千葉大学(前期・法政経、国際教養、文)の国語対策

2023年8月29日

本記事は千葉大学(前期)の国語対策について記載しています。
対象は法政経学部、国際教養学部、文学部です。

千葉大学の前期入試における国語は学部学科によって配点が異なります
・国際教養学部が300点
・文学部の人文学科の日本・ユーラシア文化コースが300点(その他は200点)
・法政経学部は300点
・教育学部の小学校コース、中学校コースの国語科教育分野、社会科教育分野、小中専門教科コースの家庭科教育分野、特別支援教育コース、乳幼児教育コースが300点
・教育学部の小中専門教科コースの図画工作・美術科・教育分野、保健体育科教育分野、英語教育コースが200点
・教育学部の小中専門教科コースの音楽家教育分野が150点

試験時間は80分です。

過去の出典

千葉大学の国語はすべて記述式です。
出題内容は現代文、古文、漢文です。

●現代文の過去の出典
2011年度:『「場所」論』丸太一
2012年度:『文語に会うとき』藤井貞和
2013年度:『当世書生気質』坪内逍遥
2014年度:『クレオール主義』今福龍太
2015年度:『〈わたし〉の哲学 オートポイエーシス入門』河本英夫
2016年度:『口承文芸史考』柳田國男
2017年度:『学びとは何か』今井むつみ
2018年度:『共同体のかたち』菅香子
2019年度:『反貧困』湯浅誠
2020年度:『陶酔について』三島由紀夫
2021年度:「気持ちよさという罪」村田沙耶香
2022年度:『民俗知は可能か』赤坂憲雄
2023年度:『連帯論ー分かち合いの論理と倫理』馬渕浩二

●古文の過去の出典
2011年度:『鉢かづき』
2012年度:『伽婢子』浅井了意
2013年度:『十訓抄』
2014年度:『更級日記』
2015年度:『大鏡』
2016年度:『梁塵秘抄口伝集』
2017年度:『枕草子』
2018年度:『藤簍冊子』
2019年度:『栄花物語』
2020年度:『紫の一本』戸田茂睡
2021年度:『徒然草』
2022年度:『今鏡』
2023年度:『弁内侍日記』藤原信実女

●漢文の過去の出典
2011年度:『堅瓠集』
2012年度:『典故紀聞』
2013年度:『新序』
2014年度:『図画見聞誌』
2015年度:『近世叢談』
2016年度:『履園叢話』
2017年度:『童子問』
2018年度:『閲微草堂筆記』
2019年度:『郁離子』
2020年度:『淮南子』
2021年度:『五雑組』
2022年度:『小倉山房文集』袁枚
2023年度:『仕隠斎渉筆』丁治棠

各項目の傾向と対策

全体の傾向
現代文、古文、漢文から出題されますが、多くが傍線部の内容を説明する問題です。
記述の練習を重ねていないと満足いく回答を書くことができません。
古文・漢文に関しては早めに基礎を完成させて記述の練習に取り掛かりましょう。
現代文、古文は文学史から出題されることもありますが、あくまで余力があるときに対策すればよく、基本的には記述対策がメインとなります。

●現代文
主な問題は漢字の読み書き、傍線部の説明、本文からの抜き出し、空所補充、文学史です。
漢字は難易度の高いものは出題されず、基本的な漢字問題集を1冊仕上げておけば対応できるでしょう。
傍線部の説明は「わかりやすく」という文言がついていることが多く、独りよがりではなく、採点者にわかりやすいように伝える練習が必要です。
記述問題に取り組んだら学校の先生や予備校や塾の先生に添削してもらうと効果的です。
現代文の対策をするときは適当にやらずに、1語1語に気を配って丁寧に文章の内容を検証していくことが大切です。
上述したように文学史は後回しでもかまいません。

古文
出典は知名度の高いものが多いです。
主な問題は傍線部の説明、文法問題、現代語訳、主語の決定、語句の意味です。
文学史の出題はあまりなく(出題されないわけではありません)、現代文と同じように内容の解釈と説明がメインとなります。
文法問題は指定の文法と用法の異なるものを指摘する問題が多いです。
現代語訳は古文単語の意味と基礎文法をおさえているのが前提として、文脈からの判断も必要です。
一つの単語で複数の意味をもっていることが多く、文章からの判断は欠かすことができません。
主語の決定は敬語の判断に関する問題です。敬語および敬語法は多くの受験生がつまずく点なので対策をおこたらないようにしましょう。
傍線部の説明は現代文と同じように解いたら添削してもらうのがいいでしょう。

漢文
毎年、出題は3題です。
主に書き下し文にする問題、現代語に訳す問題、傍線部の説明問題です。
漢文は句法と基本的な語彙を覚えたら、問題演習をして対策していきましょう。
センター試験や共通テストの過去問の選択問題のところを記述で回答するのもいい練習になります。
漢文の対策は短期間で終わりますので、現代文と古文の対策をメインにしましょう。

全体としてやはりメインは現代文と古文です。
現代文に自信がない人は古文と漢文に時間をかけるというのも戦略としてはありです。
ただ、現代文の記述問題を鍛えれば他の教科にも応用することができるので、基本的には現代文の対策を欠かすことはできません。