青山学院大学 文学部史学科の世界史対策

本記事では青山学院大学 文学部史学科の世界史対策について記載しています。

史学科の試験科目と配点は下記の通りです。

テスト区分教科科目配点
共通テスト外国語英語(リーディング・リスニング)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語のうち1科目100点
国語国語100点
地歴公民・数学・理科日本史B、世界史B、地理B、現代社会、倫理、政治経済、「倫理、政治経済」、「数学ⅠA」、「数学ⅡB」、物理、化学、生物、地学のうち1科目 または物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎のうち2科目100点
独自問題地理歴史日本史B、世界史Bのうち1科目 記述・論述を含む150点

独自問題の世界史の試験時間は90分で、配点は150点です。

目標得点率は75%以上に設定して勉強しましょう。

史学科の情報(個別学部日程)

年度募集人員志願者数受験者数合格者数競争率合格最低点/満点
2023約525865412212.4309/450(69%)
2022約556565701843.1315/450(70%)
2021約555975372132.5314/450(70%)

各項目の傾向と対策

大問は全部で4つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。

・2023年度

ネルーの手紙に書かれたインドの歴史20問(記述)
地中海世界と南北アメリカ大陸14問(選択)
ヨーロッパの協調15問(選択)
A:「典礼問題」と16~18世紀における中国の国際関係
B:冷戦時代における東西陣営の緊張と緩和
1問(論述)

・2022年度

ダマスクス関連史、大運河、16~19世紀におけるインドの港町20問(選択)
20世紀前半の世界11問(選択)
西ヨーロッパの対外進出15問(記述)
A:西晋~南北朝時代の政治・社会
B:1815~1914年のヨーロッパの国際体制
1問(論述)

・2021年度

古代~中世における諸民族の移動と文化や言語の伝播12問(選択)
第二次世界大戦終結直後の欧米15問(選択)
人種と宗教から見たイギリス帝国15問(記述)
A:8~15世紀のイベリア半島の状況
B:16~17世紀のアジアにおけるキリスト教の展開
1問(論述)

問題数は年度を追うごとに増えています。(2021年度:43問 2022年度:47問 2023年度:50問)
空所補充問題、一問一答形式の問題、正誤判定問題、年代整序問題、正誤問題、論述問題が出題されます。
問われることは教科書レベルの標準的なものですが、幅広い上に最後の問題は350字以内で論述する問題が出題されます。
教科書や参考書を幅広く確実に覚えていくことを要求されます。

●問題別の分析
・空所補充問題一問一答形式の問題
文章中の空所に入る語句を選んだり、記述する問題が出題されます。
教科書の学習を中心に一問一答などで語句の知識を補完していきましょう。

・正誤判定問題
適切な文や誤っている文を選ぶ問題です。
実際に2021年度で出題された問題を見てみましょう。
下線部gのユーゴスラヴィアの歴史について述べた文として適切でないものを一つ選び、その番号をマークしなさい。
① サン・ステファノ条約の結果、王国として独立した。
② 第一次世界大戦後、王国として成立した。
③ ナチ・ドイツから自力での解放に成功した。
④ 各民族の独立要求から内戦が起こり、解体した。

正解はです。
ユーゴスラヴィアはサン=ジェルマン条約の結果、独立が認められ、王国が成立しました。

以上のように教科書レベルであっても確実に覚えている必要があります。

・年代整序問題
具体的な年号も重要ですが、流れをおさえておくことが大前提です。
戦争や独立年など年号のみで答えられる問題もありますが、文で出題される問題もあります。

・正誤問題
aとbの2つの文があるので、それらの正誤を答える問題です。
実際に2023年度で出題された問題を見てみましょう。
下線部(h)の事績について述べた次の文aとbの正誤の組み合わせとして正しいものを一つ選び、その番号をマークしなさい。*hはビスマルクです。
a 「文化闘争」を展開し、プロテスタントを抑圧した。
b 社会保険制度を実施して労働者の支持を得ようとした。
① Ⅰ正 Ⅱ正 ② Ⅰ正 Ⅱ誤 ③ Ⅰ誤 Ⅱ正 ④ Ⅰ誤 Ⅱ誤

正解はです。
「文化闘争」は南ドイツのカトリック中央党を抑圧するものでした。

以上のように正誤判定問題と同じく教科書の記述を確実に覚えておく必要があります。

・論述問題
2つのテーマから1つ選び、350字以内で論述する問題です。
私立大学の中でも要求される語数は多い方です。教科書を全分野、全範囲を幅広く確実におさえている必要がありますし、論述対策も欠かせません。
指定の語句がある問題や記すものを決められる問題、史料を利用する問題など多様な問題が出題されます。
まずは問題文を確認して何を書くべきなのかを把握した上で書いていきます。
要求されているテーマを外れて知っていることを羅列していくだけでは点になりませんし、語数も足りなくなります。
何か人物の業績や戦争など具体的なことについて書くのではなく、時代背景や物事の内容、役割など教科書や参考書を読んでいる中で読み取れることを中心に問われます。
教科書の語句や流れをおさえることは重要ですが、もっと大局観をもって歴史を捉えることができると効果的です。