上智大学 TEAP利用型の生物対策

本記事は上智大学の生物(TEAP利用型)対策について記載しています。

上智大学には受験方式がさまざまありますが、本記事はTEAPスコア利用型にて出題される生物試験の対策記事となります。*TEAPの公式サイトはこちら

生物の試験時間は90分で、配点は下記の通りです。

試験区分試験教科科目配点
英語外部検定試験英語TEAP、TEAP CBTの検定試験を利用
*入試当日の英語試験はありません
100点
本学独自試験数学数学ⅠⅡⅢAB(数列)C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)150点
理科物理、化学、生物のうちから2科目選択150点(各75点)

TEAP利用型の入試情報

上智大学の公式サイトをご参照ください。

各項目の傾向と対策

大問は全部で3つです。
下の表で出題される問題を確認しましょう。

2026年度2025年度2024年度
1・霊長類の進化、遺伝子を扱う技術、分子系統樹
設問数7問
・神経誘導と遺伝子の発現調整
設問数4問
・酵母・細菌の発酵
設問数5問
2・腎臓のはたらき
設問数4問
・アメフラシの刺激と反射、膜電位の観察
設問数4問
・細胞の構造
設問数5問
3・生態系における物質循環
設問数4問
・被子植物における種子と果実
設問数4問
・光合成の反応経路
設問数4問
2023年度2022年度2021年度
1・核酸の構造、サンガー法、遺伝子の発現
設問数7問
・両生類の発生
設問数7問
・タンパク質の立体構造
設問数8問
2・植物の組織、気孔の開閉、窒素代謝
設問数5問
・ホルモン作用、受容体と情報伝達
設問数5問
・発生のしくみ、動物の神経系
設問数6問
3・興奮伝導の経路と反射、刺激の受容と反応、筋収縮
設問数6問
・遺伝子の導入、葉の老化
設問数7問
・植物ホルモン
設問数7問

上智大学TEAP利用方式の生物は、知識だけで押し切れる試験ではありません。

2021~2026年度の過去問を見ると、高校生物の基本知識を土台にしながら、長い文章、図、表、グラフ、実験結果を読み取り、生命現象を筋道立てて説明する力が求められています。

問題文の中には、教科書では大きく扱われないタンパク質や遺伝子、実験方法が登場することもあります。

しかし、それらを事前にすべて暗記しておく必要があるわけではありません。

本文中の説明と自分が持っている基本知識を結び付けて考える力が重要です。

●対策

全範囲から幅広く出題される

上智大学TEAP利用方式の生物は、特定の単元だけに大きく偏っているわけではありません。

2021年度はタンパク質、神経分化、植物ホルモン、2022年度は両生類の発生、ホルモン、遺伝子組換え、2023年度はDNAとRNA、植物の構造と代謝、神経、2024年度は発酵、細胞小器官、光合成、2025年度は発生、神経、植物ホルモン、2026年度は進化、腎臓、生態系と窒素循環が出題されています。

このように見ると、分子生物学、発生、植物生理は重要ですが、それだけに集中するのは危険です。

進化、生態、体内環境、代謝まで含めて、全範囲を仕上げる必要があります。

ただし、どの単元でも共通しているのは、生命現象を細胞や分子の働きまで掘り下げて考えさせることです。

長い文章を正確に読む力が重要

上智大学の生物では、問題文の文章量が多くなっています。

文章の中には、実験条件、観察結果、未知の用語の説明、解答に必要な手がかりが含まれています。

そのため、問題文を読み飛ばすと、知識があっても正解できません。

特に重要なのは、「本文から分かること」と「自分が知っていること」を分けて整理することです。

初めて見るタンパク質や遺伝子が登場しても、本文に働きが書かれている場合は、その説明を根拠に考えます。

知らない用語が出た瞬間に諦めるのではなく、前後の文章から役割や関係を読み取る姿勢が必要です。

実験結果を因果関係で整理する

上智大学では、実験を題材とした問題が非常に多く出題されます。

ただし、単にグラフの値を読むだけではありません。

実験の目的、操作の意味、条件の違い、結果から分かることを整理し、生命現象の仕組みを説明する必要があります。

2024年度のパン作りでは、酵母や乳酸菌の数、pHの変化、温度条件を結び付けて、パン生地が膨らむ仕組みを約200字で説明させています。

2025年度のアメフラシでは、神経回路と電極の位置を読み取り、連続刺激や尾部刺激によって膜電位がどのように変化するかを判断させています。

このような問題では、「条件が変わる」「生体内の反応が変わる」「観察結果が変わる」という流れを意識すると、考えやすくなります。

図やグラフを読み取り、必要に応じて描き加える

上智大学の生物では、図やグラフを扱う問題が多く出題されます。

しかし、毎年複雑な図を一から描かせるわけではありません。

多いのは、与えられた図を読み取る問題、図に矢印や構造を描き加える問題、実験結果をグラフで表す問題です。

2022年度には、移植実験の結果をもとに両生類の胚の断面図を描く問題が出題されています。

2021年度には、根を水平に置いた場合のオーキシンの移動方向を矢印で示す問題が出題されています。

大切なのは、図をそのまま暗記することではありません。

通常の状態を理解したうえで、条件が変わったときに、どの部分がどのように変化するかを考える力が必要です。

指定語句を使った論述が多い

上智大学の論述問題では、指定された語句をすべて使って説明させる形式がよく見られます。

2021年度には、「細胞内、細胞外、リン脂質二重層」という語句を使って、アクアポリンを構成するアミノ酸の配置を説明する問題があります。

2022年度には、「ATP、グルコース、酵素、受容体」という語句を使って、アドレナリンの情報伝達を説明する問題があります。

2025年度には、BMP、BMP受容体、ノギン、コーディンをすべて使って、神経誘導の仕組みを説明させています。

この形式では、知識があっても、指定語句を使い忘れると不十分な答案になります。

問題を読んだら、まず問われている内容と指定語句を確認し、原因、過程、結果の順に文章を組み立てることが大切です。

細かな用語の丸暗記は最優先ではない

Shh、ノギン、コーディン、CTR1など、教科書では大きく扱われない名称が登場することがあります。

しかし、こうした用語を大量に暗記することが上智対策の中心ではありません。

多くの場合、問題文の中にその物質やタンパク質の働きが説明されています。

2025年度のエチレン受容体とCTR1の問題でも、両者の関係が本文中に示され、その情報を変異体に当てはめて判断する形式になっています。

必要なのは、発展用語を知っていることよりも、本文から役割を読み取り、基本的な知識と結び付ける力です。

そのため、用語集の細部まで暗記するより、教科書の基本事項を確実に理解することを優先しましょう。

教科書の知識を説明できる状態にする

上智大学の問題では、用語を知っているだけではなく、仕組みを説明できることが求められます。

例えば、ホルモンが受容体に結合した後の情報伝達、光合成における電子の移動、オーキシンによる細胞伸長、腎臓におけるろ過と再吸収などです。

これらを学習するときは、用語を一問一答で覚えるだけで終わらせないことが大切です。

「どこで起こるのか」「何が何に作用するのか」「その結果どうなるのか」を、自分の言葉で説明できるようにしましょう。

図説は模写だけでなく変化を考えるために使う

図説は上智生物の対策に非常に役立ちます。

細胞小器官、発生の断面図、神経回路、植物の組織、光合成、腎臓などの図を確認し、構造と働きを結び付けて覚えましょう。

ただし、図をそのまま写すだけでは不十分です。

一部を取り除いた場合、移植した場合、ホルモンの濃度を変えた場合、向きを変えた場合に、どのような変化が起こるかを考えることが重要です。

上智の作図問題は、知っている図を再現するだけでなく、実験条件に合わせて図を変化させる問題が多いからです。

実験問題では対照と変数を整理する

実験問題を解くときは、最初に何を変え、何を同じにしているのかを確認しましょう。

独立変数、結果として測定しているもの、比較対象となる条件を整理すると、問題の意図が見えやすくなります。

ただし、上智では対照実験を見つけるだけでなく、複数の結果を一つの説明にまとめる力も必要です。

そのため、演習後には、「この実験で何が分かったか」を一文でまとめる習慣をつけると効果的です。

過去問演習では時間無制限と時間制限を使い分ける

最初から45分で解こうとすると、内容を十分に理解できないまま復習が終わってしまうことがあります。

初めの数年分は時間を気にせず、本文のどこが根拠になっているか、どの基本知識を使うか、論述をどの順番で書くかを丁寧に確認しましょう。

その後、知識問題を素早く処理し、重い論述や作図に時間を残す練習へ移ります。

理科2科目で90分のため、生物に使える時間は必ずしも45分ちょうどではありません。

もう一方の科目とのバランスを考え、40~50分程度で調整できるようにしておくのが現実的です。

大問を均等に15分ずつ解くよりも、最初に全体を確認し、短い知識問題を先に解き、長い記述や作図を後から仕上げる方

おすすめ教材

最初に優先したいのは、学校の教科書と生物図説です。

用語の確認だけでなく、図、実験、仕組みを説明できる状態を目指しましょう。

問題演習には『生物重要問題集』が適しています。

標準的な実験考察、グラフの読み取り、記述問題を通して、教科書知識を使う練習ができます。

『生物[生物基礎・生物]標準問題精講』は、基本が固まった後に、考察問題や論述問題を強化するために使うと効果的です。

そして、最も重要なのは上智大学TEAP利用方式の過去問です。

上智特有の文章量、指定語句論述、作図、初見情報の読み取りは、過去問でなければ十分に慣れることができません。

まとめ

上智大学TEAP利用方式の生物は、細かな発展知識や作図技術だけを競う試験ではありません。

高校生物の基本事項を正確に理解し、長い文章、図、表、グラフ、実験結果から必要な情報を読み取り、それを筋道立てて説明する力が求められます。

対策では、教科書と図説を使って基本事項を説明できる状態を作り、実験問題では条件と結果の関係を整理し、論述では指定語句と因果関係を意識することが大切です。

そのうえで過去問を繰り返し解き、初めて見る情報を落ち着いて処理する力と、限られた時間の中で答案をまとめる力を身に付けることが、合格への最も確実な道になります。

早慶上理対策のまとめはこちら!↓

\ 最新情報をチェック /