センター試験(英語)2003年度・本試の解説
本記事はセンター試験(英語)の2003年度 / 本試を解説しているページです。
現在とは形式や文量など違う部分もありますが、レベルは基礎的な内容ですので、昔の問題も基礎を固めるためのいい教材になります。
細々とした解説はセンター試験の過去問に掲載されていますので、本記事ではざっくりと間違えやすいポイントや正答を導き出すためのポイントをまとめました。
センター試験(英語)の2003年度 / 本試は大問が6つあり、筆記は200点満点です。
自分で用意した過去問を片手に確認してみてください。
目次
大問1(アクセント、強勢問題)のポイント
大問1のA問題は第一強勢の位置の問題でした。
1問目の“progress”という単語の発音に注意です。
名詞で「進歩」という意味だと、第一強勢は第1音節になり、動詞で「進歩する」だと第2音節になります。
2問目の“absent”も同様に…
形容詞で「欠席の」という意味だと、第一強勢は第1音節になり、動詞で「欠席させる」だと第2音節になります。
B問題の文強勢の問題は文脈上、どこを強く読むのが自然かということがポイントです。
疑問詞がある場合はわかりやすいのですが、例えば問3のように順序を確認する意味で”then”を使っているのがわからないと解けない問題もあります。(”then”は「それで」という意味)
大問1に関しては『ネクステージ』などの文法問題だけでなく、アクセントの確認もできる問題集をしっかりこなしていれば満点を狙える問題です。
大問2(文法・語法・イディオム・対話問題)のポイント
例年通り空所補充、整序問題でした。
A問題の問2については“There is + S + p.p”は実質、”S + is + p.p”と同じということに気付けるかが問題です。
*p.pは過去分詞形です。(past participle)
つまり、問題の“there was nothing left…”は”nothing was left…”と同じということです。
問6については、妙な深読みをしてしまう人が多そうな問題です。
時制の問題というのは往々にして現在完了や過去完了を聞いてくる場合が多い印象ですが、ここはシンプルに過去形が正解。
問7については、”nothing will be gained”が正解ですが、「何も得ることができないだろう」というのを直訳して”nothing will gain”にしてしまう人が多そうな問題です。
nothingは「得られる側」なので受け身の表現を使うのが適切です。
問10については”seem”のあとの”to be”が省略できることを知らない人は迷ってしまうでしょう。
知っていれば受身表現の”surprised”をすぐに選ぶことができます。
*”surprise”が「驚かせる」という意味になるのは中学レベルの知識です。
B問題の問1は“It was my pleasure”が「どういたしまして」という表現であること知っていれば瞬殺です。
問3は「エジンバラはどんなところですか?」と聞きたいのはわかったけど、どんな表現がいいんだっけ?となってしまいそうな問題。
主語の一般的特徴を問う“What is S like?”が正解になります。
C問題の整序は少し難しい印象を受けました。
問1は“…only to do”が「~したが、ただ~しただけだった」という表現になることを知っていないと解くことができない問題です。
問2は“drive home”という表現に違和感を感じた人が多いと思います。
ちゃんと存在する表現で、「車で家に帰る」という意味になります。
「家に帰る」を英語で表現すると”go home”になりますよね。”go”が”drive”になっているだけです。
問3は“any chance of you…”という表現が適切です。
ofは前置詞なので後にくるのは動名詞”lending”であり、”you”は意味上の主語になるわけです。
大問3(語句の空所補充、英文整序、英文の空所補充)のポイント
語句や英文の空所補充や英文整序の問題は前後の関係をしっかり読み解くことが重要です。
A問題についてですが、単語の意味がわからなかった人には難しく感じたかもしれません。
“26, computers were often a means for the girls, but an end for the boys.”
上記の文にある“means”と”end”の意味はちゃんとわかりましたか?
“means”は「手段」であり、”end”は「目的」です。
なので、答えは言い換えの“in other words”になります。
B問題の英文整序は多くの受験生が苦手としている問題です。
問1ですが、それぞれの選択肢にある最初の“They”、”This”、”These”が指し示す文が前の文章中にあるのかを判断しましょう。
“They”や”These”であれば複数を指していますし、”This”であれば単数です。
ここはCの”These periods, which occur in July”が最初の文になります。
前の文章で”periods of very hot and humid weather”という文があります。
“which occur in July”もヒントになっています。
「とても暑く、ジメジメした気候」といったら夏(7月)ですからね。
残りのA、Bは簡単に選べると思います。
問2については指示語をしっかり追っていくと簡単に答えを導くことができます。
まず、Cが一番最初にくる可能性は0です。
“They disagree…”と書いてありますが、“They”が指す表現は前の文中にありません。
AかBになるのですが、Aの文中に“…these specialists”と書いてあります。
“these”が指し示す表現は前の文にないので、必然的にBが一番最初の文になります。
残りのAとCは簡単に選べると思います。
C問題の英文の空所補充についても多くの受験生が苦手としている問題です。
幸い、C問題については各段落に1文ずつという条件があります。
多くの場合は各段落に1つずつという条件はないですからね。
まず、文章の内容はわかりましたか?
わからなかった人はまず解説の和訳をみて理解をしましょう。
少し難易度が高かったのは「30」だと思います。
“Similarly, air dose not conduct heat as well as water”という文ですが、空気と水の話をしているのは2段落目のみなので、1か2に絞れると思います。
2に入れてしまうと前文で空気と水の話をし始めているのに、いきなり上記の文が入るわけがありませんので、1が正解となります。
ぱっと見、前文で空気と水の話をしていなさそうですが、「部屋の温度が22℃だと快適だけど、水の温度が22℃だと寒く感じる」という趣旨の文が書いてあります。
まさに空気と水の話をしていますので、やはり1を選ぶということになります。
大問4(グラフ読み取り問題)のポイント
大問4のグラフ読み取り問題は必ずメモを取りながら解いていきましょう。
この画像のようにざっくりでいいので、メモを取るようにします。
自分だけが理解してれば何の問題もありません。
大問5(会話文)のポイント
B、Cの内容に一致する図を選ぶ問題ですが、場所を示す表現を理解し、適切な図を選ぶ必要があります。
B問題については”front”や”side”や”near”や”far from”などの表現を知っていて、かつ場所を把握する必要があります。
順番に会話を追っていってありえない図を消去していく方法が一番効率的です。
Cはちゃんと文を最後まで読んでいないと間違えてしまいます。
虫よけスプレーをリュックから探す問題ですが、リスニングでも同じように「ここにある」と指示した場所が会話している人の勘ちがいで間違っているというパターンがあります。
この発話者の勘ちがいまでしっかり読んでいないと、間違った答えを選んでしまうのです。
C問題は大きなリュックにあると思っていたけど、実は小さいほうだったという結末です。
大問6(長文問題)のポイント
大問6は時系列に注意して読んでいきましょう。
エレナのブラジル在住時代のエピソード、日本の小学校で過ごしたときのエピソード、そして日本の中学校で過ごした時のエピソードを整理しないと最後の内容一致問題でごちゃごちゃになります。
そしてエレナがどんな人にいじめられて、誰が何をいって助けてくれたのかや、その人たちとの関係性なども整理しながら読んでいきましょう。
選択肢でそのまま文中にある表現をつかっているものは少なく、言い換えているパターンが多いのでちゃんとわかっていないと解くことができません。
今回、文中に出てきた覚えるべき単語集はこちら
1993年度 / 本試の読解問題に出てきた覚えるべき単語をリストアップしましたので、ぜひご活用ください。
リストにない単語は覚えていて当たり前の単語ですので、リストにない単語で知らないものがある人は要注意ですよ!