慶應義塾大学(理工学部)の英語対策

本記事は慶應義塾大学の理工学部の英語対策について記載しています。

理工学部の英語は理系といえども難易度が高いため、理系科目だけで突破しようとせずに、しっかり英語でも得点していきましょう。

合格最低点は60%程度で推移していますので、理系科目に自信がある受験生は60%、理系科目で高得点をとる自信がない受験生は70%あたりを目標にして勉強していきましょう。

理工学部の英語は90分150点満点です。

各項目の傾向と対策

●全体の傾向
大問は全部で4つです。
2017年度までは6つでしたが、2018年度からアクセント問題、文法・語法問題、語形変化問題などがなくなりました。(大問の1つとして出題されなくなっただけで、長文問題中でアクセント問題などは現在でも出題されています)
大問は主に長文読解が2題、会話問題、単語の空所補充問題という構成です。
使用されている単語や英語表現のレベルは高いため、語彙力を鍛えておきましょう。
また、英検1級レベルまでの語彙をインプットしていたとしても知らない単語の意味を問う問題が出題されるので、そういった問題を後回しにするか、思い切って捨ててしまうかの判断も素早くおこなう必要があります。
数学や理科を中心に勉強してしまいがちですが、英語の勉強も徹底しておこなうようにしましょう。

●大問1、2(長文読解)
2題とも600~700語程度の長文読解問題で構成されています。
長文の長さとしては比較的長く、内容も専門的で、理解しにくいこともあります。
使用されている語彙のレベルも高く、基本的な単語集だけを覚えているだけだとまったく理解できないかと思います。
設問の形式は空所補充、下線部の意味として適切なものを選ぶ問題、下線部が指し示す内容を選ぶ問題、内容一致問題、整序問題、アクセント問題などです。
空所補充問題は文脈から判断して適切な語句をいれる問題なのですが、選択肢の一部はほとんどの受験生が知らない単語がまぎれているので、消去法で選択をするか、わからない単語が多すぎる場合は後回しにして先にいくかを瞬時に判断しましょう。

下線部の意味として適切なものを選ぶ問題は、文脈から意味を推測して選択肢を選んでいきましょう。
選択肢の単語については標準的なものが多く、意味がわからないから選べないということは基本的にありません。

下線部が指し示す内容を選ぶ問題についても文脈で判断します。
問題の種類としては単語の意味を答えるものか、文の意味を答えるものにわかれます。

内容一致問題も言うまでもなく文脈で判断するしかありません。言い換え表現などを多用して正解をわかりにくくするパターンが王道ですので、だまされないようにしましょう。

整序問題は多くの受験生が苦手とする文章中で文脈にあわせて語句を並べ替える形式です。
このタイプの難しいところは文法的にあっていても意味的に間違っている場合があるという点です。
まずは文法的にカタマリをつくって、並べ替えた文が文脈にそっているかを確認しましょう。

アクセント問題は『ネクステージ』などの問題集で対策をしておきましょう。

●大問3(会話問題)
基本的な会話問題は下線部の意味を問う問題か空所補充という構成が定番ではありますが、理工学部の会話問題は上記の定番問題(空所補充は出ません)に加えて、内容一致や要約など特殊な問題構成となっています。

下線部の意味を問う問題は一般的に知らない表現に下線がひかれていることが多いため、会話の流れで判断するしかありません。

内容一致問題は会話の流れを理解していることが前提として、各人物の考え方を抽象化する必要があります。
「つまりどういうことを伝えたいのか」という視点を持ちながら会話を追っていきましょう。

要約問題や対話文に関する質問についても内容一致と同じように会話内容を抽象化していく必要があります。

●大問4(単語の空所補充)
2020年度までは英語の文章とその和訳が書かれていて、和訳の部分に該当する英語表現を空所にいれていく問題でしたが、2021年度から短文が書かれていて空所に入る語句を推測して選択する問題です。
例えば、「ニュートンの運動の第二法則では物体の加速度はそれに働く合力に正(  )する」という文があり、選択肢には「平行」や「比例」などがあり、「比例」にあたる表現を選ぶという問題です。
もちろん実際はすべて英語で書かれており、理系的な素養が必要な問題が主となっています。
普段から自分が選択した理科の科目以外にも豆知識的でもいいので関心をもっておきましょう。

早稲田大学の基幹・先進・創造理工学部ほどではありませんが、理系の受験生に課す問題としてはかなりレベルが高いです。
英語が苦手といっていては合格最低点を突破することができませんので、苦手でも一定の勉強時間を割くようにしましょう。