中央大学(法学部・一般)の英語対策

本記事は中央大学(法学部・一般)の英語対策について記載しています。

中央大学法学部の一般方式は3教科型、4教科型の2種類があります。
3教科型:英語、国語(漢文除く)、数・地歴公民(1教科を選択)
4教科型:英語、国語(漢文除く)、数学、地歴公民
4教科で受験すれば3教科型とあわせて出願することが可能です。

中央大学法学部(一般)の英語は90分150点満点です。

目標得点について

中央大学法学部の合格最低点は60%前後で推移しています。
*私立大学は得点調整が行われるため実際の割合は不明です。
関連記事:私立大学が公表する「合格最低点」を鵜呑みにしてはいけない理由【答えは得点調整】

目標得点は70%前後に設定して勉強しましょう。
GMARCHの中でも中央大学法学部はトップレベルに難しいので合格最低点も低いです。

各項目の傾向と対策

●全体の傾向
2010年度~2021年度までの問題を調査しました。
中央大学法学部は法律学科、政治学科、国際企業関係法学科にわかれており、2015年度までそれぞれの学科で別々の問題が出されていましたが、2016年度から法律学科と国際企業関係法学科が共通の問題となり、2020年度からはすべての学科が共通の問題となっています。

年度ごとに分化しているとはいえ、問題の内容は大きく変わることはありません。
問題の種類は下線部和訳、和文英訳、空所補充(品詞変化)、整序問題、日本語に相当する単語を入れる問題、2文が同じ意味になるように単語を入れる問題、文法・語法・語彙の空所補充、文法・語法の正誤問題、英文の空所補充問題、読解総合となっています。
私立大学で主に出題される問題の総括的な内容で、個別に対策しなければいけないものが多いため、早めに基礎を完成させなければ間に合わないでしょう。
読解総合までの問題をどれだけ速く処理できるかにかかっています。

●下線部和訳(目標解答時間:10分、目標得点率:70%以上)
毎年問題数は2題で、配点は30点です。
文中に下線が引かれており、その部分を和訳する問題です。
だいたい3行程度に下線が引かれており、難易度は高いです。
該当部分だけを見て訳すのではなく、文全体の流れから適切な訳出をしていきます。
英文解釈の参考書や問題集を丁寧に仕上げていくことをオススメします。
単語や熟語表現は知っていることが前提です。

和文英訳(目標解答時間:15分、目標得点率:70%以上)
毎年問題数は2題で、配点は20点です。
文中に日本語部分があり、与えられた書き出しにしたがって英語に訳す問題です。
与えられた書き出しがありますので、後ろの文の方向性がある程度定まりますし、何から始めたらいいのかを考える必要もありません。
和文英訳で難易度の高い形式は日本語の書籍からそのまま文章を抜粋して英訳するもので、英語のみならず日本語の能力も高くないといけないのですが、中央大学法学部の英訳は英文を和訳したものを英訳させるものであり、そこまで高い日本語力を必要としていません。
典型的な例文を暗記していれば、満点は難しくても70%以上得点することはできるでしょう。

空所補充、整序問題(目標解答時間:10分、目標得点率:70%以上)
毎年問題数は5題で、配点は10点です。
空所補充は文が(a)、(b)の2つがあり、(b)の文を筋の通ったものにするために(a)の文中の言葉から1つ選び、品詞を変化させて空所を埋めるという問題です。(a)と(b)に意味的なつながりはありません。
語彙力があるのはもちろんのこと、1つ1つの単語を名詞や形容詞、副詞などに変化させることができなければいけません。例えば、receiveをreceptionに変えるなどです。
英文の意味を理解して適切な単語を選択肢、品詞を変化させるものはあまり他大学では見られない問題なので過去問で演習を重ねていきましょう。

整序問題の場合もあり、問題数と配点は空所補充と同じです。
整序問題は日本語に基づいて語句を並べ替え、不足している語があるので、それを補うというものです。
並んでいる語句の量も多く、かつ不足している語を補う必要があるという点が難易度をあげています。
文法知識、構文把握、熟語の知識で語句のかたまりをつくり、日本語に従って並べかえるというプロセスが最適でしょう。こちらも過去問で演習を重ねていきましょう。

日本語に相当する単語を入れる問題、2文が同じ意味になるように単語を入れる問題(目標解答時間:5分、目標得点率:60%以上)
毎年問題数は5問で、配点は10点です。
どちらの形式も難易度が高く、5問中3問合っていればいいと言えます。
配点も高くないため、ここで時間をかけるのはもったいないです。
普段の勉強で注意すべきことは同じ単語を使っている熟語表現と多義語です。
また、日本語の意味を適宜言いかえることができるかどうかも重要な要素です。
例えば、consequentlyを「結果的に」と覚えていても「したがって」とか「だから」などに言いかえることができるかということです。
中央大学法学部を受験する人の中では少数派かと思いますが、これらの意味を1つ1つ覚えないとアウトプットできないという状態だと非効率的ですし、本番でも満足に力を発揮できないでしょう。

文法・語法・語彙の空所補充問題(目標解答時間:5分、目標得点率:70%以上)
毎年問題数は10問で、配点は20点です。
多くの受験生が重きを置きがちな文法からの出題は少なく、同じ接頭語で始まる単語や語法、イディオムなどからの出題が多いため、後回しにせず早めに取り組むようにしましょう。
*同じ接頭語から始まる単語とは、例えばregain, remind, render, respectのように同じreで始まっている単語といったように、始まりが同じ単語を指します。

文法・語法の正誤問題(目標解答時間:10分、目標得点率:65%以上)
毎年問題数は10問で、配点は20点です。
多くの受験生が苦手とする正誤問題です。文法・語法としていますが、英文の内容が間違っていることもあります。
正誤問題は余裕があったら対策したほうがいいというもので、多くの時間を割くべきではありません。他の配点が高い問題の対策に時間をかけましょう。
余裕がある人は正誤問題の対策ができる問題集を1冊仕上げましょう。


英文の空所補充問題(目標解答時間:15分、目標得点率:65%以上)
毎年問題数は10問で、配点は20点です。
英文の中に空所が10個あり、適切な文を入れていく問題です。
選択肢が何から始まっているのかでしぼっていき、あとは文脈で判断するという方法が最適でしょう。
悩んでいると時間がなくなり、読解総合に時間をかけられなくなります。
*最初の問題から解いているという前提です。

読解総合(目標解答時間:20分、目標得点率:70%以上)
毎年問題数は10問で、配点は20点です。
問題は空所補充、内容一致、下線部の意味に近いものを選ぶ問題が主になっています。
段落の内容一致問題はその段落を読み終わったらすぐに回答することができます。
また、中には文法・語法・語彙問題もあり、ここもすぐに回答することができます。
大問1から順番に解いてきた場合は集中力が途切れないように読解総合までの問題を素早く処理することが重要です。

全体的に問題数が多く、時間も厳しいため、知識で解ける問題をいかに早く処理するかが合否をわけるポイントです。また、難しい問題に時間をかけないように、わからなそうであれば後回しにするか捨ててしまうという思いきりのよさも必要です。