大学入学共通テスト・英語(筆記)の分析【2021年1月30日実施分】

2021年1月30日に大学入学共通テスト第二日程(1日目)が実施されました。

本記事では大学入学共通テスト第二日程の英語(筆記)を分析しています。

センター試験や2021年1月16日に実施された共通テストと比較しています。

全体について

○出題内容について
2021年1月16日に実施された共通テスト(第一日程)と同様、表や資料などを参照して回答する問題が目立った。回答数は第一日程と変わらず47個である。
大問1から6まですべて長文読解なので問題の主旨を素早く正確に理解して解いていかなければ間に合わない。

○出題形式について
全問マーク式。順不同で複数回答を要求する問題もあった。
問題文はすべて英語なので何を聞かれているのかも正確に把握しないといけない。
第一日程のように選択肢が5つあるのに回答が4つなどのミスリードを誘うような問題もなく基礎力があればそれほど難しくない。

○難易度について
素直に文章、表、グラフなどを読み解けば正解にたどりつくことができ、高度な思考を要求するような問題はない。やはり第一日程と同じように時間勝負であり、ちょっとした表現にひっかかっていると時間がなくなる。簡単な四則演算などがあるものの第一日程と比べて多少読みやすくなっており、内容も日常に即しているため理解しやすい。第一日程と同じか多少易化していると予想する。

大問1について

第一日程と同様、Aは携帯のメッセージからの出題。また、Bはフライヤーを参照しながら解く問題が出題された。(配点は10点)

Aは平易な文であり、多少人より勉強している中学生でもわかるような問題なので、ここでの失点は防ぎたい。

Bはフライヤーに書いてある情報を整理しながら解く。日程の計算があるが書いてある通りにそのまま計算すれば回答することができる。

大問2について

大問2はAが使い捨てペットボトルと再利用可能なペットボトルについての表を参照しながら解く問題、Bがイギリスのサマープログラムへの参加案内を見ながら解く問題であった。(配点は20点)

Aについては簡単な四則演算を要求する問題が出題された。
fewer thanやmore thanなどの表現を正確に理解して、表を参照しながら計算すれば回答できる。

また、fact(事実)とopinon(意見)を判断する問題が出題された。
意見にあたるものは”I think”や”I feel”などから始まる文なので注意して読む。

Bはイギリス英語で書かれているが問題を解くに際してはほとんど影響がない。
Bについてもfactとopinionにわける問題が出題されている。

大問3について

大問3はAが遊園地にいったことについて書かれたブログを読んで答える問題、Bが音楽記事に書かれた内容に関する問題が出題された。(配点は15点)

Aは地図を参照しながら解く問題である。
第一日程のようにルートの確認をする必要があるが、第一日程ほどいろいろなことを考える必要がない。素直に書いてあることにしたがって参照すれば簡単に答えられる。

Bは第一日程と同じように出来事が起こった順に並べる問題が出題された。
変にいったりきたりする必要がないので、こちらも素直に文章の流れに沿って簡単なメモをとっていけば簡単に答えることができる。
多少、書かれていることを違う言葉で言いかえているが頭を悩ませるようなものではない。

大問4について

大問4は国土交通省観光庁の統計資料の一部をもとにグラフや表などを読み解く問題が出題された。(16点)

設問自体は難しくないが表を参照しなければいけない時間があるため、問題の主旨を素早く把握できるかどうかが重要である。

第一日程の大問4とは異なる問題である。
*第一日程は時刻表などを参照する問題であった。

大問5について

大問5はアメリカのアマチュア写真家Vivian Maierを題材とした文章からの出題であった。Vivian Maierは現在では死後に花開いた謎多き天才写真家として認識されている。(配点は15点)

文章自体は難しいものではないが、集中力を切らさずに読み通すことができるかがカギである。

時系列に沿って並べ替える問題があるため、文章中に出てくる年号や年代にチェックをつけながら読んでいくとよい。

スマホを使い慣れている人にとっては写真のネガフィルムなどの言葉はとっつきにくいかもしれないが、文章中に書いてあるのでしっかり読み解きたいところ。

大問6について

大問6はAがアメリカのオンライン芸術雑誌の記事から出題され、Bは口腔衛生についてのプレゼンをするために資料を参考にするという前提の問題である。(配点は24点)

A,B両方とも平易な文章なので制限時間内に読み切れるように素早く解く。

Aの多様性への配慮に関しては世界のトレンドであるのでおさえておきたいところ。
問題自体は頭を悩ませるようなものはなく、書いてある通りに考えて取り組めば問題なく解ける。

Bについても日常的な話題なので読みやすかったと感じる。
グラフの問題は文章に書いてある数字を一つ一つ確認して解く。

まとめ

問題の形式は第一日程とほとんど変わらず表やグラフなどを参照しながら解く問題が多めだった。

しかし、第一日程ほど頭を悩ませるような問題やミスリードを誘うような出題がなかったため、第一日程をもとに対策をしていた受験生にとっては簡単に感じたかもしれない。

第一日程組は平易になった第二日程の問題をみて悔しく思うかもしれないが、しょせん私立入試や国立二次の前哨戦にすぎないので勉強を淡々と継続すべきである。

高校1年生、2年生は今年は共通テストが2回行われた年度であるのでしっかり情報収集をして計画を立てるようにすることをオススメする。