「前置詞はイメージで理解せよ!」のワナ
英語の「前置詞」を苦手としている日本人はかなりいます。
前置詞というのはbyとかonとかwithなどのことですね。
きっとこの記事を見ている人も前置詞を苦手としていると思います。
受験においても前置詞を問う問題はかなり多く出題されます。
「前置詞はイメージで理解せよ」という文言をよく見ます。
Amazonで「前置詞 英語」で調べると下の画像のようにイメージで理解してもらう系の参考書が多いです。
たしかに前置詞はイメージでとらえるとわかりやすいのですが、本当にわからない時にイメージから入って大丈夫なのでしょうか?
まったくわからない人はイメージから入ってはいけない
結論からいうと、前置詞についてほとんど理解していない人はイメージから入ってはいけません。
単純な話で、理解していない人がイメージだけ見て使いこなせるわけがないからです。
きっとイメージで理解する系の参考書を書いた人も最初はイメージから入っていないはずです。
なぜこういった参考書が一定の評価を得ているのかというと、英語がある程度できる人同士でオススメし合っているからです。
英語がある程度できる人=前置詞について一通り学んでいる人なので、イメージを見たときに「わかりやすい!」となるわけです。
まったくわかっていない人はイメージだけでは無理です。
では、どうしたらいいでしょうか。
パターンを覚えよう!
なかでも受験生にとっては非常に効果的なのですが、まずは典型的なパターンを覚えてしまえばいいのです。
大学の入試問題は答えがあいまいであってはいけないので、どちらともとれるような前置詞は出題しません。
はっきりとパターンでわかれています。
例えば…
At first no one in class could find an answer, but finally David came up ( ) one.(センター試験)
①for ②on ③to ④with
このような問題は別に前置詞をイメージで理解している必要はありません。
「最初はクラスの誰も答えがわからなかったが、デイビッドがついに答えを[思いついた]」なので「思いつく」という意味の熟語である”come up with”となる④が正解です。
“come up with”という熟語を覚えていれば10秒程度で答えられます。
次は…
My brother is not a full-time teacher; he is paid ( ) the hour.(日本大)
①by ②in ③for ④with
この問題の答えは①のbyが正解です。
byには「~(単位)ごとに」という意味があります。「時間単位で支払われる」ということは「時給」ということです。「私の兄(弟)はフルタイムの先生ではなく時給(で働く先生)です」ということです。
こちらもイメージではなく「~(単位)ごとに」という意味を知っていれば解けます。
以上のように、入試問題の場合はパターンでわかれているので、変にイメージで理解するよりもあらゆる問題の反復練習のほうが効果的です。
英語が好きな人はイメージ理解でもOK
英語が得意で好きな人はイメージ理解系の参考書を読むと記憶が強化されるので前置詞の学習手段として効果的です。
しかし、あくまで一通り反復練習をこなした後に読むべき。
学習初期でイメージ理解系の参考書を読むと逆に理解の妨げとなります。
特に、いろいろな説明をされると一つ一つの問題で考え込んでしまうタイプの人は絶対に手を出さないでください。
英語が得意な人は丸暗記を嫌う傾向にありますが、苦手な人で「もう英語は受験で終わりにしたい」と思っている人はさっさとパターンを丸暗記して受験を突破したほうがいいです。