京都大学(前期日程)の化学対策

本記事では京都大学(前期日程)の化学対策について記載してます。
化学の試験時間は教育学部が90分で、他学部が2科目で180分です。
配点はこちらをご参照ください。
目標得点率は65以上に設定して勉強していきましょう。
京都大学の入試情報
京都大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で4つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| 1 | ・環境水や排水中の汚濁物質の定量、除法、酸化還元、溶解度積、金属イオンの分離 設問×7 | ・Tiの結晶構造、水素の吸着、気体の状態方程式 設問×6 | ・黒鉛の結晶構造とグラフェン、溶鉱炉内の化学平衡 設問×6 |
| 2 | ・ラウールの法則、Na2CO3を主成分とする水溶液の二段階中和滴定 設問×7 | ・ヘンリーの法則、吸収速度、電離平衡 設問×6 | ・混合用液の蒸気圧とラウールの法則 設問×5 |
| 3 | ・シクロアルカン、ラクトン、芳香族化合物、PET 設問×7 | ・脂肪族化合物の構造式決定、アルケンの臭素化と立体的構造の違い 設問×7 | ・ベンゼン環やピリジン環をもつ化合物 設問×4 |
| 4 | ・アミロースとアミロペクチン、シクロデキストリン 設問×7 | ・環状ペプチド、アミノ酸配列 設問×7 | ・アミノ酸とペプチドの構造 設問×5 |
長い“リード文(問題文や条件説明)”をまずしっかり読み、そこから知識を応用して考えを組み立てる力が強く問われる点です。基礎的な小問も混ざっていますが、後半には応用や複合分野を絡めた難問が待っていることが多く、単なる暗記や公式の丸当てでは太刀打ちできません。
また、出題される分野は非常に広く、「理論・無機・有機・高分子/天然物」のすべてをまんべんなくカバーする必要があります。特に有機化学と高分子(または天然物化学)は毎年のように出題され、合否を分ける鍵となることが多いです。
●対策
まず、教科書レベルの基礎知識と公式・反応式・構造の暗記は必須です。
理論化学のモル計算、気体・溶液の性質、化学平衡、酸・塩基、熱化学、有機化学の官能基・反応機構・構造、有機高分子や天然物の性質など、幅広く、かつ確実に使えるようにしておくことが出発点です。
特に化学平衡や無機理論・有機の基礎は“安定得点源”になります。
次に、「読解力+応用力」を鍛える練習を繰り返すことが重要です。
長い条件説明、複数段階の設問、描図・グラフ・構造決定など多様な形式が毎年出題されるため、まず設問文を丁寧に読み込み、条件を整理 → 適切な知識を選ぶ → 必要なら途中式・根拠付きで解答、という一連の流れを体に覚えさせることが求められます。
並行して、過去問演習を中心に据えることをおすすめします。
過去問を解くことで、京都大学ならではの出題の“クセ”や“誘導の仕方”、設問構成、ありがちな論点・ミスしやすいポイントなどが見えてきます。
特に応用・融合問題に対応できるかどうかは過去問でしか測れないので、複数年分(できれば直近+過去10年程度)を繰り返し解き、弱点分野を洗い出して補強するのが近道です。
時間配分と答案設計の練習も欠かせません。
化学を含む理科は複数科目受験になることが多いため、1科目あたりの制限時間は短めです。
大問4題を90分前後で解く想定なので、1問20〜25分で読み → 計算/記述 → 見直しをするペース感を過去問で身につけるとよいでしょう。
特に、後半の応用問題に時間を残すよう、易しい設問から確実に点をとる戦略が有効です。
また、高分子化合物や有機化学の構造決定・性質・反応といった“ややクセのある分野”を軽視せず、むしろ重点的に学習することをおすすめします。
これらは設問で頻出であり、知識の差や演習量の差がそのまま得点差につながりやすいためです。
最後に、答案の記述力・論理力を鍛えることも重要です。
化学反応の過程、理由、条件の整理、数値の扱い、単位、グラフの描き方など、これらを正確かつ論理的に書く練習を普段からしておくことで、得点の安定性が格段に上がります。
見直しやケアレスミス防止の習慣も忘れずに。
まとめると、京都大学の化学は「広く、深く、考える化学」を求められる非常に挑戦的な科目です。
だからこそ、基礎の徹底、有機・無機・理論すべての分野をカバー、読解と応用の力、答案構成力、時間管理――これらをバランスよく鍛えることが合格の鍵だと思います。
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