受験前の準備と受験の流れについて徹底解説!

大学受験には事前準備が必要です。
当たり前だと思われるかもしれませんが、準備をするといっても人それぞれです。

例えば、東京大学などの難関大学を受験するような人は受験教科、配点、合格最低点、目標点、使用する塾や予備校、使用する参考書や問題集、いつまでに何をやるかなどを事前におおむね把握しています。(状況に応じて変わることがありますが)
一方で「受験頑張るぞ!」と心の中で強く思うことが準備だと思っている人もいます。

ここまで差があるのに「準備をしよう」と言われるだけで終わることが多いのです。
本記事では具体的に何を準備したらいいのか受験までの流れを解説します!

事前準備編

受験前に何を準備したらいいのでしょうか?
まずはかんたんに受験に関する情報を集めましょう

●受験方式の決定
受験方式には大きく学校推薦型選抜指定校推薦、公募推薦)、総合型選抜、一般入試(私立大学、国公立大学)があります。

学校推薦型選抜(指定校推薦)大学が指定する高校が出願できます。
学校長の推薦が必要です。
学校推薦型選抜(公募推薦)大学が出す条件を満たし、学校長の推薦があれば出願できます。
総合型選抜大学・学部が出す条件を満たせば出願できます。学校長の推薦は不要です。
一般入試共通テストや大学独自試験などで合格点をとれば入学できます。

学校推薦型選抜一定の評定が必要です。
書類審査、学科試験、面接などをする必要があります。
学校推薦型選抜の中でも指定校推薦はよっぽどのことがなければ確実に合格します。

総合型選抜は受験する大学や学部が出す条件を満たせば出願することができます。
書類審査、面接、小論文や共通テストなどによる学力検査など多様な観点から選抜する試験です。

一般入試は学科試験が中心の方式です。大学・学部によって評定の提出や資格試験の成績の提出、面接などが必要ですが、ほとんど試験で決まります。

それぞれの選抜試験は下記のようなスケジュールで進行します。

学校推薦型選抜(指定校推薦)7月~10月で校内選考
11月から出願
11月~12月で選考
12月から合格発表
学校推薦型選抜(公募推薦)8月〜10月で願書配布
11月から出願
11〜12月で選考試験
12月から合格発表
*国公立大学の場合、共通テストを受験する必要がある場合があります。
総合型選抜8月〜10月で願書配布
9月から出願
10〜11月で選考試験(2月まである大学もあります)
11月から12月で合格発表
一般入試【私立・国公立大学】
9月から共通テスト受験案内配布
9月~10月で共通テスト出願
12月から募集要項発表
1月中旬に共通テスト

【国公立大学】
共通テスト後から個別試験出願
2月25日に個別試験(2次試験)
3月6日から国立大学の合格発表
3月1日から公立大学の合格発表
3月から中期・後期入試

【私立大学】
12月から3月で出願
1月から3月で個別試験
1月から3月で合格発表

大学によって差はありますが、おおむね上記のスケジュールで進みます。
ここでの注意点はどの方式にするのか長期間悩んだり、どれもこれもやろうとするということです。
指定校推薦と一般入試で悩むなど、受験方式で悩んでいると本腰を入れて対策し始めるのが遅くなります。
一般的に公募推薦、指定校推薦、総合型選抜を狙っている人は高校1年生から定期テスト対策や課外活動を始めていることが多く、高校2年生や高校3年生になってから挽回するということが難しくなります。
*逆に言うと受験向けの勉強よりも定期テストが得意な人は推薦を狙った方がいいということでもありますが。

2020年度の文部科学省の資料によると私立大学については推薦入試や総合型選抜での入学者が全体の約50%を占めており、一般入試を避けようとする受験生が増えています。(参考資料はこちら

どちらの方式であっても悩んだり、選択肢を多くするといったことをせずに、1つに決めて早めに本腰を入れるのが得策といえます。

一般入試の流れ

一般入試で受験すると決めた人は次の事項を確認しましょう。

・志望大学の受験教科
・志望大学の配点
・志望大学の受験日と残り日数
・共通テストの有無と教科
・在籍している高校の実績
・チャレンジ、実力相応、滑り止めを決める(できれば)


●志望大学に関する情報
まずはゴールを決めないと計画を立てることができません。
ゴールを決めないというのは建物を建てるというのに設計図がないのと同じです。
受験教科、配点、受験日と残り日数、共通テストの有無と教科を確認しましょう。
共通テストは私立大学の場合、共通テスト利用入試として使用、国公立の場合、一次試験として使用します。
2025年度入試から国公立大学の場合、情報Ⅰを入れた6教科8科目での試験になるので注意です。
*一部の私立大学は共通テストの受験が必須のところもあります。

●在籍している高校の実績
どの高校にも進学実績がありますが、一番進学数の多い大学に注目しましょう。
塾で指導している限り、進学実績の一番多い大学が「1年間継続的に受験勉強をしたときに出せる力の基準値」だと感じます。

その高校に在籍しているだけで出せる結果ではないということに注意が必要です。
言い換えると、在籍している学生の平均より遅く受験勉強を始めたり、始めても勉強スピードが遅かったりすると、その基準値を下回ってしまう可能性があるということです。

例えば、GMARCHの総進学者数が一番多い高校で早慶に進学したい場合は同レベル集団でも図抜けている必要があります。「1年間継続して勉強する」程度では進学できません。
千葉県の県立船橋高校では2023年度の早慶上智の合格者数とGMARCH合格者数がほとんど同じでしたが、ここが県立船橋高校の生徒が1年間全力で勉強して出せる結果の基準値になります。
一方で東京大学、東京工業大学、一橋大学などの難関国立大学に進学している生徒もいますが、県立船橋高校の中でも図抜けているということです。受験勉強を始める時期が早かったり、都内の中高一貫の私立高校に落ちて県立船橋高校に決まった人だったりします。

基準値の上下は定期テストや模試の点数で判定します。
人によりますが、定期テストや模試で学年の平均の上か下かで基準値を満たしているかを判断できます。

●チャレンジ、実力相応、滑り止め大学を決める
これはできればでいいのですが、チャレンジ、実力相応、滑り止め大学を決めましょう。
第一志望や第一志望群は早めに決めたいところですが、すべて決めるのは出願まで大丈夫です。
それぞれ2~3大学、学部、学科を決めておくと勉強しやすいです。

学習環境を整える

どのような環境で勉強するかも非常に重要です。
下記の基準で選んでみましょう。

集団塾、予備校・プロ講師のノウハウを知りたい
・決まったカリキュラムに沿って勉強したい
・おおむね自学自習できる
管理型の塾・自学自習に不安がある
・学習計画を立ててもらい管理してほしい
・個別にアドバイスがほしい
個別指導塾・1対1で指導されないと勉強できない
・結果はどうであれ楽しく勉強したい
・学校についていけなくなった
映像授業型の塾、アプリ・自学自習に自信がある
・必要な情報だけ手に入れたい

以上の基準で自分には何が向いているのかを判断しましょう。
「みんな○○に行っている」など他人基準や不安感だけで決定しないようにしてください。
学習環境は思っているより結果を左右します。

受験の学習スケジュール

在籍している高校で進学者数が一番多い大学に進学したい人は高校2年生の12月~高校3年生の4月から、進学者数が一番多い大学より上の大学に行きたい人は高校2年生の7月~12月から受験勉強を始めましょう。
始める期間に幅があるのは得意教科なのか苦手教科なのかで始めるべき時期が異なるからです。

まずある程度のレベルに達するまで時間のかかる英語と数学を早めに始めましょう。
国公立だからといって全教科を勉強し始めたり、社会や理科が苦手だからといって英語と数学を後回しにして社会や理科の勉強を始めるのはやめてください。
私立文系の場合は英語を早めに始めましょう。

英語と数学の基礎を早めに完成させないと他の科目に手を出せません。
特にGMARCHや早慶上理、難関国公立などに進学したい人は社会や理科を早めにやり始めないといけないため、英語と数学の基礎に手こずっている場合ではないのです。

英語と数学の基礎が終わったら社会や理科に取りかかります。
英語については英文解釈(和訳を通じて英文を正しく読む練習)と暗記物の復習、数学は基礎的な入試問題、基本例題の復習をやっていきます。

社会や理科については偏差値50~55レベルの大学は8月~9月まで、偏差値56~64レベルの大学は6~7月まで、偏差値65以上の大学は4~6月までを目安に全体の学習を終えましょう。
高校受験のように学校のカリキュラムに合わせて勉強しても間に合いません。
あくまで目安なので志望大学のレベルにあわせて細かく調整してください。

7~8月の長期休暇は基礎完成のラストチャンスだと思ってください。
ここで覚えるべきものは覚えきる、十分な演習を行うということを意識しましょう。

9~11月には志望大学の過去問を解いてみましょう。
志望大学の過去問を1月など受験直前期に解く人がいますが、ここで足りない部分がわかっても対策が間に合わない可能性が高いです。
過去問の目的は得点できるかの把握ではなく、足りない部分の把握です。
9月~11月は夏休み終わりまでにやりきれなかった部分を埋めたり、過去問でわかった不足部分の勉強が主です。
滑り止め大学、実力相応大学、チャレンジ大学の過去問を順番に解いていきましょう。
ここで本当に滑り止め大学、実力相応大学、チャレンジ大学の判断は合っているのか確認すべきです。
宝くじ感覚でチャレンジ大学を受けたり、実力不相応なのにプライドだけで志望大学を決めないようにしてください。
「足りないならレベルを下げる」、「チャレンジ大学に進学したいなら相応の勉強をする」の2択です。

11月くらいから国公立大学志望の人は共通テスト対策を始めましょう。
文系なら理科、理系なら社会の対策です。
二次試験でも使用する科目については11月いっぱいは二次試験対策に集中して、12月から共通テスト対策をしていきましょう。
*逆に言うと共通テスト対策が追加される分、11月までに二次試験対策はある程度仕上がっている必要があるということです。2025年度から情報Ⅰが追加されるため、例年よりも早く進めましょう。
難関であればあるほど、二次試験の得点割合が多いので、共通テストでできるだけ得点しておきましょう。
私立志望の場合は苦手科目は12月から共通テスト対策を始めてもいいのですが、基本的に滑り止め大学確保が目的ですので、1月に入るまで対策は不要です。
合否判定に共通テストを使用するような大学・学部(早稲田大学の政治経済、国際教養や上智大学や青山学院大学など)は使用科目は全教科12月から本格的に対策を開始してください。

共通テスト終了後から自己採点をして共通テスト利用で通過できそうであれば、そのままで良いのですが、ボーダーギリギリや足りない場合は一般入試に出願しましょう。

1月~受験本番は過去問のやっていない年度や足りない部分の補足をやっていきましょう。
基礎力の充実、十分な過去問演習をやっていることが前提ですが、ここで適切な対策を最後までやりきれるかが合否を決めます。
ふてくされてあきらめたり、現実逃避して合理的でないことをしてしまうと合格は難しいでしょう。

注意点

・心の中で強く望んでも実際に勉強しないと成績は上がらないです
一見すると意味不明ですが、頭の中だけで「この大学に受かるんだ!」と強く望んでいても、実際に勉強してない人がけっこう多いです。
思っているだけでは大学に合格しないのでご注意ください。

・高校受験と勉強の仕方が異なります
高校受験、特に公立高校を受験した人は、そもそもの学習内容の量がそこまで多くないため、問題を解いていれば成績が上がっていったという人も多いと思います。
しかし、大学受験は学習内容の量がかなり多いため、問題だけやっても結果が出にくかったりします。
いかに情報を整理して、頭に入れるかが主題となります。
この頭に入れるというのが厄介で、多くの受験生は一度参考書を読んだ、一度ノートにまとめたことがあるというだけで学習をし終えたと認識することが多いです。
「その知識は何も見ずにいつでも思い出せますか?」ということを自問自答しながら勉強していきましょう。

・不安感だけで意志決定しないようにしましょう
不安感が悪いというわけではなく、受験を軽くみるよりは断然マシです。
しかし、不安だという気持ち一本で、入りたい大学ではなく入れる大学を探し始めたり、推薦と一般入試をずっと悩み続けて中途半端な時期に中途半端に対策するなどをしがちです。
「たくさん勉強してきたけど、志望している大学に入れるかが不安だ」という気持ちは誰もがもちうるものですが、逃げの選択をする場合があるので注意が必要です。

・学校にいる人たちは同じレベルの集団であることを意識しましょう
高校にいる人たちはほとんど同じレベルであることを意識しましょう。
塾や予備校にいっておきながら、先生や講師のアドバイスを無視して、同級生や先輩の言うことを重視する人がたくさんいます。
プロが言うアドバイスは基本的に実践してみましょう。
「そんなところ受からない」とか「そんなものやんなくても受かる」とか何の役にも立たないアドバイスをする人の言うことは無視していいですが。

・模試は参考程度にしましょう
模試を締切に設定して勉強したり、苦手部分の把握に使用するのはいいのですが、直接的には合否に関係しないため、たとえ判定が悪くてもレベルを下げる必要はありません。
模試の偏差値や点数より、過去問の得点率を重視しましょう。

・絶対的な締切のある勝負事であることを意識しましょう
「こんな量の参考書、問題集なんてできない」「忙しくて勉強できない」「疲れて勉強できない」など言い訳は好きに言ったらいいと思いますが、どんな状況であろうと試験日は必ず来て、合否は必ず出ます。
受験生の事情は基本的に考慮していない勝負事です。

・ノートまとめなどは勉強ではなく作業です
ノートにまとめるのが好きだったり、やたら付箋をたくさん貼ったりするのが好きな人がいますが、それは勉強ではなく作業です。
勉強する際の道具として活用するのであればいいのですが、一定数それが目的になっている人がいます。

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