慶應義塾大学 医学部の英語対策

本記事では慶應義塾大学の医学部の英語対策について記載しています。

慶應義塾大学の医学部は一次試験と二次試験にわかれており、一次試験は英語・数学・理科(物理、化学、生物から2科目選択)の試験で、二次試験は小論文と面接です。

私立大学の医学部の中でもトップレベルであり、6年間の費用も私立大学の中では比較的少ないということもあり、非常に人気です。

東京大学をはじめとした難関国立大受験生も受けるので、倍率と受験者層を考えると熾烈な戦いになります。

慶應義塾大学の医学部の英語は90分150点満点です。

合格最低点は60%弱ですので、英語が得意な受験生は70%以上苦手な受験生でも50%以上得点したいところです。英語で点をおさえるかわりに数学、理科で高得点をとれるようにしてください。

医学部の入試情報

年度募集人員志願者数受験者数合格者数倍率合格最低点
2024661,4831,2701697.5319/500(63.8%)
2023661,4121,2191687.3315/500(63.0%)
2022661,3881,1791786.6308/500(61.6%)
2021661,2481,0452426.1251/500(50.2%)

各項目の傾向と対策

大問は全部で3つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。

2024年度
・長文読解
1. 指示語の内容の日本語訳
2. 空所補充問題(記述)
3. 空所補充問題(記述)
4. 下線部の英訳
5. 下線部の英訳
6. 下線部の理由×2(記述)
7. 下線部の日本語訳
8. 下線部を英語で説明
9. 下線部の日本語訳
10. 下線部の日本語訳
11. 下線部の日本語訳
12. 下線部の説明(記述)
13. 内容一致
・長文読解
1. 空所補充問題(記述)
2. 下線部と似た意味をもつ単語(選択)
3. 下線部の日本語訳
4. 下線部について日本語で説明
5. 空所補充問題
6. 下線部の英訳
7. 空所補充問題(記述)
8. 下線部の日本語訳
9. 下線部について日本語で説明
10. 空所補充問題
・自由英作文
手紙に対する返信を100語程度で記述
2023年度2022年度2021年度
・長文読解
1. 下線部の英訳
2. 下線部の日本語訳
3. 下線部の日本語訳
4. 単語変形×7(記述)
5. 下線部の英訳
6. 下線部の日本語訳
7. 文中の整序問題
8. 下線部の英訳
9. 下線部の日本語訳
10. 下線部について(記述)
11. 下線部に関する問題×3(選択)
・長文読解
1. 空所補充問題(記述)
2. 下線部の日本語訳
3. 空所補充問題
4. 下線部の英訳
5. 下線部の日本語訳
6. 下線部の日本語訳
7. 下線部の日本語訳
8. 下線部について日本語で説明
9. 下線部の英訳
10. 下線部の日本語訳
11. 下線部について日本語で説明
12. 下線部の日本語訳
13. 本文の見出し(選択)
・長文読解
1. 空所補充問題(記述)
2. 下線部について日本語で説明
3. 下線部の日本語訳
4. 下線部について日本語で説明
5. 内容に関する問題×2
6. 下線部の日本語訳
7. 下線部の英訳
8. 下線部の英訳
・長文読解
1. 下線部と似た意味をもつ単語(選択)
2. 下線部について日本語で説明
3. 空所補充問題(記述)
4. 下線部に関する問題(記述)
5. 下線部の日本語訳
6. 整序問題
7. 下線部の日本語訳
8. 文中の整序問題
9. 下線部の日本語訳
10. 内容一致
・長文読解
1. 下線部の英訳
2. 空所補充問題
3. 下線部の日本語訳
4. 下線部の英訳
5. 下線部の日本語訳
6. 内容に関する問題×5
7. 内容一致
・長文読解
1. 空所補充問題×10
2. 下線部の日本語訳
3. 空所補充問題
4. 下線部の日本語訳
5. 下線部の英訳
6. 下線部について日本語で説明
7. 下線部の日本語訳
8. 下線部の日本語訳
9. 内容一致
・自由英作文
日本人の若者が留学したがらない理由を100語程度で記述
・自由英作文
慶應大学医学部に自分がふさわしいと思う理由を100語程度で記述
・長文読解
1. 内容一致
2. 空所補充問題
3. 空所補充問題
4. 内容に関する問題×3
5. 下線部について日本語で説明
・自由英作文
家で仕事ができる流行があったが、この利点と欠点を100語程度で記述

●全体の傾向
2021年度まで長文読解が3題、自由英作文が1題という構成でしたが、2022年度から長文読解問題が2題と自由英作文が1題という構成に変わっています。
国立大学でよく出題されるような記述問題が多く、個別で徹底的に対策をしないと対処することができません。
また、長文中に出てくる単語もハイレベルなので第一志望が東大などの難関国立大であっても事前に準備しないと点数をとることができません。
また、問題の種類も多く、時間内に解き終わることが難しいです。
基本事項を頭にいれ、英文解釈をやり、いかに早く記述の練習に入れるかが鍵となっています。

●大問1~2(長文読解)
主な問題形式は空所補充、下線部を日本語で説明する問題、下線部和訳、下線部英訳、内容一致(不一致)、T/F問題などです。

空所補充は前置詞や文を入れる問題が多く、比較的簡単な場合が多いです。

下線部を日本語で説明する問題は具体的に何を言っているのかや、登場人物の立場になったときにどのように考えるかなど、下線部の内容について詳細に把握しなければいけない問題が多いです。

下線部和訳の難しい点は比較的難しい単語であっても注釈なしで和訳しなければいけないところです。
和訳問題で定番である解釈の仕方が難しいうえに難しい単語も和訳しなければいけないということもあって、事前にインプットすべき情報が多いです。
単語をたくさん覚えるのも一つの手ですが、部分点を狙って接頭辞などでだいたいの意味を推測して訳すという手もつかうことができます。
例えば、inやim、emなどは「中へ」などの意味が含まれているなどの知識で、完全に訳せないにしてもとりあえず、答えに近い日本語を書ける可能性があります。

下線部英訳は難しい問題もありますが、基本的な例文のストックがあれば文を作ることは容易です。
より自然に近い表現に洗練したい人は和文英訳用の参考書、問題集を通読するといいでしょう。

内容一致(不一致)問題は英語長文の内容に一致している選択肢や一致していない選択肢を選ぶ問題の他、そもそも文章中で述べられていない文を選択させる問題も出題されています。
「書いてあるけどそういうことではない」選択肢と「そもそも書いていない」選択肢を見分けるのは難しいと思いますが、普段から読解の内容に気を配っていれば迷うことはないでしょう。

T/F問題は各文の真偽を判断する問題です。
長文の内容に関する文章がならんでいるので、1つずつ検証して本文で述べられていることと一致しればT、一致していなければFを選んでいきます。
内容一致(不一致)問題と同様に読解力を判断する問題です。

すべての問題において確実な基礎知識と各文に対しての深い理解が必要です。
だいたいで読んでいるとほとんど手が出ませんので、普段から文章を隅々まで理解しているのかを意識しながら解いていきましょう。

その他、語句の変形や英文完成問題などが出題されています。

●大問3(自由英作文)
自由英作文はおおむね100語程度の指定があります。

過去の出題は下記の通りです。(日本語に訳して要約しています)
・2024年度
手紙への返信を100語程度で記述。

・2023年度
日本人の若者がアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、韓国と比べて留学に最も興味を示さないが、その理由を100語程度で説明せよ。

・2022年度
なぜあなたが慶應大学医学部の学生として受け入れられるべきかを100語程度で述べよ。

・2021年度
COVID-19パンデミックの最中、家から仕事ができるというトレンドがあったが、このトレンドの利点と欠点を100語程度で述べよ。

・2020年度
ロボットが医者の代わりになることができると思うか。将来的に新技術がヘルスケアにて使用されることについてどう思うか。このトピックについて100語程度で述べよ。

・2019年度
あなたが悪いマナーだと思う行動の例を1つか2つあげよ。公共でそのような行動をとる人を見て、あなたはどう感じるか。このトピックについて100語程度で述べよ。

・2018年度
あなたは他の人と十分な時間を過ごすことができていると思うか。その時間の質についてどう感じるか。あなたは多かれ少なかれ付き合いに時間をかけるのを好むか。なぜそう思うのか / なぜそう思わないのか を100語程度で述べよ。

・2017年度
朝食で食べるものついてどの程度気をつけているか。多くの人が1日の中で最も大切な食事だと思うことに関してあなたの習慣を80語程度で述べよ。

・2016年度
ロボットはますます見かけだけでなく、行動においても人間に似てくるようになってきた。あなたがロボットをデザインするとしたら、何をできるように作るか。そしてその理由は? 100語程度で述べよ。

・2015年度
お金で買えないものがあると言われているが、何でも買うことができるとしたら、それは何か。80語から100語で述べよ。

具体的なものから抽象的なものまで多様な出題となっています。
2021年度は世相を反映していますが、2022年度はなかなか予測しにくいです。

語数自体は英検2級や地方の国立大学でも出題されるようなものですが、答えるのが難しいものが多いです。
自由英作文はできるだけ多く書いて、学校の先生や予備校・塾などの先生などに添削をしてもらいましょう。

全体的に記述が多く、求められることの多さが目立ちます。
どれだけ早く基礎を完成させて個別の問題対策にうつれるかが鍵となっています。

数学や理科を重視してしまいがちですが、英語もじゅうぶんに得点しないと不合格になってしまいますので、バランスよく勉強していきましょう。

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