神戸大学(前期日程)の化学対策

本記事では神戸大学(前期日程)の化学対策について記載しています。
化学の試験時間は医学部保健学科が60分で、その他学部は2科目で120分です。配点は下記の表を参照してください。
| 学部 | 配点 |
| システム情報 | 250 |
| 医(医療創成工(理数型)) | 240 |
| 国際人間科(環境共生(理科系受験)) | 220 |
| 工(建築・市民工・電気電子工・機械工・応用化学)、海洋政策科(理系科目重視型) | 200 |
| 国際人間科(発達コミュニティ・子ども教育)、医(医、医療創生工(総合型)) | 160 |
| 理(数学・物理・化・生物・惑星)、農 | 150 |
| 医(保健(看護・検査技術科学・理学療法学・作業療法学)) | 100 |
目標得点率は65%以上に設定して勉強していきましょう。
神戸大学の入試情報
神戸大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で4つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| 1 | ・状態図、混合気体、飽和蒸気圧 設問×4 | ・化学平衡 設問×4 | ・電気分解 設問×5 |
| 2 | ・無極性分子と極性分子、ヘンリーの法則、電離平衡、アンモニアソーダ法 設問×4 | ・アルカリ金属、熱化学、ソルベー法 設問×7 | ・陽イオンの系統分離、溶解度積、AgClの結晶構造 設問×8 |
| 3 | ・分子式C5H6O4の化合物の構造決定 設問×5 | ・芳香族エステルの構造決定 設問×7 | ・環状エステルの誘導体の構造決定 設問×7 |
| 4 | ・天然高分子、合成高分子、ポリ乳酸の生分解反応 設問×6 | ・アミノ酸の性質と分離 設問×4 | ・デンプンとセルロース 設問×5 |
基礎理解を重視しながらも、資料の読み取りや条件の分析を求める良問が多い試験です。
全体として標準〜やや難レベルで、奇抜な問題は出ませんが、問題文が長めで、与えられた情報を整理しながら解く力が必要になります。
理論・無機・有機のバランスが良く、幅広い分野で基礎を確実に身につけているかが得点の鍵になります。
●対策
理論化学では、化学平衡、酸塩基、電池・電気分解、熱化学、溶液の性質などが頻出です。
特に神戸大学は、式を立てて考察する力を重視しており、平衡定数、溶解度積、pH計算などを正確に扱えるかどうかで差がつきます。
計算量は極端に多くありませんが、設定を読み取り、状況を式に落とし込む過程が丁寧にできているかが問われます。
数値処理だけでなく、結果の意味を言語化し考察する力も必要です。
無機化学では、典型的な反応や性質を確実に理解しているかが重視されます。
沈殿の生成条件、気体の発生反応、酸化還元の関係、錯イオンの安定性など、教科書レベルの知識を正確に使いこなす力が問われます。
また、神戸大学では資料やグラフを用いた設問が出ることがあり、データから反応の特徴を読み取る能力が求められます。
暗記に偏りすぎず、原理を理解したうえで判断する姿勢が重要です。
有機化学では、構造決定と反応経路の理解が中心になります。
分子式、反応の結果、官能基の性質を総合して推論できる力が必要であり、典型的な反応機構を理解していると対応が容易になります。
また、異性体の確認や官能基の挙動など、教科書の基本事項が確実に得点につながるため、基礎の漏れをなくすことが重要です。
全体の特徴として、神戸大学の化学は文章量が多い傾向があり、問題文の条件を丁寧に読み解く読解力が大きく影響します。
与えられた情報の意味を正しくつかみ、数式化できるかどうかが合否を左右することが多いです。
また、部分点が入りやすい採点形式であるため、途中式や根拠を省略せずに書くことが安定した得点につながります。
対策としては、まず基礎事項を徹底的に固めることが不可欠です。
セミナー化学や基礎問題精講などの標準問題集を活用し、知識の抜けや理解不足を減らしていきます。
特に理論分野は式の意味を理解しながら解くことで、神戸大学特有の考察問題にも対応しやすくなります。
そのうえで、重要問題集レベルの応用問題に取り組み、資料読解や総合的な思考力を伸ばすことが有効です。
また、過去問演習は必須であり、文章量、情報整理、誘導の意図に慣れるために大きく役立ちます。
初めは丁寧に読み込み、二回目以降は時間配分も含めて対策します。
総合すると、神戸大学の化学は、基礎理解、資料読解、計算処理、考察力の四つをバランスよく試す試験です。
基礎固めと標準問題の演習を積み重ね、過去問で形式に慣れることで、安定して合格点を取る実力が身につきます。
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