名古屋大学(前期日程)の英語対策

本記事では名古屋大学の前期日程の英語対策について記載しています。

名古屋大学の英語は学部によって配点が異なります。
文学部、情報学部(自然情報)、農学部は400点満点、教育学部は600点満点、法学部は200点満点、経済学部、医学部(医・保健)は500点満点、情報学部(人間・社会情報)は700点満点、情報学部(コンピュータ科学)、理学部、工学部は300点満点です。

試験時間は105分となっています。

目標得点率は共通テストの点数にも左右されますが、医学部医学科は80%前後、その他の学部は70%前後を目標にして勉強しましょう。

各項目の傾向と対策

●全体の傾向
大問数はぜんぶで4つです。
長文問題が2題、会話問題が1題、自由英作文が1題という構成です。
2020年度までは比較的標準的な内容の長文が出題されていましたが、2021年度から大問1で使用されている単語のレベルが上がり、英検1級レベル以上の単語が使用されているケースもありました。
しかしながら、その他の問題はじゅうぶんに点を取れる内容なので、他の科目と同様、難しいものは切り捨てるか、後回しにするか、中でも基本的な問題をできるだけたくさん解答するようにするかを瞬時に選択すればいい話です。
自由英作文は表をみて考察する問題が主に出題されます。

●大問1~2(長文読解)
800語前後の文章が出題されます。
設問は下線部和訳、日本語で説明する問題、空所補充、文整序、内容一致問題など、国立大学でよく出題される形式の問題が多いです。
上述したとおり、2021年度の大問1はかなりレベルの高い語彙力を要求されていますが、基本的には標準的な単語でじゅうぶん読むことが出来ますし、難しかったとしても「問題を解く」という観点ではそこまで影響はありません。
他の大問を解く時間を考えると、時間がかなり厳しいので、まずは難しいか解けそうかを瞬時に判断し、難しい場合は中でも標準的な問題に集中して完答を目指し、解けそうな問題はすべて解いていきましょう。

下線部和訳問題は難しい構文や単語は基本的に使用されませんので、英文解釈の標準的な参考書、問題集を仕上げていれば難なく対応することが出来ます。

日本語で説明する問題や日本語で述べる問題は下線部が具体的に何を指しているのかを理解している必要があります。ひとりよがりな文章で解答するのではなく、採点者にわかってもらえるように解答しましょう。

空所補充問題は語句や文が対象となります。
前置詞を入れていく問題やその段落の内容に沿うように文を入れていく問題などです。
語句の空所補充は文法・語法・熟語知識や語彙力、文脈把握能力が問われます。
文の補充は空所の前後に注目して文脈に沿うように文をいれていきましょう。

大問3(会話問題)
会話文内の空所補充や会話内容の内容一致問題、選択問題、下線部の語句の意味を選ぶ問題などの形式が多いです。
会話表現はことさら覚える必要はありませんが、基本的なものはインプットしていても損はないです。
標準的な会話問題なので2人の会話の流れから空所補充や内容一致を解いていきましょう。
最後に会話内容に関する自由英作文が出題されます。語数は少なめです。

自由英作文の過去の出題(実際は英語です / 要約しています)
・2021年度
映画館は将来、存在していると思うか。(30~40語)

・2020年度
留学でより重要なのは言語能力か積極的な姿勢か。(25~40語)

・2019年度
ギャップイヤーのようなものについて日本では、あまりありふれていないがその理由は何か。
*英文が書いてあり、その文に続くように10~15語で英作文。

・2018年度
自分の趣味に関する職業に就くのに賛成か反対か。(30~40語)

・2017年度
様々な文化圏で芸術が重要だと考えているが、なぜか。(10~20語)

・2016年度
自転車に乗ることと、公共交通機関を使用することのメリットをあげよ。(10~20語)

・2015年度
自然に近い場所に住むことが重要だという意見に賛成か。(40~50語)

語ろうと思えば、けっこう長くなってしまうようなテーマが多いですが、語数が少ないので簡潔に自分の意見をわかりやすく書くしかありません。
自由英作文で多く使用されるThere are ○○ reasonsなどの表現をいれるとすぐに限界をむかえるので、いきなり意見を書き始めましょう。

●大問4(自由英作文)
グラフや表をみて考察する問題です。
2017年度までは和文英訳問題でしたが、2018年度から自由英作文にかわっています。
語数は大問3より多くなり、80~100語となっています。(2018年度は50~70語です)
わかりにくいグラフや表が出されるわけではなく、すぐに何がポイントなのかを見抜くことができます。
ただ、語数が多めなので時間に注意しましょう。