『勉強大全』まとめ

2020年3月11日

TBSで放映されている「東大王」というクイズ番組で一躍有名になった伊沢拓司さんを知っていますか?

本記事では伊沢拓司さんが著者である『勉強大全』という本の内容をまとめました。

伊沢さんは開成高校という都内トップの私立高に通っていましたが、約400人いるなかの300位くらいだったそうです。

開成高校とはいえ、現役で東京大学に受かるのは上位100名程度ですので、300位だとかなり苦戦する状況です。

中学から開成に入り、ゲームセンター通いやクイズにのめりこんでいたため中学の内容から復習する必要がありましたが、結果的に東京大学に現役合格を果たしています。

受験時代に培った勉強法はかなり研究したあとが見え、非常に参考になる部分が多いです。

簡単に本の内容を僕の解釈でまとめましたので自分のものにできる部分は貪欲に吸収していきましょう。

なぜ受験をするのかを考える

あなたはそもそもなぜ大学に入るのですか?

当たり前ですが、受験に成功することがゴールではありません。

大学によりますが、大学側からアレコレやるべきことを用意してくれるなんてことはありません。

大学で何がやりたいかが決まっている人は合格する確率が決まっていない人より断然上です。

東大ですら「東大に入れば何かがある!」と思っている人が多いようです。

自分から動かないと何も見つけることができません。

まずは大学に行く理由を自問自答しましょう。

「目的と手段」「原理と方法」

「いい勉強法を教えてください」と質問する人が多いです。

この”いい”とは何なのでしょうか。

受験勉強の目的は「大学に合格すること」で、受験勉強の原理は「得点を最大化すること」です。

大学に合格すること、得点を最大化することを達成できるのであればどんな手段でもかまわないのです。

受験において大切なポイントは下記の通りです。

・勉強時間で勉強量を測らない
・模試の点数や判定を重視しない
・勉強はインプットではなくアウトプット


プラスして自分の性格や適性を分析して、自分にあった環境で勉強することも大切です。

成績を伸ばすには「勉強量×勉強法」を意識せよ

成績を伸ばそうとしたときに意識すべきことは「勉強量」と「勉強法」です。

勉強量はそのまま努力量を指し、勉強法は勉強する方向性を指しています。

方向性がまちがった状態のまま勉強し続けても成績が伸びることはありません。

例えば、1日10時間くらい「すでに解くことができる得意な問題」ばかりやっていたら、いくら10時間でも絶対成績は伸びませんよね。

方向性については受験する大学によって形作られます。

国立大学を受ける人は記述の対策をすべきですし、私立大学を受ける人は記述よりもマークシートに対応した勉強をすべきです。

質と量は両立できる

「質と量のどちらを重視すべきですか」という質問も多いです。

実は質と量は相反する関係にありません。

質×量=XのXを最大化するように勉強をしていきましょう。

両方、もしくはどちらかが0だとXは0になってしまいますが、両立すればXは大きくなっていきます。

ルール作りで独自の受験生活を整える

受験勉強をできるだけストレスなく進めるために、自分の特性や適性を考慮した環境を整える必要があります。

まず普段の生活で「切り捨ててもいいこと」を並べてみましょう。

例えば、テレビをみる習慣があるけど、みなくても問題ない場合は切り捨ててもいいリストにいれましょう。

それでも習慣化されていることは簡単にやめることは難しいですよね。

そこでマイルールをつくることで強制的にやらないようにすることが有効です。

著者の伊沢さんはゲームセンターによってしまう習慣があったので、わざと遠回りしていたとのことです。

マイルールをつくるときに意識することは下記の通り。

・自分の弱いところを律すること
・具体的であること
・実現できること
・変更してもよい


上記のことを守ってルールを決めれば受験に適した環境を整えることができます。

自分の性格を変えるよりも環境を変えるほうが早いということです。

勉強時間というわかりやすい指標にとらわれないこと

勉強時間はわかりやすい指標ですので固執してしまいがちです。

周りの人にとってもわかりやすい指標ですので「昨日は10時間勉強したんだ」というと、ほとんどの人がほめてくれますよね。

しかし、勉強をする目的は大学に合格するためであり、得点を最大化することです。

勉強時間が何時間だろうが目的にむかって進んでいなければ意味がありません。

それでも気になってしまう人に確認したいことは、難関大学合格者が「1日3時間だけ勉強した」といえば安心するんですか?ということです。

勉強時間が必ずしも大切でないことは一目瞭然ですよね。

ただ、効率的に勉強ができているのかを確認するために勉強時間を指標とするのは有効です。

同じ10時間でも昨日より今日のほうが効率的に勉強できたという感覚があれば、うまく改善できている証拠となります。

基礎=簡単ではない

受験勉強において基礎を大切にしようという話はよく聞きますが、基礎とは何かわかりますか?

基礎は「教科書に直接書いてあること」です。

基礎は簡単というイメージでとらえられることが多いですが、あなたは教科書の内容を人に説明することができますか?

基礎をしっかり身につけると「ランダム性」が減ります。

ランダム性というのは模試などの試験を受けるたびに毎回点数のブレがでることを指しています。

なぜブレが出てくるかというと、基礎が身についていないので、問題によって当たり外れがわかれてしまう
からです。

応用問題であっても大体の問題は基礎知識の組み合わせで解くことができるので、ランダム性はなくなります。

ミクロの知識とマクロの知識を意識しよう

受験において知識は2種類あります。

ミクロの知識マクロの知識です。

ミクロの知識は英単語や数学の公式といった「曖昧にしてはいけない知識」のことです。

英単語はスペルが間違っていたら通じませんし、公式は一部でも間違って覚えていたら計算結果が狂ってしまいますよね。

ミクロの知識については100%完璧に覚えてください。

逆にマクロの知識というのは歴史の記述などといった「ざっくりと覚えておく知識」です。

歴史の記述などは教科書に書いてある言葉を一字一句まちがえずに覚えておく必要はありません。

ざっくりと因果関係を自分で再現できるというレベルを目指してください。

問題を解くときの思考プロセスについて

思考力というのは「正しい順序で知識を積み重ねること」です。

ミクロ知識とマクロ知識を身に着けたら、問題に正答するという形でアウトプットしないと点をもらうことができません。

問題を解くときのプロセスは下記の通りです。

1.ルールを確認する
2.手持ちのカードを広げる
3.適切なものを選ぶ
4.順序立てる


特に記述問題を解くときに効果を発揮する思考プロセスですね。

1番は気をつけてほしい部分で、問題文をろくに確認せずに問題を解いてしまう人がけっこういますので、まずはどんなルールでゲームを進めていけばいいのかを必ず確認しましょう。

総括

『勉強大全』というタイトルなのでまだまだたくさんあるのですが、個人的に大切だと感じた部分だけ発信しています。

東京大学のような難関大学に合格する人は頭がいいだけではなく、1冊の本にできるくらい「勉強」ということに真剣に向き合って、研究をしているということです。

伊沢さんの勉強法を参考にするだけでなく、勉強に対する姿勢も見習っていきましょう。

特に難関大学を目指している人は伊沢さんと同じか近いメンタリティで勉強しないと受からないですよ。

興味のある人は一読してみてはいかがでしょうか。