大学入学共通テスト・生物の分析【2021年1月17日実施分】

2021年度1月17日に大学入学共通テスト(2日目)が実施されました。

本記事では大学入学共通テストの生物を分析しています。

全体について

大問数は6つで、マーク数は27個であった。
平均点は72.64点であった。

出題内容・配点・問題数

第1問生命現象と物質・進化と系統
【乳糖の消化】
配点:14点
設問数:4
第2問生態と環境(外来生物と個体群)
【種間の関係】
配点:15点
設問数:4
第3問生態と環境
【生産構造図】
配点:12点
設問数:3
第4問生物の環境応答(学習)
【動物の行動】
配点:13点
設問数:3
第5問生殖と発生・生物の環境応答
【A:植物の発生/B:植物ホルモン】
配点:27点
設問数:6
第6問生殖と発生
【A:動物の発生/B:動物の行動】
配点:19
設問数:5

全体の講評

知識を直接問うような問題は少なく、実験考察問題が多く出題された。
その他、会話形式の問題や図や表をもとに考える問題も出題されている。
考察問題は参照すべきデータの検証が比較的やさしく、選択肢も多くないため簡単に正答を選べる問題であった。

設問別の分析

大問1 生命現象と物質・進化と系統
乳糖の消化がテーマの総合問題であった。
分野を横断して出題される形式はセンター試験にはなかった新傾向である。
問4は表と実験をあわせて考える必要がある問題であった。

大問2 生態と環境(外来生物と個体群)
アノールトカゲの種間競争がテーマであった。
適応進化の観点で考える必要がある問題が出題されている。
複数のデータを検証する必要がある。

大問3 生態と環境
草本植物群集の生産構造図がテーマであった。
生産構造図の知識と考察を必要とする問題である。
会話形式での出題もあり、図と会話の確認で時間がかかる。

大問4 生物の環境応答(学習)
若鳥のさえずりと繁殖がテーマであった。
実験の考察がわかりやすいため点差のつきにくい問題である。

大問5 生殖と発生・生物の環境応答
Aは茎頂分裂組織と葉の分化がテーマで、Bは根の緑化と植物ホルモンがテーマであった。
植物の発生について知識が横断的に出題されている。
実験内容が難解で、複数個の情報を整理する必要がある。

大問6 生殖と発生
Aは眼の形成とタンパク質、Bは眼の有無と行動がテーマであった。
動物の行動に関する総合問題である。
実験などを整理していけば容易に正答にたどりつく。