大学入学共通テスト・世界史Bの分析【2023年1月14日実施分】
2023年1月14日に大学入学共通テスト(1日目)が実施されました。
本記事では大学入学共通テストの世界史Bを分析しています。
2022年度の試験と比較しています。
全体について
○出題内容について
2022年度と同じように基本的な知識を問う問題、資料や表などを考察して解く問題、生徒同士の会話から推察して解く問題などが出題された。
○出題形式について
全問マーク式である。
2022年度と同様、知識だけでなく考察を必要とする問題が多く出題された。
○難易度について
ただ覚えているだけでは解けない考察系の問題が多く出題されたため難易度は2022年度と比べて上がっている。平均点は58.43点(7.40点DOWN)であった。
大問1について
設問数は6問で、配点は16点であった。
2022年度は設問数が9問で、配点は27点であった。
歴史の中の女性がテーマで、会話、メモ、資料をもとに回答する問題が出題された。
設問は空所補充問題、文の正誤判定問題、メモの正誤を判別する問題であった。
一問一答的に覚えていると対応できない問題なので教科書レベルでいいので背景や流れをおさえることが重要である。
大問2について
設問数は6問で、配点は18点であった。
2022年度は設問数が5問で、配点は15点であった。
君主の地位の継承がテーマで、図、家系図、資料をもとに回答する問題が出題された。
設問は文章と家系図から正文を判断する問題、文の正誤判定問題、空所補充問題、資料読解問題であった。
家系図を利用した問題は初出である。
確実な知識と読解力を必要とする問題が出題された。
大問3について
設問数は8問で、配点は24点であった。
2022年度も同じである。
歴史知識に対する疑問や議論がテーマで、会話、資料、図、地図をもとに回答する問題が出題された。
設問は文の正誤判定問題、地図問題、空所補充問題、組合せ問題、資料の考察問題であった。
地図問題では歴史知識と地図知識の組合せで回答する必要がある。
資料問題では情報を整理し、確実な知識を組合せて回答する問題であった。
大問4について
設問数は8問で、配点は24点であった。
2022年度は設問数が6問で、配点は17点であった。
歴史上の資料がテーマで、貨幣の図、会話、メモ、資料をもとに回答する問題が出題された。
設問は資料を利用した文の正誤判定問題、メモの正誤を判別する問題、資料の考察問題、組合せ問題、資料の年代整序問題であった。
貨幣や会話から国を特定して、その国の特徴を選ぶ問題やメモの正誤問題、資料の考察問題、資料に書かれていることを年代順に並べる問題などが出題されており、一貫して考察と知識の組合せ問題が出題されている。
大問5について
設問数は6問で、配点は18点であった。
2022年度は設問数が6問で、配点は17点であった。
歴史統計がテーマで、会話、表、グラフをもとに回答する問題が出題された。
設問は表やグラフをもとに考察する問題、文の正誤判定問題、組合せ問題、空所補充問題であった。
大問5でも歴史統計などの資料を考察、読み取りと歴史知識の組合せ問題が多く出題されている。
まとめ
歴史知識の単純暗記では対応できない問題が数多く出題されている。
二次試験で世界史を受験する人は論述対策をやっており本質的な理解をしていると思うのでそこまで苦労しないだろうが、私立大学志望や、国公立志望だが世界史Bを共通テストのみ受験するという人は過去問だけでなく模試問題集なども使って形式に慣れておくこと。