上智大学(総合グローバル学部・共通テスト併用方式)の大学独自試験対策

2024年1月15日

本記事では上智大学総合グローバル学部(共通テスト併用方式)の大学独自試験対策について記載しています。

総合グローバル学部の共通テスト併用方式は共通テスト+独自試験の点数で合否判定されます。
総合グローバル学部の試験科目と配点は下記の通りです。

テスト区分教科科目配点
共通テスト外国語英語(リーディング・リスニング)、ドイツ語、フランス語から1科目40点
国語国語40点
地歴公民「日本史B」、「世界史B」、「地理B」、「倫理」、「政治・経済」、「倫理、政治・経済」から1科目40点
独自試験学部学科適性試験グローバル化する人間社会について、提示された資料の理解力および思考力を問う試験(英語の設問も含む)80点

大学独自試験の試験時間は75分です。

総合グローバル学部の情報(共通テスト併用方式)

年度募集人員志願者数第1次受験者数最終合格者数競争率
2023707787443552.1
2022709809393342.8
2021701,0821,0343473.0

各項目の傾向と対策

大問は全部で3つです。
下の表で出題される問題を確認しましょう。

2023年度2022年度2021年度
1・英語長文読解
1. 空所補充問題×10
2. 下線部に近い意味×3
3. 記述説明問題(45字以内)
4. 語句の整序問題×3
・英語長文読解
1. 空所補充問題×10
2. 記述説明問題(65字以内)
3. 語句の整序問題×3
・英語長文読解
1. 空所補充問題×10
2. 記述説明問題(65字以内)
3. 語句の整序問題×5
2・社会科に関する文章
1. 空所補充問題(世界史)
2. 選択問題(政治経済)
3. 誤っている文を選ぶ(地理)
4. 国の名前(政治経済)
5. 誤っている語句を選ぶ(地理)
6. 組合せ問題(世界史)
7. 選択問題(世界史)
8. 誤っている文を選ぶ(政治経済)
9. 誤っている文を選ぶ(世界史)
・社会科に関する文章
1. 組合せ問題(地理)
2. 選択問題(世界史)
3. 誤っている文を選ぶ問題(地理)
4. 誤っている文を選ぶ問題(地理)
5. 写真の選択(地理)
6. 記述説明問題(80字以内)
7. 空所補充問題(記述)
8. 本文の主旨(現代文)
・社会科に関する文章
1. 選択問題(社会知識)
2. 組合せ問題(社会知識)
3. 不適切なものを選ぶ問題(政治経済)
4. 誤っている文を選ぶ問題(世界史)
5. 選択問題(世界史)
6. 地図の選択問題(世界史)
7. 選択問題(世界史)
8. 不適切なものを選ぶ問題(現代文)
9. 誤っている文を選ぶ問題(世界史)
10. 不適切なものを選ぶ問題(政治経済)
11. 不適切なものを選ぶ問題(現代文)
3・日本語の文章と資料読解
1. 表と地図の選択(地理)
2. 誤っている文を選ぶ(政治経済)
3. 空所補充問題(現代文)
4. 不適切なものを選ぶ(現代文)
5. 選択問題(政治経済)
6. 空所補充問題(50字以内)
7. 空所補充問題(現代文)
8. 空所補充問題(現代文)
9. 不適切なものを選ぶ(現代文)
・日本語の文章の読解
1. 選択問題(世界史)
2. 誤っている文を選ぶ問題(日本史)
3. 誤っている文を選ぶ問題(日本史)
4. 組合せ問題(日本史)
5. 選択問題(地理)
6. 選択問題(政治経済)
7. 選択問題(地理)
8. 本文の主旨(現代文)
・日本語の文章の読解
1. 選択問題(世界史)
2. 選択問題(世界史)
3. あてはまる出来事(政治経済)
4. 誤っている文を選ぶ問題(世界史)
5. 誤っている文を選ぶ問題(政治経済)
6. 誤っている文を選ぶ問題(政治経済)
7. 選択問題(政治経済)
8. 誤っている文を選ぶ問題(政治経済)
9. 記述説明問題(40字以内)
10. 本文の主旨(現代文)

英語の読解問題、日本語の読解および知識問題が2題の合計3題という構成です。
英語の読解問題は下線部の単語の意味や空所に入る単語を選ぶ問題がありますが、問われている単語のレベルが非常に高いです。
大問2と3は読解問題や資料の分析のほか、日本史、世界史、地理、現代社会、政治・経済の知識を問う問題が出題されます。
他の大学と併願する場合は負担が大きくなりますのでTEAPスコア利用方式での受験をオススメします。(ただ、TEAPスコア利用方式の方が倍率が高いです)

●大問1(英語の読解問題)
下線部の意味に近い単語を選ぶ問題、文章の空所に入る単語を選ぶ問題、下線部の内容を記述する問題、日本語を元にした語句の整序問題で構成されています。
求められる語彙のレベルは高いですが、内容一致問題など私立の典型的な設問はないので、高得点を狙っていきましょう。

下線部の意味に近い単語を選ぶ問題は10問です。
語彙のレベルが高いものが含まれており、受験英語で一般的に求められる語彙を覚えているのは当然のことですが、英検準1級の単語もおさえている必要があり、余裕があれば英検1級の単語も覚えて欲しいです。(合格する必要はありません)

文脈で判断する必要がありますが、文章自体の難易度は標準的で語彙のレベルが高いものの、上記のような対策をしていれば対応できます。

下線部の内容を記述する問題は1問です。
理由や原因を指定字数以内の日本語で記述する問題で、答えに該当する箇所を和訳するだけでは満足に答えることができません。
要約をして過不足なく書けるように練習をしましょう。

日本語を元にした語句の整序問題は3問です。
空所に該当する部分の日本語を確定し、それに従って並べ替えていきましょう。
難易度は標準的なので、『NextStage』や『Vintage』などで演習を積みつつ、『真・英文法大全』などで体系的な理解を強化していきましょう。

2023年度から下線部の意味にもっとも近い語句を選ぶ問題が追加されました。
難単語も並んでいるので前後関係をおさえるだけでなく、語彙力もできる限り増やしておきましょう。

・大問2、3(日本語の読解および知識問題)
選択問題、記述問題などで構成されており、日本史、世界史、地理、現代社会、政治・経済の知識が問われます。
総合グローバル学部としては中学、高校を通じて定期テストをしっかりこなす優等生タイプを求めているのかもしれませんが、全員がそうとも限りませんので、2タイプの勉強方針を示します。

全体として政治経済世界史の知識を問う問題の比率が多く、時代としては15~16世紀以降が重点的に出題されています。特に第二次大戦後~現代までを中心に強化していきましょう。
2022年度は日本史の問題が出題されていましたが、2023年度では出題されていません。
文章や資料を読み解けば解ける問題も含まれているので、こういった問題は過去問をつかって練習しましょう。
記述問題は英語と同様に、「何を聞かれているのか」を把握してから文章にしていきます。

以上を踏まえた上で2タイプの勉強方針があります。

・タイプ1
世界史A、日本史A、地理A、現代社会、政治・経済の簡単なテキストで勉強する方法。
現代社会や政治・経済については国際関係に注目して覚えていきましょう。
古代からの出題もありますが、問題数は少ないのでしっかり対策するメリットがあまりありません。

・タイプ2
歴史総合、地理総合、公共のテキストを使って勉強する方法。
2025年度以降の入試を意識した問題構成なので、歴史総合、地理総合、公共のテキストを使って勉強するのも効果的です。

・タイプ3
公務員試験(国家一般職(高卒者))の地方初級の人文科学や社会科学のテキストを通読する方法。
1冊で基本的な知識がまとまっており、世界史、日本史、地理、政治・経済をコンパクトに学ぶことができます。
何が出されても極力答えられるようにしたいという受験生にはタイプ2の勉強をオススメします。

以上の勉強法の他に普段から気になったことについてはその都度調べたり、積極的に新書などを読んで雑多な知識をつけていきましょう。

全体としては英語で8~9割以上得点して、残りの問題は可能な限り解いていくという方針になります。まず何よりも英語で高得点がとれるように語彙力を鍛えていきましょう。
大問2、3はどこまでいってもすべて対策するのは難しいので、ここで大きく時間を取られないようにしましょう。