慶應義塾大学(経済学部)の英語対策

本記事は慶應義塾大学の経済学部の英語対策について記載しています。

慶応経済学部はA方式とB方式があります。

・A方式
英語(200点)、数学(150点)、小論文(70点)

・B方式
英語(200点)、地歴(150点)、小論文(70点)
*地歴は世界史B(1500年以降中心)、日本史B(1600年以降中心)からの選択です。

英語の試験時間は100分です。

各項目の傾向と対策

●全体の傾向
本大学の経済学部の英語には足きりの点数が存在します。
200点中、長文読解が3題(90点分)、和文英訳・自由英作文(110点分)という構成ですが、長文読解で基準点に達していない場合は和文英訳・自由英作文は採点されません
*A方式については数学もいれて足きりの点数が存在します。
長文読解は長めなのですが、内容は標準的です。早慶を目指している受験生にとっては読むのに苦労しない文章です。
ただ、後半の和文英訳・自由英作文は私大専願の受験生にとっては厳しい問題になります。
私立大学では記述をさせる出題をする大学が少なく、記号問題の対策が中心になりがちで、記述対策をおろそかにしてしまいます。
当たり前のことではありますが、過去問をできるだけ多く解いて、記述問題については添削をしてもらいましょう。

●大問1~3(長文読解)
後半の和文英訳・自由英作文の時間を考えると60~70分程度で解答を終えたいところです。
すでに述べたように長文の文章自体は標準的で、基本的な文法・語法・熟語を頭に入れて英文解釈をやり、多読をしていれば対応することができます。
設問は空所補充問題、内容一致問題、筆者の立場で解答する問題、アクセント問題が中心になっています。
英文自体は標準的とはいえ、適切に解答できるかどうかはまた別の話になります。
文法・語法などの知識は備わっているのかどうかは基本として、前後関係やパラグラフや文章全体の理解をしているのか、一つ一つの英語表現に対する言語感覚はあるのかなどを問うてきます。
できる限り多くの長文問題を解いて英語の感覚を養っていきましょう。そのためには基本知識を高校3年生になる前や高校3年生の夏休み前までには80~90%程度理解している状態がのぞましいです。

●大問4(和文英訳)
和文英訳問題にかけられる時間は10分程度です。
本学部の和文英訳問題は特殊で日常会話を英訳する必要があります。

例えば、
A1:今日のテストの勉強は一夜漬けでやったから、うまくいったかどうかわからないよ。
B1:テスト勉強はやっぱり、もっと前もってやっておかなければいけないよね。
A2:それはわかっているんだけど、直前にならないとどうにも体が動かないんだ。
B2:自分から変わらなきゃ、ずっとうまくいかないままだよ。

といった内容の日本語文を英語にしていく必要があります。
*これは実際に出題された問題ではなく創作です。

こういう口語表現をいかに自分が知っている表現に直していくのかが重要です。
例えば、「一夜漬け」であれば、「夜中に勉強をした」などと言い換えることができますね。
*cram for the testなどの「一夜漬け」を表わす表現はちゃんとあります。

また、硬い表現は不適となります。
あくまで日常会話なので、論文で使うような英語表現は適していませんよね。

過去問演習は当然として、普段から何気ないことについて日記を書いておくと効果的でしょう。

●問題5(自由英作文)
自由英作文には2~30分程度かけられるように調整しましょう。
設問が2つあり、どちらか1つを選んで解答します。
条件は下記の通りです。
①箇条書き不可
自分の意見と異なる見解に言及し、それに反論すること
③問題文Ⅰ~Ⅲで言及されている見解やことがらを最低一つ引用して、自分の意見をまとめること。

この問題文Ⅰ~Ⅲというのは大問1~3の長文読解を指します。
構成がしっかりとして、論旨が明確であり、引用を適切に用いた文章を時間内に書く必要があります。
指定語数がないのですが、150語~200語程度を目安に書いていきましょう。
自分の意見と引用文のバランスが重要で、あまりにも引用文が多すぎて露骨に語数あわせをしているような文章は評価されないでしょう。
書いたら、先生や予備校・塾の講師に添削をしてもらいましょう。


足きりを回避するために長文読解に時間をかけると、配点の大きい大問4、5に時間をかけることができません。
逆に配点の大きい部分を中心に対策をしていると、足きりを超えることができない可能性があります。
バランスが大切なのですが、毎年出題形式は同じなので、対策自体はしやすいです。
英語の配点が3教科の半分近くを占めているので、何よりも英語をたくさん勉強しておきましょう。