大学入学共通テスト・国語の分析【2023年1月14日実施分】

2023年1月14日に大学入学共通テスト(1日目)が実施されました。

本記事では大学入学共通テストの国語を分析しています。

2022年度の試験と比較しています。

全体について

○出題内容について
現代文は文章の読解と整理メモの穴埋め、ノートの穴埋めとなっている。
古文は文章の読解と生徒同士の話し合いの穴埋めとなっている。
漢文は文章の読解である。

○出題形式について
全問マーク式である。
配点は2022年度と変わらず、評論が50点、小説が50点、古文が50点、漢文が50点である。

○難易度について
大問1の語句問題では2022年度は傍線部と異なる意味を持つ漢字を選ぶ問題であったが、2023年度は同じ意味を持つ漢字を選ぶ問題に変わっていた。小説の問7には新たに広告を用いた問題が出題された。
設問数が2022年度と比べて増えているので時間の関係で少し難易度が高く感じた人もいるかもしれない。
平均点は52.87点(2.26点DOWN)であった。

大問1について

文章Ⅰが『視覚の生命力ーイメージの復権』柏木博から出題され、文章Ⅱは『ル・コルビュジエと近代絵画ー二〇世紀モダニズムの道程』呉谷充利から出題された。
文章ⅠとⅡが出題される形式は2022年度と変わりがない。
設問数は6問であるが、小問の数が1問増えていた。
漢字問題が3問、傍線部と同じ漢字の用法を選ぶ問題が2問、内容に関する問題が4問、話し合いの様子から3問出題された。
メモや話し合いの様子など共通テスト独特の形式に慣れていない人は2022年度の問題や模試問題集などを使って対策すると効果的である。

大問2について

「飢えの季節」梅崎春生から出題された。
設問数は7問であり、2022年度から2問増えた。
内容に関する問題が6問、本文・資料・構想メモ・文章などを使って考察する問題が2問出題された。
共通点の理解と内容の考察を必要とする問題であり、読解と情報整理の能力が試された。
大問1と同じように2022年度の問題や模試問題集などで形式に慣れておくこと。

大問3について

『俊頼髄脳』から出題された。問4で『散木奇歌集』の引用があった。
設問数は4問であり、2022年度から変化がなかった。
傍線部の解釈が3問、傍線部の語句と表現に関する問題が1問、1~3段落の内容に関する問題が1問、話し合いの様子から3問出題された。久しぶりに歌論が出題された。

共通テストで出題される文章は長めだが、冒頭の説明や注釈、選択肢、話し合いの様子から内容を推測することが可能である。
古文単語、文法を頭に入れ、過去問や模試問題集で演習を積んでおくこと。

大問4について

『白氏文集』白居易からの出題された。
官吏登用試験の予想問題と模擬答案の一部からの出題という珍しい形式だった。
設問は7問であり、2022年度から変化がなかった。

傍線部の意味が3問、傍線部の解釈が1問、返り点の問題が1問、傍線部の比喩に関する問題が1問、空所補充問題が1問、傍線部の意味が1問、内容に関する問題が1問出題された。
冒頭文や注釈などを参照しながら解いていくこと。漢文の句法と基本的な漢字の意味は頭にいれておくべき。

まとめ

基本はセンター試験時代から変わらない読解に重きが置かれているが、メモや話し合いの様子など共通テスト独特の問題には過去問や模試問題集で慣れておくこと。

大問1から4まで解く必要がある人は大問1つあたり20分程度しか時間をかけることができないので、知識問題は素早く答えつつ、要点を即座におさえられるように演習を積んでおくこと。