受験勉強は「フェア」じゃない理由
「受験勉強は公平。努力すればするだけ結果がしっかり出る!」という言葉をよく聞くと思います。
でもよくみるとしっかり机に向かってまじめに勉強していたり、先生のところに行ってわからないところを質問しているのに全然成績が上がらない人っていますよね。
これは決して努力している人を馬鹿にしているわけではありません。
しっかり努力をしたらした分だけ報われるべきだと思っていますが、事実として受験勉強であっても努力が報われないケースはたくさんあるのでその理由と解決方法を本記事で解説していきたいと思いました。
まず「日本語」を読めてますか?
いきなり挑発的な見出しではありますが、「日本語」をちゃんと読めていないことが意外と多いです。
日本語が読めないというのは現代文が苦手ということではなくて、全教科を通して問題文の意味がわからない、何を問われているのかがわからない状態を指しています。
昔から問題文を読めない人はいたと思いますが、最近ようやくその存在に気付いたようで一部「問題を正しく読むための問題集」も発売されているようです。
問題文の意味がわからないといくら勉強をしても、いっこうに問題を満足に解くことができません。
条件反射的に回答できるのはせいぜい高校入試までで、大学入試になるとしっかり問題文を理解していないと解けない問題ばかりです。
日本語が読めないと、さらに深刻なのは勉強法について書かれた本も読むことができません。
せっかく自分の成績をあげようと勉強法に関する本を買っても、何が書かれているのかわからないし、もちろんどうやって自分の普段の勉強に組み込むかもわかりません。
僕は過去に何冊か勉強法に関する書籍を読んできましたが、日本語が読めない人むけの本はありませんでした。
今ではYouTubeなどの動画サイトがあるので直感的に勉強法を理解する手立てがあります。
日本語が苦手な人はひとまずYouTubeの検索で「受験 勉強法」などと入力すればわかりやすい動画がたくさん出てきます。
信じられない人も多いと思いますが、事実として日本語が苦手な人はけっこう多いです。
まずは問題文が何を聞きたいのかを理解する練習を
問題文は基本的にわかりやすいように論理的に書かれていることが多いのですが、一定数その「論理性」を読み取ることが苦手な人がいます。
論理性が苦手というのは会話をしていても「ヤバい」「なんか」「なんとなく」「そんな感じがする」など曖昧な言葉がたくさん出てくるタイプの人です。
その感覚的な人たちもたくさんの特技を持っていたり、感覚的だからこそできることはたくさんあるので、僕は否定的な意見をいっさい持っていないのですが、いかんせん受験には不向きなので変えていかなければいけません。
ちょっと面倒かもしれませんが、まずは問題文の意味を理解するための練習を積んでいきましょう。
練習方法はきちんとした言葉や図にすることです。
例えば下記の問題をみてください。
ボールペンと消しゴムの値段は合わせて110円。
ボールペンは消しゴムより100円高い。
では、消しゴムの値段は?
この問題をみて直感的に答えてしまう人は「10円!」と言います。
しかし、よく考えてみると、消しゴムが10円だとすると100円高いボールペンは110円になり、あわせると120円になってしまいます。
消しゴムの値段をXだとすると
X+(X+100)=110
2X=10
X=5
上記の式から消しゴムの値段は5円であることがわかります。
よく考えたら簡単ですけど、問題を整理するというプロセスを面倒がってしまうのはNGです。
とにかく問題をみたら何を聞いているのかを確認しましょう。
この次は「情報格差」が勝敗が決めます
「日本語を正しく読み取ることができる人」になったからといって受験でうまくいくわけではありません。
この次のステップは正しい情報をどれだけ集めることができるかということです。
受験に関する情報は、勉強法や志望大学の合格最低点、志望大学の問題など多岐にわたります。
自分で正しい情報を集めて、それに沿った形で受験勉強を進められる人とそうでない人の間には大きな差が出てきます。
僕は塾講師として何人もの受験生をみてきましたが、正しい情報を自分で集めて攻略していくという人はほとんどいませんでした。(そういうゾーンがメインターゲットの塾だったのかもしれませんが)
受験に関する情報はネットにも本にもたくさんあるので情報を集められないわけがないんですけど、やらない人が多いということです。
志望大学に合格した先輩や受験に強い先生の話など情報源となるところはたくさん存在しますので、ありったけの情報を集めましょう。
最終ステップは「計画をその通り実行する能力」です
このステップが最大の難関。
自分で集めた情報をもとに計画をたてて、その通り実行するというステップです。
この段階はけっこう自制心がないとできないです。
僕自身も現役のときはこのステップをやることができずに全落ちしてしまいました。
逆にこのステップさえこなせば合格する可能性がかなり高まります。
難関大学に合格する人は最後まで自分で決めたことをやりぬく能力が非常に高いです。
「日本語がわからないゾーン」にいる人にとってはかなり高い壁ですが、一つずつ階段を上がっていけばたどり着くことができますので継続的にがんばっていきましょう。
まとめ
受験勉強がフェアじゃない理由は受験生によって属している層が違うから。
1.日本語が理解できない層
2.自分で情報収集できない層
3.情報収集して計画立てるけど実行できない層
4.計画を立てれるし実行できる層
スタート時点ではまったくフェアではない受験ですが、自身の努力次第で4に近づくことができます。
あまり一喜一憂せずに冷静に受験勉強を進めていきましょう。