上智大学 文学部哲学科(共通テスト併用方式)の学部学科適性試験対策

本記事では上智大学 文学部哲学科(共通テスト併用型)の学部学科適性試験対策について記載しています。
学部学科適性試験の試験時間は75分で、配点と試験科目は下記の通りです。
試験区分 | 試験教科 | 科目 | 配点 |
共通テスト | 外国語 | 「英語」、「フランス語」、「ドイツ語」から1科目 | 60点 |
国語 | 「国語」 | 40点 | |
地歴公民 | 「歴史総合、日本史探究」、「歴史総合、世界史探究」、「地理総合、地理探究」、「公共、倫理」、「公共、政治経済」、「数学ⅠA」から1科目 | 40点 | |
大学独自試験 | 学部学科適性試験 | 哲学への関心および読解力・思考力・表現力を問う試験 | 100 |
共通テストの点数配分が大きいので、共通テスト対策も力をいれてやっていきましょう。
文学部哲学科の入試情報(共通テスト併用方式)
年度 | 募集人員 | 志願者数 | 第1次受験者数 | 最終合格者数 | 競争率 |
2024 | 19 | 140 | 128 | 40 | 2.4 |
2023 | 19 | 145 | 135 | 40 | 2.8 |
2022 | 19 | 142 | 133 | 40 | 2.4 |
2021 | 19 | 234 | 221 | 25 | 6.5 |
各項目の傾向と対策
大問は全部で3つです。
下の表で出題される問題を確認しましょう。
2025年度 | 2024年度 | |
問題Ⅰ | ・用語に関する問題 一問一答問題(選択)×7 | ・用語に関する問題 一問一答(選択)×5 |
問題Ⅱ | ・文章の読解 出典:「驚きの情と偶然性」九鬼周造 1. 漢字問題(書き・記述)×3 2. 下線部の説明(90字以上130字以内) 3. 下線部の解釈(40字以上60字以内) 4. 下線部の説明(90字以上130字以内) 5. 段落の文は文章の論の展開において、どのような役割を果たしているか説明(40字以上60字以内) | ・文章の読解 出典:「フーコー」『現代フランス哲学入門』相澤伸依 1. 漢字問題(書き・記述)×3 2. 下線部の説明(110字以上140字以内) 3. 下線部の説明(110字以上140字以内) 4. 下線部の説明(50字以上80字以内) 5. 下線部の説明(50字以上80字以内) |
問題Ⅲ | ・文章の読解と論述問題 出典:『マンガは哲学する』永井均 1. 漢字問題(書き・記述)×3 2. 3つのテーマから1つ選んで論述(350字以上450字以内) | ・論述問題 3つのテーマから1つ選んで論述(500字以上600字以内) |
2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
問題Ⅰ | ・用語に関する問題 一問一答(選択)×5 | ・用語に関する問題 一問一答(選択)×5 | ・用語に関する問題 一問一答(選択)×5 |
問題Ⅱ | ・文章の読解 出典:「道徳哲学のいくつかの問題」『責任と判断』ハンナ・アレント 1. 下線部の説明(80字以上100字以内) 2. 下線部の説明(50字以上80字以内) 3. 下線部の説明(120字以上150字以内) 4. 下線部の説明(120字以上150字以内) | ・文章の読解 出典:『語りえぬものを語る』野矢茂樹 1. 下線部の説明(60字以上120字以内) 2. 下線部の説明(60字以上120字以内) 3. 下線部の説明(100字以上160字以内) 4. 下線部の説明(100字以上160字以内) | ・文章の読解 出典:『ドゥルーズの哲学原理』國分功一郎 1. 下線部の説明(100字以上130字以内) 2. 下線部の説明(80字以上100字以内) 3. 下線部の説明(150字以上180字以内) 4. 論述問題(260字以上300字以内) |
問題Ⅲ | ・論述問題 5つのテーマから1つ選んで論述(500字以上600字以内) | ・論述問題 5つのテーマから1つ選んで論述(400字以上600字以内) | ・論述問題 5つのテーマから1つ選んで論述(400字以上600字以内) |
問題Ⅰは哲学に関する知識を問う問題ですが、他の大問は論述問題です。
試験時間が75分なので、問題Ⅱは1問あたり10分程度、問題Ⅲは20分程度で回答する必要があります。
●一問一答
2021年度で出題された「古代ギリシャの哲人プラトンの対話篇的著作ではないものはどれか?」といった哲学に関する知識を問う問題が5問出題されます。
選択式の知識問題なので、素早く解いて論述問題に時間を回せるようにしましょう。
ヨーロッパだけでなく、日本の哲学者も問われることがあるので、「公共、倫理」の教科書や参考書の哲学部分を読んで用語や内容を理解、暗記しておきましょう。
●下線部の記述説明問題
問題Ⅱでは文章中にある下線部に関する記述説明問題が出題されます。
下線部の内容、理由を説明したり、文章中での下線部の役割を説明することもあります。
2024年度から2023年度までは出題されていなかった漢字問題が出題されています。
記述説明問題の数は減っていません。
文章中で筆者が伝えようとしていることを細かく言語化していき、設問に合わせて言い換えて説明する必要があります。
文章がよくわからないまま記述すると、ただ書いてあることを意味もなくつなぎあわせたような文章になってしまいます。
●論述問題
問題Ⅲでは5つのテーマから1つ選んで500字以上600字以内で論述する問題が出題されます。
*2025年度は350字以上450字以内でした。
*2024年度のテーマは3つでした。
*2022年度まで400字以上600字以内でした。
例えば、2022年度では「人工知能(AI)は「人間」の概念をどう変えるか」といったテーマが出題されています。
3~5つあるので、自分が書きやすいと思ったテーマを選びましょう。
2025年度は文章に関連するテーマから選ぶ問題が出題されています。
段落は3つくらいで考えて論述していきましょう。
書き方は「○○であるかもしれない、しかし…」という書き出しや「○○と言われている、例えば…」という書き出しなど文章全体はこのテーマで書いていきますよということを示すような段落にしていきます。
本論では最初の段落の内容を膨らませていき、最後の段落では哲学者の主張など自分が知っている哲学や概念を具体例として出しながら文章を完結させていきます。
2021年度~2025年度までの過去問を使って、すべてのテーマで書いてみましょう。
その中で自身が書きやすいテーマの性質を書いていき、本番でどういった問題に答えるかをあらかじめ決めておくとスムーズです。
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