学習院大学 文学部・コア試験の国語対策

2024年2月19日

本記事では学習院大学の文学部・コア試験の国語対策について記載しています。

学習院大学はコア試験とプラス試験があり、コア試験が従来通りの学部別の個別試験で、プラス試験は他学部のコア試験で選抜をおこなう試験です。

プラス試験は同一学部を2回受験することができたり、試験日選択の幅ができるなどのメリットがあります。

文学部・コア試験の国語の試験時間は90分で、配点は150点満点です。

目標得点率は80%以上に設定して対策していきましょう。

各項目の傾向と対策

大問は全部で5つです。(2022年度は4つでした)
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。

2024年度
・現代文(45点)
出典:『科学者という仕事』酒井邦嘉
1. 漢字問題×5(記述)
2. 空所補充問題×2(記述)
3. 空所補充問題×2(記述)
4. 空所補充問題×4
5. 傍線部の説明
6. 傍線部の理由
7. 抜き出し問題(記述)
・現代文(45点)
出典:『テーマパーク化する地球』東浩紀
1. 漢字問題×5(記述)
2. 空所補充問題×2(記述)
3. 空所補充問題×4
4. 傍線部の説明
5. 抜き出し問題(記述)
6. 傍線部の説明
・古文(40点)
出典:『弁内侍日記』
1. 傍線部の読み×3(記述)
2. 傍線部の意味×5
3. 文法問題
4. 掛詞(記述)
5. 傍線部の説明
6. 主語の確定
7. 内容一致(2つ)
8. 文学史
・漢文(20点)
出典:『大学』
1. 傍線部の読み下し×2
2. 返り点(記述)
3. 空所補充問題(記述)
4. 内容に一致しないもの
5. 文学史
2023年度2022年度2021年度
・漢字問題
漢字の書き問題×5
・現代文
出典:『思考としてのランドスケープ 地上学への誘い』石川初
㈠ 漢字問題
㈡ 空所補充問題
㈢ 空所補充問題
㈣ 空所補充問題(抜き出し)
㈤ 傍線部の理由
㈥ 傍線部の説明
・漢字問題
漢字の書き問題×5
・現代文
出典:『新写真論』大山顕
㈠ 空所補充問題
㈡ 空所補充問題
㈢ 夏目漱石の作品
㈣ 傍線部の説明
㈤ 傍線部の説明
㈥ 空所補充問題(抜き出し)
・現代文
出典:『「富」なき時代の資本主義』沖公祐
㈠ 漢字問題
㈡ 空所補充問題
㈢ 空所補充問題
㈣ 傍線部の理由
㈤ 空所補充問題(抜き出し)
㈥ 傍線部の理由
・現代文
出典:『分解の哲学』藤原辰史
㈠ 漢字問題
㈡ 空所補充問題
㈢ ①傍線部の読み
  ②傍線部の意味
㈣ 傍線部の説明
㈤ 傍線部の説明
㈥ 空所補充問題(抜き出し)
・現代文
出典:「ウイルスは撲滅できない 共に動的平衡を生きよ」福岡伸一
㈠ 漢字問題
㈡ 空所補充問題
㈢ 空所補充問題
㈣ 空所補充問題
㈤ 傍線部の説明
㈥ 空所補充問題(抜き出し)
㈦ 傍線部の理由
・古文
出典:『栄花物語』
㈠ 漢字の読み
㈡ 空所補充問題
㈢ 文法的説明
㈣ 敬語表現の対象
㈤ 助詞の用法
㈥ 傍線部の意味
㈦ 空所補充問題
㈧ 内容と合致しないもの
㈨ 作品の説明として適切なもの
・現代文
出典:『贈与論』岩野卓司
㈠ 空所補充問題
㈡ ①空所補充問題
  ②空所補充問題
㈢ 傍線部の理由
㈣ 傍線部の説明
㈤ 空所補充問題(抜き出し)
・古文
出典:『発心集』
㈠ 漢字の読み
㈡ 傍線部の終止形
㈢ 空所補充問題
㈣ 文法的説明
㈤ 敬語表現の対象
㈥ 傍線部の用法(異なるもの)
㈦ 傍線部の意味
㈧ 空所補充問題
㈨ 内容と合致しないもの
㈩ 出典の作者
・漢文
出典:『近古史談』
㈠ 傍線部の読み
㈡ 傍線部の内容
㈢ 傍線部の読み
㈣ 傍線部の意味
㈤ 内容一致
・古文
出典:『大和物語』
㈠ 空所補充問題
㈡ 空所補充問題
㈢ 空所補充問題
㈣ 傍線部の書きと読み
㈤ 傍線部の意味
㈥ 品詞問題
㈦ 内容と合致しないもの
㈧ 同じジャンルに属する作品
・漢文
出典:『列子鬳口義』
㈠ 返り点をつける
㈡ 傍線部の意味
㈢ 空所補充問題
㈣ 空所補充問題
㈤ 内容一致
なし・漢文
出典:『朋党論』欧陽脩
㈠ 傍線部の意味
㈡ 傍線部の指示内容
㈢ 傍線部の書き下し文
㈣ 傍線部の書き下し文
㈤ 内容一致

表にあるとおり、漢字問題、現代文2題、古文、漢文という構成です。
2022年度は大問1の漢字問題がありませんでしたが、2023年度から復活しています。
古文の問題数が多く、漢文からの出題もあるため他学部の国語よりも対策の負担が大きいことも特徴です。
早稲田大学など漢文が出題される大学を受験する人は対応できますが、専願かつ同レベルの大学を受ける人は注意しましょう。

●漢字問題
問われる漢字のレベルは標準的なので『漢字マスター1800+』などの問題集を使用して対策していきましょう。

●現代文
空所補充問題は適する漢字を書いたり、選択肢から2字の用語を入れていく問題です。
文脈に沿って回答する問題で、用語の意味自体は難しいものではありません。

抜き出しの空所補充問題は文章の中にある空所に本文中から適するものを抜き出して回答する問題です。
Ⅰ、Ⅱと並んでいる順番に検証していけばいい問題ではないので、問われていることや本文を理解している必要があります。
まずは自分で考えた言葉を入れてみて、それに該当しそうな箇所を検証していけばいいでしょう。

傍線部の説明や理由を回答する問題についても本文の理解力が問われます。
「ここを見るといい」という公式的なものは現代文にありませんので、普段の勉強の段階から文章の解釈を丁寧にやっていきましょう。

●古文
問題数が多く、文法、単語、敬語法、内容、文化史などがバランスよく問われる良問です。
広範な知識を得ることができるように、早めに対策を始めましょう。
文法、単語を正確に覚えていることは前提として、その知識を活用できるように読解の練習も積んでいきましょう。
文化史は直前期に集中して頭に入れるということで構いませんが、時代だけでなく作品の簡単な内容やジャンル、同時代の作品などもおぼえておきましょう。

●漢文
文章自体は短く、問題数も他の大問と比べれば少ないですが、漢文も対策して得点源にしていきましょう。他の大学、学部であまり出題されないので後回しになりがちです。
句法を覚えていることは当然として、読解の練習を積んで、漢字から意味をいくつか類推できるようにしていきましょう。