常に重要です。
問題文を読み飛ばしてしまうと、知識があっても正解できません。
特徴⑥ 計算は難しいのではなく「多い」
上智大学の化学は、計算そのものが極端に難しいわけではありません。
しかし、一つの問題で複数の計算を続けて行うことが多くあります。
モル計算、平衡計算、滴定計算、熱化学計算、有効数字の処理などマークシートへの記入まで、一連の処理を短時間で終えなければなりません。つまり、難易度よりも処理量との勝負になります。
効果的な学習方法
上智大学TEAP利用方式の化学では、まず教科書の内容を確実に理解することが重要です。
公式を暗記するだけでなく、「なぜその式になるのか」「なぜその現象が起こるのか」を説明できるレベルまで理解を深めましょう。
そのうえで、実験を題材とした問題を数多く解くことが大切です。
実験問題では、「なぜこの操作を行うのか」「なぜこの試薬を加えるのか」「この実験では何を確かめたいのか」を意識しながら演習すると、考察問題への対応力が身に付きます。
有機化学では、構造式を書く練習だけではなく、元素分析や各種反応の結果から化合物の構造を推定する構造決定問題を重点的に演習しましょう。
構造を決めるまでの考え方を身に付けることで、初見の問題にも対応しやすくなります。
また、上智大学の化学は一つ一つの計算が難しいわけではありませんが、短時間で多くの計算を処理する必要があります。
そのため、日頃からモル計算や平衡計算、熱化学計算などを正確かつ素早く解く練習を積み重ね、有効数字や指数表示にも慣れておくことが重要です。
最後は必ず過去問を繰り返し解きましょう。
知識の確認だけでなく、問題文の長さや実験設定、時間配分にも慣れることで、本番でも落ち着いて問題を解けるようになります。
おすすめ教材
最優先は『上智大学TEAP利用方式赤本』です。
上智特有の実験設定や問題量、時間配分は過去問でしか身に付きません。
基礎固めには『鎌田の理論化学』や『福間の無機化学』がおすすめです。
問題演習には『化学重要問題集』のA問題を確実に仕上げましょう。
さらに実力を伸ばしたい場合は、『化学標準問題精講』で思考力を養うと効果的です。
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