2021年度共通テストの平均点まとめ(文系科目)

本記事では2021年1月16日、17日に実施された大学入学共通テストの平均点をまとめています。

2018年に実施された試行調査と2020年に実施されたセンター試験と比較しています。

平均点から見える今年の受験生の動向を考察していきます。

2021年共通テストの平均点まとめ

今回の平均点(得点調整後)は表のようになりました。
*文系教科(数学含む)のみです。
*数学Ⅰ・Aの満点については試行調査の段階では記述が導入されていたため、記述部分を含まない点数が満点となっています。
*倫理、政治・経済の試行調査は実施されませんでした。

共通テストが実施された直後、各予備校、高校教師は「難化しているので平均点が下がる」と予想していましたが、結果的には昨年とほとんど変わらない平均点となりました。
大学入学共通テストについて新聞各紙のコメントをまとめました

表を参照すると、試行調査と比較して平均点が下がっている科目は英語のリスニング地理Bだけです。

共通テストの点がよかったため、強気の出願が増えています。
勝負は二次試験なので気を抜かないようにしましょう。

なぜ難化したといわれているのに平均点が下がらなかったのかを考察していきます。

難しくなると言われていたので対策がしっかりできていた

上述したとおり、「共通テストはセンター試験と違って難しい」と散々言われてきたので、しっかり対策ができていたと推測します。

英語は制限時間内に多くの長文を読解する練習をしておけば対応できますし、国語やその他社会科目については文章を読めさえすれば中学生でも答えられる設問もありました。

求められている知識量も多くなく、もともと読解力がある+最低限の知識があるという状態であれば難なく点をとることができます。

冷静に試行調査や予備校の模試などを利用していればじゅうぶんに対応できたということです。

コロナ禍でじゅうぶんな勉強時間を確保することができた

2020年の3月に緊急事態宣言が出されたときに休校となった学校が多く、そこでじゅうぶんな学習時間を確保できたと推測します。

入試は学校の授業を聞いていれば対応できるというものではありません。

なので、自学自習で受験対策を進めなければならないということもあり、休耕期間中に勉強を大きく前進させることができた受験生が多かったのではないかと思います。

逆に家で孤独に勉強を進めることが苦手な受験生はここで大きく離されてしまったのかもしれません。

形式変更により志願者が減った

センター試験から共通テストに移行されるということで共通テストを利用する入試(国立大学の入試など)の志願者が減っていることも影響しているかと思います。

しっかり問題をみれば基本的な力があればセンター試験とほとんど変わらずに解くことができることがわかるのですが、形式が変わる、難化するなどの一般的な情報だけで弱腰になってしまった受験生はそもそも共通テストを受けていません。

したがって受験者は真剣に国立大学などを目指している人がメインとなります。
つまり対策をしっかり行う層が多くなっている可能性があります。

とはいえ、共通テスト志願者数は前年比96%ですので、そこまで影響は大きくないと思われます。

以上、あくまで推察ですが共通テストの平均点が予想に反して高かったことにはいくつかの理由が挙げられるかと思います。

そもそも簡単な試験だったという可能性もあります。
いろいろな人の言動などに振り回されずに基本的な勉強を続けていくようにしましょう。