名古屋大学(前期日程)の日本史対策

本記事では名古屋大学の前期日程の日本史対策について記載しています。
日本史の試験時間は90分で、配点はこちらをご参照ください。
目標得点率は70%以上に設定して勉強していきましょう。
名古屋大学の入試情報
名古屋大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で5つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| 1 | ・中国の近代化と義和団事件 350字以内の論述問題 | ・古代、中世の軍事 1. 記述説明問題 2. 記述説明問題 3. 記述説明問題 4. 記述説明問題 5. 下線部に関する問題 6. 記述説明問題 | ・古代における租稲の収取 1. 記述説明問題 2. 記述説明問題 3. 記述説明問題 4. 記述説明問題 5. 記述説明問題 |
| 2 | ・古代の対外交流(史料問題) 1. 論述問題 2. 論述問題 3. 論述問題 | ・中世の貿易、経済、文化 1. 下線部の記述を修正する 2. 論述問題 3. 下線部に関する問題 4. 記述説明問題 5. 史料から読み取れること | ・中世~近世初頭の法と制度 1. 誰の花押か、推測問題 2-1. 記述説明問題 2-2. 記述説明問題 3-1. 法に関する記述問題 3-2. 意見論述 |
| 3 | ・中世の東北、北陸、関東地方(史料問題) 1. 下線部に関する考察問題 2. 史料に関する推測問題 3. 空所補充問題 4. 空所補充問題 | ・近世大名の軍役 1. 記述説明問題 2. 記述説明問題 3. 記述説明問題 4. 推測問題 5-1. 一問一答問題 5-2. 論述問題 | ・近世の対外関係 1. 空所補充問題×4 2. 推測問題 3. 意見論述 4. 省略 5. 推測問題 6. 記述説明問題 |
| 4 | ・近世、近代の蝦夷地とアイヌ 1. 下線部に関する問題 2. 記述説明問題 3. 記述説明問題 4. 記述説明問題 5. 下線部に関する問題 | ・近現代の教育(史料問題) 1. 記述説明問題 2. 記述説明問題 3. 記述説明問題 4. 記述説明問題 5. 記述説明問題 6. 省略 | ・近現代の外交、経済 1. 空所補充問題×5 2. 記述説明問題 3. 論述問題 4. 空所補充問題 |
| 5 | ・近現代の女性運動(史料問題) 1. 空所補充問題×3 2. 論述問題 3. 論述問題 |
2025年度の大問1で350字以内の論述問題が出題されています。
出題形式としては、用語記述・短文記述・論述・史料読解などが混在しており、とくに論述問題の比重が高いのが特徴です。
出題される時代は古代から近現代まで幅広く、特定の時代に偏ることは少なく、通史の理解が前提となります。
ただし、特に古代〜中世あたりからの史料読解や制度・社会構造についての設問が頻出する傾向も見られ、古代〜中世の内容をしっかり押さえておくことが重要とされています。
また、史料を読み取って、それに即して説明・論述するタイプ 、 いわゆる「史料問題」が定期的に出題されており、単なる年号や人物の暗記だけではなく、史料の意味を読み取って論理的に考える力が求められます
問題の難易度としては、全体としては「教科書レベル〜標準+やや応用」の範囲が中心ですが、史料読解や論述の設問では「知識に加えて思考力と表現力」が問われるため、対策を怠ると安定した得点は難しいという評価が多いです。
●対策
まず、教科書を基盤とした通史の総復習を徹底して行うことが不可欠です。
古代〜中世〜近世〜近現代まで、人物や事件だけでなく「なぜ起こったのか」「前後の流れ」「影響・連鎖関係」まで含めて理解しておくことで、用語記述はもちろん論述にも対応しやすくなります。
次に、史料読解の練習を重ねることが重要です。
過去問で出題されたような律令制の官職制度の文書や、制度変更・社会構造に関する史料などを読み、「この史料が何を語っているか」「当時の社会はどうなっていたか」を自分の言葉で論理的に説明できるように訓練しましょう。
短時間で史料を読んで要点を整理して書く力が本番での強みになります。
論述対策としては、「結論 → 根拠 → 補足説明(背景・影響)」という構造を意識して、コンパクトかつ論理的な答案を日ごろから書き慣れておくとよいです。
また、論述問題が多いため、複数年分の過去問演習を通じて、自分の文章構成のクセを知り、改善しておくことが有効です。
さらに、時間配分の練習も欠かせません。
90分で大問3〜4題を解く形式では、知識問題・史料問題・論述問題への配分バランスが重要です。
過去問を時間を測って通しで解き、どの設問にどれくらい時間を使うか、自分なりのペース配分を確立しておきましょう。
最後に、用語と基礎知識の暗記だけで満足せず、背景知識や因果関係、制度・社会構造の理解まで深めることを意識してください。
名古屋大学では、単なる暗記では得点しきれず、「理解→整理→表現」ができるかが試されます。
通史をただなぞるのではなく、背景や影響、変遷などもあわせて学習することで、論述でも安定した得点を獲得しやすくなります。
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