早稲田大学 基幹・先進・創造理工学部の英語対策

2023年8月7日

本記事は早稲田大学の基幹・先進・創造理工学部の英語対策について記載しています。

英語の配点は数学、理科と同様の120点満点(90分)となっており、大きな割合を閉めているので、理系といえど英語をおろそかにすると合格することが出来ません。
*数学と理科で90%以上得点できるなら苦手でもいいと思います。

しかしながら、やはり数学と理科に多くの時間を割きたいと思っている受験生は多いと思いますので、戦略的に得点をしていきましょう。

早稲田大学で出題される英語問題の中でも難しい部類に属し、予備校の中でも解答速報を出すのにかなり時間のかかる内容なのですが、主に「専門性の高い文章が出る」「計算を要する問題が出る」「段落整序問題がやっかい」という点で難しくなっているのだと考察します。
高い語彙レベル+論理力+90分以内で解き終わる処理能力という要素がそろっていないと満足に解答することができない内容となっています。

各項目の傾向と対策

●全体の傾向
大問数はぜんぶで5つです。
問題は長文読解、文中の整序問題、文中の空所補充問題、文章の整序問題、論理に関する読解問題、数的な問題、語彙問題という構成です。
全体的に難しいため、英語が得意な受験生は70%以上の得点率を狙ってほしいのですが、基本的には6割強を目指しましょう。もちろん数学と理科で7割以上得点することが前提となっています。
全問マーク式なので、わからなくてもどれかはマークしておきましょう。

●大問1(長文読解)
TEXT1~3まであり、TEXTを単体で読んで解答する問題もあれば、他のTEXTと横断的に解答する問題もあります。専門的な内容で、高い語彙力を必要としています。
問題の形式は主に内容一致、下線部の単語の意味を問う問題、空所補充問題などです。
専門性のある内容ではありますが、語彙を鍛えていれば問題には解答出来ると思います。
ただ、文系学部並みの語彙力を要求しているので、理系科目をやりながらそこまで語彙力を鍛える余裕があるかは個人の努力しだいといったところです。
自然科学系の内容が多いため、読解問題の勉強をしているときに人文科学系、社会科学系の問題を使っている人は対応できない可能性があるため、理工学部の過去問や他大の理系学部の過去問を使って演習しましょう。

●大問2(整序問題)
文章中にある語句を並べ替えて、3番目と5番目にくる語句を答える問題です。
最近はどの大学でも個別の整序問題ではなく、文章中で文脈から判断して並べ替える問題を出すところが増えています。
まずは文法知識や語彙・熟語の知識から可能性のあるカタマリをつくって、文脈的に意味の通る文になっているかを確認します。
このタイプの問題は文法的に合っていても、意味的に間違っている場合があるので難解です。

●大問3(空所補充問題、段落整序)
文脈、文法知識などからのアプローチが必要です。
毎年、不定冠詞(a / an)のどちらが入るのかを問う問題が出題されていますが、基本的な文法・語法などを対策して、不定冠詞までに気を配れる受験生がそこまでいるのかは疑問です。
そこまで時間をかけずにわからなかったら、どれかをマークして先に進んでしまいましょう。
段落整序問題は1段落目の内容を並べ替え、かつ文章全体も並べ替える必要がある問題であり、ここの解答にこだわると時間を大きく失います。
すでに出てきている単語にはtheやthisなどがついているので後ろに置く、まだ出てきていない単語が入っている文章はとりあえず後ろに置くなどの方法でヒントを探しながら並べ替えていきましょう。

大問4(論理に関する問題、計算を要する問題)
論理に関する文章が書かれており、その内容を問う問題や、論理に関する手法を用いて他のパターンに応用できるかを確認する問題です。
しっかり手順を追って読み進めれば理解できる内容ですので、過去問演習などをやって形式に慣れておきましょう。
計算を要する問題は、読めさえすれば、理系の学生であればすぐに処理することができる問題です。
選挙の得票数(率)に関する問題、固定費や変動費に関する問題、帰納法に関する問題などが出題されています。
余裕があれば、算数、数学に関する英語表現をインプットしておきましょう。

●大問5(同意表現問題)
2つの文に共通して入る同意表現(単語)を推測して答える問題です。
スペルを書いたときにa~gの場合は1、h~mの場合は2、n~sの場合は3、t~zの場合は4が入ります。
1番目のアルファベットはすでに与えられています。
例えば、WASEDAであれば、W13111となります。
全部で15題ありますが、多義語表現の意味とスペルを正確に覚えている必要があるため(選択肢でなんとなく予想はつくものの)、すべてに解答することにこだわると、これもまた大きく時間を失ってしまいます。
クイズ形式の問題は時間を奪いがちなので、知らないものは考えてもわからないと割り切って、確実に解答できるところでケアレスミスをしていないかを確認しましょう。

理系教科に時間をかけたい受験生が多いため、ここまで難解だと逆に差がつきません。
とはいえ、理系受験生の中にも、「この学部に入って勉強したいことがあるけど、理系教科がそこまで得意ではない」という人もいると思います。
そういった人にとっては、英語に時間をかけて、本学部の難解な問題で高得点をとれるようになれば大きなアドバンテージとなりますので、理系志望の理系教科苦手パターンの人にとっては救いになるのではないかと思います。(他大の理系学部で出題される英語問題は比較的平易で、がんばっても差があまりつきません)