大阪大学(前期日程)の理系数学対策

本記事では大阪大学(前期日程)の理系数学対策について記載しています。
理系数学の試験時間は150分で、配点はこちらをご参照ください。
目標得点率は65%以上に設定して勉強していきましょう。
大阪大学の入試情報
大阪大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で5つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| 1 | ・平面ベクトルと図形(配点率20%) 設問×3 | ・関数の極限(配点率20%) 設問×3 | ・定積分と不等式、数列の極限(配点率20%) 設問×2 |
| 2 | ・関数の増減と極値、曲線の凹凸・変曲点(配点率20%) 設問×2 | ・複素数平面(配点率20%) 設問×2 | ・平面ベクトルと図形(配点率20%) 設問×2 |
| 3 | ・空間ベクトルと図形、最大値・最小値(配点率20%) 設問×1 | ・空間ベクトルと図形(配点率20%) 設問×1 | ・微分法の方程式への応用、接線と法線(配点率20%) 設問×1 |
| 4 | ・定積分で表わされた関数、定積分と不等式(配点率20%) 設問×3 | ・体積(配点率20%) 設問×2 | ・空間ベクトルと図形、2次曲線と直線(配点率20%) 設問×2 |
| 5 | ・確率と漸化式(配点率20%) 設問×2 | ・約数と倍数、素因数分解(配点率20%) 設問×2 | ・除法の性質と整数の分類、漸化式(配点率20%) 設問×2 |
近年の出題分野を見ると、特に「数学Ⅲ」の範囲(微分・積分、極限、数列の極限など)の比重が高く、5問中2〜3問が数Ⅲをテーマとするという年度も多くあります。
その他では、確率・場合の数、整数・数論、ベクトル/空間ベクトル、複素数平面、図形と方程式、関数の極限や定積分・面積/体積計算といった分野が頻出です。
特徴として、多くの問題が単一単元ではなく複数分野の融合問題である点が挙げられます。例えば複素数平面と図形・ベクトル、微積分と極限、数列と確率などが組み合わさり、単なる「公式の使い回し」ではなく、応用力・柔軟性・発想力が試されます。
さらに、問題は易しめのものからかなり手ごたえのあるものまでバラつきがあり、なかには「捨て問」と言えるような高難度のものも混じることがあります。
●対策
まず、数学ⅠA・ⅡB・Ⅲ Cを含む高校数学全範囲の基礎力をしっかり固めることが前提です。
微積分、数列、ベクトル、複素数、関数、場合の数など、頻出分野の公式・定義・基本的な問題解法を確実にこなせるようにしておきます。
特に数Ⅲを中心とした分野については「なぜその公式が成り立つか」まで理解しておくことが重要です。
次に、融合問題・応用問題の演習を徹底します。
教科書レベルの典型問題だけでなく、複数単元をまたぐ構成の問題や、論証を伴う問題に挑戦し、「どの知識をどう使うか」を自分で判断できる力を養うことが求められます。
例えば、複素数平面と幾何、極限と積分、確率と数列など、異なる単元の絡みを含む問題に慣れておくと、本番でも対応しやすくなります。
さらに、答案作成力と記述力の訓練も必要です。
すべて記述式であるため、途中式や論理の流れ、根拠の明示などを丁寧に書く習慣をつけておくことで減点を防ぎやすくなります。
特に証明問題や論理的思考を問う問題では、「なぜこの式を立てるか」「どこからこの結論が出るか」を明確に説明できるように答案練習を積むことが効果的です。
時間配分に慣れておくことも重要です。
5問・150分という構成のため、すべての問題を丁寧に解こうとすると時間が足りない場合があります。
過去問や模試を使って制限時間付きで演習し、「どの問題を優先するか」「どれだけ時間を使うか」を体に覚え込ませておくのが望ましいです。
特に、複数問題を俯瞰して「取れる問題から始める」「手がかかるものは後回しにする」といった戦略力が合否を分けやすいです。
また、部分点を狙う戦略も大切です。
高難度の問題が混じるため、完答できない可能性もあります。
その場合でも、途中の計算や論理、部分的な回答を書いておけば、部分点をもらえる場合があります。解答の途中式や理由付けを省略せず、可能な限り書き残す習慣をつけることで、得点の幅を広げられます。
最後に、過去問分析と出題傾向の把握をおろそかにせず、直近数年の入試問題を複数年分解くことを強くおすすめします。
どの単元がよく出るか、どの形式の問題に苦手があるか、自分の弱点がどこかを明確にし、それに応じた学習計画を立てることで、効率よく力を伸ばすことができます。
大阪大学の理系数学は、広い範囲と高い応用力・思考力を求められる「総合力」が試される科目です。
基礎の徹底、応用問題演習、答案作成力、時間管理、戦略をバランスよく鍛えることで、合格に必要な得点力を着実に伸ばすことができると思います。
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