大学入学共通テスト・英語(リーディング)の分析【2023年1月14日実施分】

2023年1月14日に大学入学共通テスト(1日目)が実施されました。

本記事では大学入学共通テストの英語(リーディング)を分析しています。

2022年度の英語(リーディング)と比較しています。

全体について

●出題内容
2022年度と同様に図、表、イラストなどを用いた問題が多く出題された。

●出題形式について
例年通りマーク式での出題であった。
マークする箇所は48個から49個に増加していた。
*2021年度は47個である。

●難易度について
大問1と大問5の出題方法が変化しており、2022年度までの形式で練習していた受験生は若干読み方を変える必要が出たと思うが、それ以上に整理すべき情報が多くあり、時間が足らない受験生の方が多かったのではないか。総合的に判断して難化していると予想する。

大問1について

配点は10点、問題数は5問で、2022年度と同じであった。
A問題は2022年度はフルーツの特徴が4種類書かれており、その中から設問に合うものを選ぶ問題であったが、2023年度は劇場での公演のパンフレットから出題された。

B問題は2022年度は動物園のウェブサイトを見ながら回答する問題であった。2023年度は夏期に実施される英語力改善のサマーキャンプについてウェブサイトを見ながら回答する問題であった。

英語力の高い受験生は設問からすぐに該当箇所をみつけて正解を導き出すことができるタイプの問題である。

大問2について

配点は20点、問題数は10問で、2022年度と同じであった。
A問題は2022年度は未来のリーダーという題目の夏期プログラムについてのウェブサイトを見ながら回答する問題であった。2023年度は靴のウェブサイト上にある広告を読みながら回答する問題であった。fact/opinion問題が出題され、2022年度はfactであったが、2023年度はopinionを選ぶ問題である。

B問題は2022年度はイギリスの交換留学生が投稿した記事を参照して回答する問題であった。2023年度は時間の効率的な使い方についての学校の取り組みが書かれたレポートを読んで回答する問題であった。簡単な計算を要する問題も出題された。

大問3について

配点は15点、問題数は5問で、2022年度と同じであった。
A問題は2022年度はブログ記事を参照して回答する問題であった。2023年度はキャンプクラブのニュースレターを読んで回答する問題であった。

B問題は2022年度は雑誌のページを参照しながら回答する問題であった。2023年度は「アドヴェンチャールーム」を作る際に参照しているブログ記事を読みながら回答する問題であった。
順番に並べる問題は出てきた表現順に並べると間違ってしまうので、素早くかつ正確に読み込まないといけない。

大問4について

配点は16点、問題数は5問で、2022年度と同じであった。
2022年度は2人のブログ記事を参照して回答する問題であった。2023年度は効率的な学習方法について2つの記事を読みながら回答する問題であった。文章で言われていることを理解度を試しているので、ただ読めるというだけでは処理できない。

大問5について

配点は15点、問題数は5問で、2022年度と同じであった。
2022年度は偉大な発明家についての記事を読む問題で、2023年度は印象に残った話についてメモを参照しながら発表するという設定の問題であった。昨年度と大きくことなる文章ではあるが、ストーリーを追って答えるなど、問題形式に大きな変更はなかった。

大問6について

配点は24点、問題数は2022年度が7問であるのに対して、2023年度は9問であった。
A問題は2022年度はグループ学習で共有したい記事を要約するという設定の問題であった。2023年度も同様である。大問6から難易度が上がるものの、情報を整理して回答することには変わりがない。メモと設問を見ながら判断していく。

B問題は2022年度、2023年度ともにプレゼンテーションを前提とした問題であった。
クマムシという英単語は知らない受験生が圧倒的に多いと思うが、どの語も文章中で説明されているため問題はない。クマムシ自体を知らない受験生は固有名詞が不明のまま、説明文だけで判断する必要があるため、時間がかかると思われる。

まとめ

例年通り読解力と情報整理の力を試している試験であった。
私立大学のような純粋な読解力を試している試験や国公立のように記述を通して英語という言語と文章などの理解度を試している試験ばかり意識していると予想以上に点が取れなかったであろうと推測する。

2024年度の英語(リーディング)を受ける際は過去問を解く中で順序立てて情報を適切に整理する練習に重点を置いてほしい。難しい文章を読めることより、簡単な文章を読み、かつ書かれている状況や情報を整理してそれを回答に反映させられるように準備を重ねておくこと。

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