大学入学共通テスト・英語(筆記)の分析【2022年1月15日実施分】
2022年1月15日に大学入学共通テスト(1日目)が実施されました。
本記事では大学入学共通テストの英語(筆記)を分析しています。
2021年の英語(筆記)と比較しています。
全体について
○出題内容について
2021年度と同様に図、表、イラストなどを用いた問題が多く出題された。
○出題形式について
例年通りすべてマーク式での出題であった。
2021年度と比較して問題数が1問減っていたが、マーク数は1問増えていた。
○難易度について
2021年度と比較して語数が増加していたが、必要な情報だけを読み取って整理しながら回答するという解き方には変わりがないため、総合的に判断して難易度は昨年並みと予想する。
大問1について
配点は10点、問題数は5問で、2021年度と同じであった。
A問題は試行調査、2021年度はスマートフォンでのメッセージのやりとりから出題されていたが、2022年度はフルーツの特徴が4つ並んでおり、その中から設問に合うものを選ぶ問題であった。
B問題は動物園のウェブサイトから設問が指定している情報を探す問題であった。2021年度もウェブサイトから情報を探す問題であった。
長文をすべて読む必要はなく、設問→該当箇所の参照という順番で素早く処理していきます。
大問2について
配点は20点、問題数は10問で、2021年度と同じであった。
A問題は夏期に実施されるプログラムのコースワークをやるために図書館の情報について書いてある資料を見て回答する問題である。イギリスという設定なので一部の英単語や表現がイギリス英語となっているが問題を解く上では支障はない。
2021年度は文化祭でのバンドコンテストの結果から出題されていた。こちらもイギリス英語であった。
B問題はイギリス人の交換留学生が投稿した記事を参照して解く問題であった。
情報の整理と設問で聞かれている要点の把握が必要な問題である。
2021年度はオンラインフォーラムでの意見交換から設問で聞かれていることを探して処理する問題であった。
こちらは2021年度、2022年度ともにイギリス英語であった。
大問3について
配点は15点、問題数は5問で、2021年度と同じであった。
A問題はブログ記事を参照して回答する問題である。状況を適切に言い換えている文を答えればいい。
2021年度はQ&Aが書いてあるウェブサイトを参照して回答する問題であった。
B問題は雑誌のページを参照しながら回答する問題である。
2021年度と同様、起きた出来事を時系列に並べる問題が出題された。2021年度の問題で対策していれば難なく回答できる問題である。
大問4について
配点は16点、問題数は5問で、2021年度と同じであった。
2人のブログ記事を参照しながら回答する問題である。大問1~3よりも正確に情報を整理する必要がある。
簡単な計算問題もあり、見落とすと正解にたどりつくことができない。
2021年度はメールと2つの資料を参照して回答する問題であった。
メモをとって情報を整理して時間をかけすぎないようにする必要がある。
大問5について
配点は15点、問題数は5問で、2021年度と同じであった。
偉大な発明家についてプレゼンテーションを行う準備としてその人物の記事を読むという設定の問題である。
問題は記事の内容を要約したメモを完成させるため、記事中にでてきた年号などをヒントにしながら大問4と同じように整理しながら素早く処理する。
2021年度も同様にプレゼンテーションの準備という設定の問題であり、回答の仕方はほとんど変わっていないため、2021年度の問題を研究している受験生は難なく対応できたはずである。
大問6について
配点は2021年度と同様24点だが、問題数が2021年度は8問に対し、2022年度は7問であった。
A問題はグループ学習で共有したい記事を要約するという設定の問題である。2021年度もほとんど同様の問題であった。
2021年度と形式は同じであるため、研究をおこたらなかった受験生は難なく対応できたはずである。
B問題もA問題と同様プレゼンテーションを前提としており、そこで使用するポスターを読解してまとめる問題である。2021年度は甘味料について学ぶために教科書を読解するという問題であった。
情報量が多いため、最も情報を整理する能力が問われる。
数字や資料などを正確に読み取り、整理すればこれまでの問題と同様、簡単に答えを見つけることができる。
まとめ
試行調査や2021年度で見られた事実と意見を区別する問題はほとんど出題されなかった。
しかし、それ以外はほとんど2021年度から変化は見られず、難しめの文を読解するというよりは標準的な文章に書いてある情報を整理しながら素早く処理していくことが問われている。
2023年度以降に受験する人は、まず文章が読めない、理解できないという状態では土俵にすら立っていないことを意識する必要がある。
読めた上で過去問や模試問題集などを利用して共通テストの回答力を高めていくことが最も効果的である。