慶應義塾大学(法学部)の英語対策

本記事は慶應義塾大学法学部の英語対策について記載しています。

慶應義塾大学法学部の合格最低点は65%前後で推移しています。
*法律学科と政治学科で少しだけ差があり、おおむね政治学科の方が最低点が高いです。

英語、歴史、論述力の試験がありますが、歴史は非常に難しく、論述力については試験本番でとっつきにくい題材が出てしまう可能性があるので、英語でしっかり高得点を取っていくことが合否を決めます。
*英語が簡単ということではなく、配点が一番大きいためです。

慶應義塾大学法学部の英語は80分200点満点です。

各項目の傾向と対策

全体の傾向
大問は全部で4~5問あります。
問題構成は英単語に関する問題、語彙の意味についての問題、会話問題、インタビュー整序問題、長文読解です。文法・語法の正誤問題、アクセント問題なども出題されていましたが、2020年度の試験からなくなっています。復活の可能性もありえますので、一応対策をしておきましょう。
高い語彙力が必要であり、文脈の把握能力も求められています。英語について幅広く知っていればそこまで難しくはないのですが、オーソドックスな受験英語の勉強をしているだけでは手も足も出ない場合があります。

●大問1(英単語に関する問題)
簡単にいってしまうと英単語クイズです。
2020年度は「同じスペルで同じ発音をするが意味が違う単語は何か」といった問いがあり、選択肢が並んでいるという問題、2021年度は言葉のグループがあり、それぞれの語句の最初に共通でつく単語を選ぶといった問題でした。(例えば、look, night, sleep, populationと並んでいたら、すべて最初にoverをつけると意味の通る単語になることを見抜いて、選択肢からoverを選ぶといった形式です)
語彙力があるかないかだけの話で、わからなかったら解けません。

大問2(語句の意味についての問題)
文章中に下線部が引いてあり、その単語の意味を選択肢から選ぶ問題です。
少し前の年度までは英検1級の単語まで覚えていればわかるような語彙が並んでいたのですが、近年は英検1級の単語まで覚えていてもわからない語彙が並んでいます。
文脈で把握していけば意味がわかるようになっていますので、やたら語彙を増やすのではなく、推測できるように過去問演習をやって準備しておきましょう。
また、意味内容から名詞であったり動詞であったりを判断することが出来ます。
早稲田大学の社会科学部でも同じような問題が出ているので良い演習になるかと思います。

大問3(会話問題)
会話文の中に空所があり、下にある選択肢から入る語句や表現を選ぶ問題です。
熟語表現+文脈から入る文を判断、会話表現+前置詞、ことわざ+会話表現、動物名をつかった慣用表現など多種多様な出題がされており、特に2020年度のことわざや2021年度の動物名をつかった慣用表現は知っていないと選ぶことができません。
ことわざや慣用表現を多くつかった参考書や問題集は少なく、対策するためには普段から英語に関する表現に対してアンテナを立てておく必要があります。
受験参考書だけでなく、英会話のテキストや大学レベルのテキストまで興味をもって目を通しておくことをオススメします。

●大問4(インタビュー整序問題)
質問者と回答者それぞれの発言内容がバラバラに並んでいるので、意味の通る内容に並べ替えていく問題です。
文章自体の並べ替えは多くの受験生が苦手としている形式なので、過去問演習を怠らないようにしましょう。
すでに会話の中に出てきた単語にはtheなどがついている場合があるといったヒントをたよりにしながら並べ替えていきましょう。

●大問5(長文読解)
設問は語句の整序問題、内容に関する問題、タイトルを選ぶ問題、下線部の語句の意味を問う問題などです。
使用されている語句のレベルは高く、受験用単語集の中でも最高レベルの単語がのっているものをしっかり覚えておきましょう。
設問自体は読めればすぐに判断がつくような内容ですので、時間に間に合うように素早く解答していきましょう。
文中の整序問題は難関大学でよく出題されますが、構文を見抜けばアウトラインが見えてきます。
文脈も語句整序のヒントにしていきましょう。

全体的に難易度が高く、覚えるべき語句または表現の量や演習量はかなり多くなりますが、得点源にできればグッと合格に近づくのでがんばってインプットとアウトプットをしていきましょう。
受験英語の枠にとらわれずに様々な媒体から様々な表現を身につけていきましょう。