慶應義塾大学(文学部)の英語対策

本記事は慶應義塾大学の文学部の英語対策について記載しています。

本大学の文学部の英語は120分150点満点です。

辞書は2冊まで持ち込み可となっていて、わからない単語があるがゆえに読めないということは基本的にありえません。
しかし、辞書があったとしても攻略するのが困難な問題があるということでもあります。

非常に難解な問題ですが、ポイントをおさえて対策していきましょう。

各項目の傾向と対策

全体の傾向
120分という慶應義塾大学の中でもトップレベルの試験時間ですが大問は1つだけです。
最初に設問が8~10個書いてあり、その次に英語長文が続くという珍しいタイプです。
英語長文はかなり長く、1500語から2000語以上となっています。
辞書を使えるものの知らない単語だらけで、その都度調べていると確実に時間がなくなりますので、他の学部も受験できるくらいには語彙力を鍛えておきましょう。
全体的に記述問題が多く、私立大学受験の対策を中心にしている受験生にとっては非常に解きにくい問題構成となっています。
国立大学の過去問もいい練習になると思いますので、私立大学しか受けない受験生でも国立の問題に注目してみましょう。

●大問1(超長文)
上述したとおり最初に設問があり、その次に長文があるという構成です。
主な問題形式は空所補充問題、下線部和訳、下線部を日本語で説明する問題、下線部が指す内容を指摘する問題、和文英訳などです。
配点が150点で設問数が10問弱となると、1問あたりの配点が非常に大きいので解けなくてもいい問題が存在しないということになります。
すべてを読んで答えていくのではなく、読みながら解答していきましょう

試験時間が120分で10問弱の問題を解いていくと時間があまりそうですが、慶応文学部が求めているのは速読速解力ではなく、文章の推敲力であると考えます。
適当に解答するのではなく、1問1問を洗練させていくことの方が重要で、そのために辞書を活用できたりするわけです。辞書を使ってもいいから良い解答をしましょうということです。

したがって、英語力だけではなく日本語力も同時に求めており、普段の英語学習でどれだけ丁寧に文章にあたってきたかということが見られているということです。
おそらく本学部に入っても、その理念で文学を学問していくのだと思います。

空所補充問題は前後関係を見て解答していけばいいです。

下線部の説明問題は下線部の内容を丁寧に解釈しつつ、「つまりどういうことを表現しているの?」という部分を明確にしていきましょう。
下線部の前後に抽象度の高いワードについてのヒントが書かれているはずです。

下線部和訳問題については、辞書でわからない単語をつぶしていったとしても、訳しにくい問題が出題されます。
なぜ単語がすべてわかっているのに訳すことができないのかというと下記の2つのポイントがあるからです。

・英文構造の把握が難しい
・指示語の内容が何かを把握する必要がある


そもそも英文解釈をすることが難しく、かつ抽象度が高いせいでうまく日本語に訳すことが出来ないか、指示語が含まれており、その内容を明示する必要があるかのどちらか(もしくは両方)で訳すのが難しくなっています。

普段の勉強では多読をするより英文解釈に力を入れましょう。
どんな文章でも構造を把握できるようにすれば、後は訳すだけという状態になります。
英文解釈をやるときは頭の中だけでやるのではなく、実際に日本語で訳していきましょう。
頭の中だけで何となく意味をとることと実際に書いて訳していくのでは効果が全然違ってきます。

和文英訳問題は1から考えるのではなく、文中に英訳をするヒントがありますので、それをどうにか見つけて英訳をおこなっていきましょう。

全体として高い英語力と日本語力を必要とする問題です。
英語力は英文解釈を丁寧にやることによって高めていき、日本語力は英文解釈を勉強するときに実際に和訳を書いてみて、わからない、思いつかない表現はそのつど調べて自分のものにしていきましょう。