上智大学(TEAP利用型)の国語対策

2023年9月1日

本記事は上智大学の国語(TEAP利用型)対策について記載しています。

上智大学には受験方式がさまざまありますが、本記事はTEAPスコア利用型にて出題される国語試験の対策記事となります。*TEAPの公式サイトはこちら

神学科、心理学科、看護学科のみ2次試験があります。

TEAP利用型の国語は60分100点満点です。

各項目の傾向と対策

●全体の傾向
上智大学の国語は現代文と古典で大問は3つという構成です。
現代文はすべて記号問題で、毎年必ず図が使用されています。
古典については古文と漢文の独立問題の年もあれば、古文と漢文の融合問題が出題される年もあります。
現代文、古典ともに内容を問う問題が多く、日本語の用法や古典文法、文学史などの知識を問う問題もありますが少数です。

大問1(現代文)
過去の出典は下記の通りです。
2023年度:『いかにして思考するべきか?』舟木亨
2022年度:『文学問題(F+f)+』山本貴光
2021年度:『貨幣の日本史』東野治之
2020年度:『気象予報と防災』永澤義嗣
2019年度:『流線形の考古学 速度・身体・会社・国家』原克
2017年度:『”名指す”ことと”述べる”こと-「ことばの言い換え」論のために-』滝浦真人
2016年度:『文体の科学』山本貴光
*2018年度のデータなし

出典からわかるように様々な分野から出題されており、分野によって得点が大きく左右されてしまう人は普段から興味のない内容の読解問題でも対応できるように準備をしておきましょう。

設問は傍線部の説明をしている文を選ぶ問題、日本語の用法を問う問題が主となっており、前者が圧倒的に多いです。漢字問題など知識を問う問題は出題されません。
ストレートに読解力を確認する試験なので、普段から根拠をもって答える練習をしておきましょう。
国語の成績に波が出てしまう人は本文を適当に読んでいる、思い込みで読んでいる、本文に書いていないが一般論では通りそうな選択肢を選んでいるなどの特徴があります。

●大問2、3(古典)
過去の出典は下記の通りです。
2023年度:『とはずがたり』、『伊勢物語』、『古今和歌六帖』
2022年度:『無名草子』、『後漢書』鄭弘伝注、「為一條左大臣辞右大臣第三表」菅原文時、『宇治拾遺物語』
2021年度:『歌意考』賀茂真淵、『山村五絶』蘇軾、『論語』、『東坡烏台詩案』朋九万
2020年度:『枕草子』清少納言、『白氏文集』、『菅家文草』
2019年度:『撰集抄』、漢文は出典明記なし
2017年度:『乞米』黄君度、『聯珠詩格』、『中華若木詩抄』如月寿印、『日本辞書 言海』大槻文彦
2016年度:『金札』、『謡抄』など
*2018年度のデータなし
*2016年度、2017年度は近代日本語や手紙の書式、言葉遣い、語法などが出題されています。

古文の設問は主に本文の内容に関する問い、文法問題、和歌の分析、文学史などです。
漢文の設問は主に句法や漢字に関する知識を問う問題、空所補充、内容に関する問い、文学史などです。
古文と漢文の融合問題は古文の内容と漢文の内容を結びつけて、お互いをヒントにしながら解くような問題です。

現代文よりは知識を問う問題は多いものの、やはり内容を問うものが多数派なので、読解に力を入れていきましょう。(知識を軽視していいということではなく、確実に点をとる問題なので準備は怠らないようにしてください)

古文に関しては毎年必ず和歌の分析が出るわけではないのですが、出題された場合は大きな割合を占めるので、しっかり対策をしておきましょう。

漢文は句法と漢字を覚えたら、読解問題の対策をしていきましょう。
古文も漢文もしっかり知識の準備をしてから読解に入るのではなく、読解をやりながら理解していく勉強法の方が効率がいいです。

全体として時間が60分しかないので、素早く処理していくことが求められています。
現代文も古典も猛烈に難解な文章が出題されるわけではないので、落ち着いて解いていきましょう。