青山学院大学 文学部史学科の日本史対策
本記事では青山学院大学 文学部史学科の日本史対策について記載しています。
史学科の試験科目と配点は下記の通りです。
テスト区分 | 教科 | 科目 | 配点 |
共通テスト | 外国語 | 英語(リーディング・リスニング)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語のうち1科目 | 100点 |
国語 | 国語 | 100点 | |
地歴公民・数学・理科 | 日本史B、世界史B、地理B、現代社会、倫理、政治経済、「倫理、政治経済」、「数学ⅠA」、「数学ⅡB」、物理、化学、生物、地学のうち1科目 または物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎のうち2科目 | 100点 | |
独自問題 | 地理歴史 | 日本史B、世界史Bのうち1科目 記述・論述を含む | 150点 |
独自問題の日本史の試験時間は90分で、配点は150点です。
目標得点率は75%以上に設定して勉強しましょう。
史学科の情報(個別学部日程)
年度 | 募集人員 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 競争率 | 合格最低点/満点 |
2023 | 約52 | 586 | 541 | 221 | 2.4 | 309/450(69%) |
2022 | 約55 | 656 | 570 | 184 | 3.1 | 315/450(70%) |
2021 | 約55 | 597 | 537 | 213 | 2.5 | 314/450(70%) |
各項目の傾向と対策
大問は全部で4つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
・2023年度
Ⅰ | 原始・古代~中世の政治と社会 | 18問(選択と記述) |
Ⅱ | 近世後期の政治と内憂外患 | 14問(選択と記述) |
Ⅲ | 長谷川町子の生涯、近現代のテロ | 14問(選択と記述) |
Ⅳ | 1. 倭国が受容した大陸・半島の文化と渡来人が果たした役割 2. 条約改正 | 1問(論述) |
・2022年度
Ⅰ | 古代日本と東アジアとの関係 | 17問(選択と記述) |
Ⅱ | 中世の経済発展 | 14問(選択と記述) |
Ⅲ | 近世の外交統制、近代の政治・言論統制 | 14問(選択と記述) |
Ⅳ | 1. 旧石器・縄文時代の生活 2. 天保の改革 3. 朝鮮戦争の影響 | 1問(論述) |
・2021年度
Ⅰ | 原始~中世の政治・外交・文化 | 17問(選択と記述) |
Ⅱ | 中世・近世の文化 | 15問(選択) |
Ⅲ | 近世~現代の政治・外交・文化 | 14問(選択と記述) |
Ⅳ | 1. 奈良時代の地方支配のあり方 2. 衆議院議員選挙法の変遷 | 1問(論述) |
問題数は47問です。正誤判定問題、空所補充問題、正誤問題、組合せ問題、年代整序問題、論述問題が出題されます。
最後に必ず350字以内の論述問題が出題されます。論述問題は2~3テーマの中から選ぶことができるので350字以内で書き切れそうなものを選びましょう。
出題範囲は2023年度で現代史まで出題されているので先史時代から現代まで広くおさえる必要があります。
他の問題は他大学、学部の日本史の問題と大きな差はありません。
●問題別の分析
・正誤判定問題
正しい文や誤っている文を選ぶ問題です。
実際に2021年度で出題された問題を見てみましょう。
下線部(c 銅鏡百枚…を賜い)に関連して、弥生時代の青銅器について述べた文として適切でないものを次の選択肢のなかから一つ選び、マークしなさい。
① 銅戈は、九州北部を中心に分布する。
② 後期以降、農具に用いられるようになり、普及していった。
③ 銅鐸には、日常の様子が描かれた絵画が見られるものもある。
④ 加茂岩倉遺跡では、銅鐸がまとまって埋納されていた。
正解は②です。
青銅器は祭器として利用されていました。農具利用は鉄器です。
以上のように問われる知識はほとんど教科書レベルです。
知識をたくさん増やすよりも教科書の内容を理解し、覚える方が効果的です。
・空所補充問題
空所に入る語句を選んだり、記述する問題が出題されます。
教科書をベースとして学習し、一問一答を併用して流れと語句をおさえていきましょう。
・正誤問題
2つの文があり、その正誤を答える問題です。
実際に2022年度で出題された問題を見てみましょう。
下線部(f)に関連する文Ⅰ、Ⅱについて、その正誤の組み合わせとして正しいものを、次の選択肢から一つ選び、マークしなさい。
Ⅰ 安芸の国人領主から戦国大名になった毛利元就は、山陰地方の尼子氏を倒して中国地方を平定した。
Ⅱ 堀越公方を滅ぼした北条早雲は、相模に進出して小田原を拠点とした。
① Ⅰ正 Ⅱ正 ② Ⅰ正 Ⅱ誤 ③ Ⅰ誤 Ⅱ正 ④ Ⅰ誤 Ⅱ誤
正解は①です。
どちらも正解となります。
以上のように求められている知識は教科書レベルですが、確実に覚えている必要があります。
因果関係や流れをおさえながら教科書を読んでいきましょう。
・組合せ問題
ある出来事とそれに関連する人などの組合せを選ぶ問題です。
他の問題と同じように教科書や一問一答をベースとして勉強しましょう。
・年代整序問題
年号を覚えておくだけでなく、歴史的な流れもおさえておきましょう。
縦の流れだけでなく、文化史なども意識しながら横の流れも確認しましょう。
・論述問題
2~3つのテーマから1つ選び、350字以内で論述する問題です。(300字程度のときもあります)
私立大学の中でも要求される語数は多い方です。教科書を全分野、全範囲を幅広く確実におさえている必要がありますし、論述対策も欠かせません。
指定の語句がある問題や記すものを決められる問題、史料を利用する問題など多様な問題が出題されます。
まずは問題文を確認して何を書くべきなのかを把握した上で書いていきます。
要求されているテーマを外れて知っていることを羅列していくだけでは点になりませんし、語数も足りなくなります。
何か人物の業績や戦争など具体的なことについて書くのではなく、時代背景や物事の内容、役割など教科書や参考書を読んでいる中で読み取れることを中心に問われます。
教科書の語句や流れをおさえることは重要ですが、もっと大局観をもって歴史を捉えることができると効果的です。