京都大学(前期日程)の物理対策

本記事では京都大学(前期日程)の物理対策について記載してます。
物理の試験時間は教育学部が90分で、他学部が2科目で180分です。
配点はこちらをご参照ください。
目標得点率は65以上に設定して勉強していきましょう。
京都大学の入試情報
京都大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で3つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| 1 | ・円運動、重心運動 空所×16 設問×1 | ・ばね付き振り子の運動 空所×14 設問×2 | ・万有引力とケプラーの法則 空所×14 設問×2 |
| 2 | ・自己誘導、ソレノイドに働く力 空所×13 設問×3 | ・荷電粒子の運動 空所×13 設問×3 | ・ガウスの法則、電場と電位、光電効果 空所×11 設問×2 |
| 3 | ・理想気体と理想気体とは異なる気体の状態変化 空所×14 設問×2 | ・光ファイバー 空所×13 設問×1 | ・偏光 空所×12 設問×2 |
試験の問題構成は大問3題が基本となっており、第1問に「力学」、第2問に「電磁気」、第3問に「熱力学/波動/原子」のいずれか、あるいはそれらを組み合わせた出題が安定して見られます。
各大問は、長文の誘導 (条件設定・図やグラフ・文章説明付き) のあと、数問の穴埋め (知識・公式当てはめ) と、1〜2問の記述問題 (途中式や理由説明) で構成されることが多いようです。
このため、単純な公式の暗記だけではなく、条件を読み取る読解力、物理法則への応用力、そして式の導出や論理構成を正しく書く記述力が強く問われます。
過去の入試分析によれば、力学と電磁気は確実に出るので、ここを安定させることがまず前提です。
一方で、第3問は波動や熱力学が比較的多く、まれに原子分野 (量子・放射線など) が出ることもあるため、熱・波動・原子のどの分野にも対応できる準備が必要があります。
●対策
まずは教科書レベルの基礎を徹底することが出発点です。
力学―運動方程式、エネルギー保存、運動量保存、連成運動、波動、振動など、電磁気―静電気・静磁気、電磁誘導、回路、磁場・電場、熱力学―気体の状態変化、熱量保存/仕事、波動・光、さらに原子・量子の基礎 (最低限の知識) まで、広く体系的に復習します。
これにより、どの分野が出ても基本事項を土台として扱えるようになります。
次に、過去問や演習問題を通じて「長い問題文 → 条件整理 → 公式選択 → 計算 → 結論 → 必要なら考察/記述」という一連の流れに慣れる練習を繰り返します。
特に記述問題では、途中式・単位・論理の一貫性が重視されるため、読みやすく書く習慣をつけることが重要です。
時間配分の感覚を身につけるのも大切です。
物理単独ではなく、他の理科科目とセットで90〜150分の枠で解くことが多いため、物理でどれだけ時間を使えるかを想定して、本番形式で過去問演習を行うとよいと思います。
序盤の穴埋め (基本〜標準問題) を素早く処理し、難問・論述は時間を残して取り組むような戦略が有効です。
また、苦手分野をつくらず、波動・熱力学・原子/量子なども含めて幅広く手を入れておくことをおすすめします。
とくに波動・熱力学は比較的頻出なので、安定した得点源にできるよう、応用問題にも慣れておくと安心です。
さらに、過去問演習を通じて「出題形式」「誘導のされ方」「よく使われる公式・考え方」「ミスしやすいポイント」「自分の弱点」を分析し、ノートまたはチェック表を作ると良いです。
京都大学の物理では、同じような誘導が再利用されることもあり、パターンを知っておくことで初見でも迷いにくくなります。
最後に、問題文を丁寧に読む訓練を習慣化することが合格への鍵だと思います。
文章が長く、条件設定や図・グラフ・設定が複雑な問題が多いため、焦らず、まずは「何を求められているか」「どんな条件か」を整理してから解き始めることで、ケアレスミスや勘違いを減らせます。
京都大学の物理は、「基礎力」「読解力」「論理構成力」「計算力」「時間配分力」のすべてをバランスよく要求される総合力の科目です。
暗記や公式任せではなく、物理現象を自分で考え、論理的に整理し、表現できる力を養うことで、合格に近づけると思います。
旧帝大対策のまとめはこちら!↓
