受験評論家になるべからず。泥臭く勉強する時期が必要という話。

あなたの周りに、もしかしたらあなた自身かもしれませんが、受験評論家っていませんか?

受験評論家とは「難関大学の受験情報についてよく知っているけど、その人自身の実力がない、もしくは不明の人」です。

例えば「東大の英語は時間勝負なんだよなぁ」と言いながら、その人は東大受験からは程遠い学力であるみたいなことです。

こういうタイプの人は受験情報についてよく知っているがゆえに「自分は実力があるのではないか」と錯覚してしまいます。

受験評論家タイプはかなり悲惨な結果に終わることが多いのでその理由を書きます。

ゴールの仕方について語るのは誰でもできる

実は、ゴールの仕方について語ることは誰でも簡単にできます。

例えば「東大 対策」などで検索すれば東大に合格するための勉強法がいくらでも出てきます。

表示されたサイトに一通り目を通せば、勉強をしていなくても東大に合格する方法を誰かに話すことができてしまいます。

勉強をせずにずっと受験対策サイトだけ眺めていると受験については完全に攻略した気になってしまい、これがエスカレートすると他人の勉強に口を出すようになっていきます。

「あいつの勉強法じゃ○○大学は受からないな」みたいなことを言い出したら立派な受験評論家の完成です。

以上のように、受験に限らずゴールまであと少しという部分について語ることは誰でもできてしまうのです。

最初の「何が何だかわからないけど進める」が一番大変

実際にサイトをみて東大合格までの勉強方法を実践するのは本当に大変なことです。

何をやるにもやり始めの「何が何だかわからないけど進めなければいけない」という状態が一番大変なのです。

受験勉強をはじめて参考書や問題集を開くとほとんどわからない内容だけど、一つ一つ潰していって、段々と理解できるようになっていくという地道なプロセスに耐えられるかが勝負の分かれ目です。

それに加えて気分が乗らずに計画がうまく進まない、かなり勉強したのに模試になると解くことができないなどの、単純に勉強すること以外の部分まで気にしなくてはいけません。

難関大学に向けての関連情報だけ知っている人はこの大変なプロセスをまったく通っていません。

なので、いろいろ試行錯誤しないといけない最初の時期に苦しんでいる人をみて、「あいつの勉強法じゃ○○大学には受からない」と言ってしまうのです。

長期的にみると試行錯誤プロセスを抜け、自分の勉強法が確立すると、あまりストレスもなく一気に成績が上昇する時期がきますので、実践しない受験評論家は完全に置いていかれます。

そして置いていかれた受験評論家は自分のことを客観視して「あいつ勉強法じゃ○○大学に受からない」という自分の言葉に苦しむことになるという流れです。

合格した人、学校の先生、塾の先生の言葉に注意

難関大学に合格した人や学校の先生、塾の先生の言葉にも注意が必要です。

このような人たちは最初の大変な時期を抜けて、自分の勉強法を確立し、合格を勝ち取ったり、学校や塾で教えられるようになるまで力をつけてきた人です。

しかし、人は合格した瞬間や受験勉強から時間が経つと、苦しかった時期を忘れて「そんなに頑張らなくても受かるよ」とか「そんな問題解くのなんか簡単じゃん」と言ってしまうようになるのです。

僕でも気を抜くと言ってしまうことがありますので、自覚的じゃない人は呼吸をするように言っている可能性があります。

僕自身振り返ってみると、英語については文法問題集を約6冊、単語集を3~4冊、英文解釈の問題集を2~3冊、リスニング教材を2冊、長文を300題以上、通学時は洋書を読み、podcastで海外のニュースを聴き、予備校講師のアドバイスはほとんど取り入れ、教材の予習復習をやり…という泥臭いステップを踏んできました。

合格した人も学校や塾の先生もここまで極端じゃないにせよそれなりに泥臭く勉強してきたはずです。

東大合格者についても「高3の夏休みから勉強を始めて受かった」という人もいますが、よくプロフィールをみてみると名門の中高一貫校出身だったりします。

名門の中高一貫校の生徒であれば、厳密にいったら早くて小学4年生くらいから先取りで勉強を始めているのですから、「高3の夏休みから勉強を始めた」とは言えないはずです。

受験評論家になるのは現実逃避なので現実的な数字に向き合おう

以上のことから勉強をしない「受験評論家」になるのは非常に危険です。

ならないためには下記の項目を気にするようにしましょう。

□参考書や問題集はどれだけ進めたか
□模試の偏差値や判定は志望校を受けるに値するか
□計画は実際にどれだけ進んでいるか
□手より口の方が動いていないか
□気づいたら受験対策サイトばかり見ていないか
□過去問を解いたときの点数と合格点との間にどれくらい差があるのか把握しているか

基本的に「受験評論家」は現実逃避が好きなので上記の項目を確認するのは身が切られるような思いでしょうが、そこはちゃんと確認してください。

受験情報だけやたら知っていて志望大学には不合格になってしまうのは本当に恥ずかしいことなので実際に得た情報をもとに「行動」していきましょう。

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