九州大学(前期日程)の英語対策

本記事では九州大学の前期日程の英語対策について記載しています。

九州大学の英語は学部ごとに配点が異なります。
下記学部以外は200点です。
共創学部は400点、文学部は150点、経済学部経済工学科は300点、芸術工学、農学部は250点に換算されます。

試験時間は120分と長丁場ですが、この時間にふさわしい重たい問題が並んでいます。

医学部医学科以外は得点率65~70%以上を目標にしましょう。
医学部医学科は75%以上を目標にしましょう。
あくまで目安で、他の受験科目との兼ね合いで得点戦略が変わります。

各項目の傾向と対策

●全体の傾向
大問は全部で5題です。(4題の年度もありました)
500~700語の長文読解が3題、自由英作文が2題という構成です。
ただ、上記の構成は2021年度からの傾向で、以前は毎年和文英訳問題が出題されています。
記述の量が非常に多く、そのぶん、文章の内容を正確に理解している必要があります。
2021年度は新たに英問英答問題が出題されました。

●大問1~3(長文読解)
ほとんどが日本語で説明する問題や要約問題、下線部和訳問題などで構成されており、選択問題はほとんど出題されません。2021年度にいたっては選択問題は一問も出題されず、難化傾向を示しました。(ただし、設問数は減っています)
英文の内容も難易度が高く、レベルの高い単語が使われていたり、普段から社会情勢に注意を向けていないとわかりづらい内容が出題されます。
九州大学の過去問だけでなく、他の旧帝大(北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、大阪大学、京都大学)などの過去問も良い練習になります。
問題文が英語の設問がありますので、summarize(要約する)やexplain(説明する)などの単語を見落とさないようにしましょう。
説明をするときや和訳をするときにわからない単語に出くわしたときは長文中にヒントがないか確認しましょう。
また、日本語や英語で説明する問題は実際に書いて、添削をしてもらいましょう。
ひとりよがりな文章を書いても採点者に伝わらなければ意味がありません。

●大問4、5(自由英作文)
毎年、100語程度の自由英作文が出題されます。

過去の出題は下記の通りです。(実際は英語で書かれています / 要約しています)
・2021年度
大問4:学校や大学でのオンライン教育の利点と欠点を一つずつあげて論じなさい。
大問5:2001年から2014年までのアメリカにおける外国人大学入学者数の表をみて、70語程度で3国(カナダ、中国、日本)の潮流の違いを要約せよ。

・2020年度
文系と理系の選択は生徒の負担を減らすという意見がある一方で将来の職業選択の範囲をせばめるという意見もあるが、これについて自分の意見を論じなさい。

・2019年度
「電動自転車にのった女子学生が年配女性と衝突して死亡させてしまった」という趣旨の文章を要約し、このような事故を減らすにはどうしたらいいか、自分の意見を書きなさい。
*意見部分は約50語という指定あり。

・2018年度
将来的にケアが必要な高齢者に対して日本社会ができることは何か書きなさい。
*関連文章あり

・2017年度
外国人観光者の(日本での)経験をより向上させるために日本人が出来ることは何か書きなさい。
*関連文章あり

・2016年度
性別の固定観念なしで、男性と女性がキャリア選択をできるとしたら、どんな利点があるか論じなさい。
*長文問題の設問の1つとして出題

・2015年度
絵文字によって電子通信において感情表現をうまく伝えられるという意見がある一方、絵文字があるせいで言語能力がだめになっているという意見もある。これについて自分の意見を述べよ。(100~120語)


一貫したテーマなどはなく、多様な話題から英作文が出題されます。
ただ、どれも日本や世界で問題、話題になっている内容ですので、これらをまったく知らない状態で受験をすることは危険です。普段からニュースをチェックするなり、よく出る話題(オンライン教育、リモートワーク、少子高齢化、ジェンダー論、SDGsなど)についてはおさえておきましょう。