「日東駒専は簡単だ」と言われているのになぜ受からないのか。

一般的に高校生のあいだで「日東駒専は簡単。とりあえず最低ここには受かりたい」という認識が広まっているように思えます。

日東駒専とは日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学の頭文字を並べた言葉です。

偏差値も50前後(学部によりますが)なので一見すると簡単な大学であるように思えますが、実は簡単には受からない大学群です。

そこで本記事では、日東駒専が簡単だと言われる原因と難しい理由をご説明します。

日東駒専が簡単だと言われる理由

一般的に日東駒専が簡単だと言われる理由はGMARCHや早慶上理などの難関私立大学の受験者からしたら簡単だからです。

GMARCHは学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学を指します。
早慶上理は早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学を指します。

いずれも偏差値でいうと日東駒専より高く、日東駒専を滑り止めやおさえに位置づけている受験生が多いです。

日東駒専が難しい理由にもつながってきますが、英語を例にとって、どの部分にレベル差があるのか説明します。

日東駒専の英語の問題は下記のような設問で構成されています。

・長文読解
・文法問題
・語法問題
・熟語問題
・会話問題
・整序問題


一方で日東駒専より偏差値の高い大学は基本的に長文読解がメインとなっており、文法や語法などの単体の知識が求められる出題は少なくなっていく傾向にあります。(学部によります)

つまり、英語についていうと、偏差値が高くなればなるほど文法や語法などの基本知識は覚えていることが前提の出題になっているということです。

また、長文読解に限定すると、日東駒専の問題は読めさえすれば簡単に正答が見つかるのに対し、GMARCHや早慶上理はそもそも読むのが困難であったり、読めても理解ができなかったりして正答にたどりつくのが容易ではありません。

学習の順序にも違いがあります。また、英語を例にして説明します。

●日東駒専
文法・語法・単語・熟語などの表現を覚える→基本的な英文解釈をおこなう→ある程度読解の練習をする→過去問演習→受験

●GMARCH、東京理科大
文法・語法・単語・熟語などの表現を覚える→基本的な英文解釈をおこなう→標準的な英文解釈をおこなう→読解の練習を積む→整序問題や和文英訳問題などの個別対策をする→過去問演習→受験

●早慶上智
文法・語法・単語・熟語などの表現を多く覚える→基本的な英文解釈をおこなう→標準的な英文解釈をおこなう→上級の英文解釈をおこなう(学部による)→読解の練習を大量に積む→正誤問題や整序問題、自由英作文問題などの個別対策をする→過去問演習を積む(志望大学・学部は2周程度やる)→時間調整→受験

受験生の実力や大学、学部によって異なりますが、おおむね上記のような手順を踏んでいきます。
明らかにGMARCHや早慶上理などの大学と比較して、日東駒専の負担が少ないことがわかりますね。

国公立大学が第一志望であれば、さらに記述対策や共通テスト対策で時間をとられます。

ここまで説明されると日東駒専はやはり簡単に受かるのではないかと思うかもしれませんが、そうはならないのです。

日東駒専が難しい理由

難しい理由を結論から言うと、上に示した日東駒専の最低ラインの勉強でも、約1年間で終わらせることができない受験生が大量にいるからです。

説明されると簡単に思えるようなことでも実際にやるとなるとできない人がたくさんいるので、偏差値が50前後になっているわけです。実際にやるのが簡単であれば偏差値はもっと低いはずです。(偏差値50は簡単にいうとぴったり平均ということです)

高校受験と異なる部分は、高校受験では授業をちゃんと理解して、定期テストをまじめにやっていれば偏差値50を達成することができますが、大学受験は定期テストをまじめにやっているだけでは偏差値50に到達しません。(これもまた人によりますが)

本記事で示した学習内容の例は英語のみであり、実際は文系であれば国語や社会、理系であれば数学や理科も勉強する必要があります。

たった3教科でも学習の進捗状況や現在の成績をもとに進めていくのは、多くの受験生にとって難しいことなのです。

・何が一番重要なのかすぐにわからないことが多い
・優先順位を適切につけることができない
・実際に勉強内容が身についているかよりも参考書や問題集を何回やるかや勉強時間を気にしてしまうことが多い
・そもそも必要な勉強時間を確保できていない
・定期テスト勉強などで受験に関係ない科目でも意味なく(プライドなどで)多くの時間を割いてしまう
・人のアドバイスを実践しない

・効率の悪い勉強をしていると指摘されることが何度もある

以上の特徴がある受験生は偏差値50前後に達することすら難しくなる可能性が高いので、自分を冷静に見つめ直してみましょう。

日東駒専の英語対策についてはこちらで解説しています。
日東駒専の世界史対策についてはこちらで解説しています。