東北大学(前期日程)の化学対策

本記事では東北大学の前期日程の化学対策について記載しています。
化学の試験時間は2科目で150分です。配点はこちらをご参照ください。
目標得点率は65%以上に設定して勉強していきましょう。
東北大学の入試情報
東北大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で3つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| 1 | ・分子間力、電離定数、個体の溶解度、コロイド、結晶構造 設問×11 | ・水酸化ナトリウムの製造、乳酸の中和滴定、塩の加水分解、電離平衡 設問×9 | ・物質の三態、状態図、凝固点降下、個体の溶解度と水和物の析出、浸透圧 設問×7 |
| 2 | ・ケイ素、アルミニウム、鉄、クロム、マンガンとその化合物、反応エンタルピー 設問×8 | ・分子間力、酸化還元、結晶構造、両性元素、鉄イオンの反応、溶解度積 設問×11 | ・酸・塩基、オキソ酸、イオン化傾向、金属の反応、塩の加水分解、ダニエル電池 設問×9 |
| 3 | ・有機化合物の構造決定、合成高分子化合物 設問×12 | ・有機化合物の構造決定、合成高分子化合物 設問×12 | ・脂肪族化合物の反応、合成高分子化合物、構造決定 設問×11 |
大問1が理論化学、大問2が無機化学、大問3が有機化学という構成が最も一般的で、出題分野がバランスよくカバーされる形式が安定しています。
試験時間は、理科2科目受験で合計150分。化学に割ける時間はおよそ75分という設定が多く、時間配分を意識した対策が重要です。
問題文はやや長めで、大問1題あたり小問が10問ほどという構造が多いため、「読み→整理→解答」という流れに慣れておく必要があります。
設問形式は多様で、計算問題、選択式、空所補充、記述、論述などが混在しています。特に論述や考察、構造決定といった形式が年によって出題されるため、単なる知識の暗記ではなく、理解と応用力、論理的思考力が求められます。
また、理論、無機、有機すべての領域から満遍なく出題される傾向があり、とくに理論化学(化学反応の量的計算、化学平衡、気体・結晶格子、熱化学、酸化還元など)と、有機化学の構造決定・性質・反応に関する問題が頻出です。
無機化学では、理論との融合問題が出ることも多く、単に無機の知識だけでなく理論的背景まで理解しておく必要があります。
●対策
まずは教科書レベルの基礎知識と基本公式の完全理解です。
理論・無機・有機の分野をまんべんなく、定義や反応、計算の手順を「ただ覚える」のではなく「なぜそうなるか」を意識しながら整理しておきます。
特に理論化学(化学反応と量的関係、化学平衡、熱化学、気体・結晶構造など)は頻出かつ計算や理論の土台になるため、典型問題を繰り返し解いて公式の使いどころや変形の方法、数値の扱いに慣れておくことが大切です。
次に、有機化学の構造決定問題や反応・性質の問題にしっかり取り組むことが重要です。
特に官能基の性質、異性体、生成物の予測、構造式の書き分けなどは、東北大でよく問われるポイントですので、複数パターンを練習し、反応の流れと条件把握、論理的な構成を身につけておきます。
無機化学は理論とセットで対策するのが有効です。
たとえばイオン反応や電池、酸・塩基、pH、電気分解、結晶構造などは理論的な理解を基礎に問題が展開されることが多いため、単元を分断して学ぶのではなく、理論と実践をリンクさせて覚える習慣をつけるとよいでしょう。
答案の書き方にも意識を向けましょう。
東北大では計算過程の記述や論理展開の説明、小問ごとの理由付けが求められることが多いため、解答を書き慣れておくことが合格ラインへの鍵です。
特に論述形式や考察問題では、「なぜその答えになるか」「どの理論を根拠にするか」を明記できる練習を積んでおきます。
時間配分の訓練も必須です。
本番と同じ形式(75分想定)で大問3題を通しで解く演習を繰り返し、「読む・整理する・計算する・記述する」という一連の流れをスムーズにこなせるように体に覚えさせましょう。
最後に、過去問演習と出題パターンの分析を徹底してください。
東北大の過去問を少なくとも5〜10年分解き、どの分野・どの形式がよく出るか、どこで時間がかかりやすいか、自分が間違いやすい分野はどこかを把握し、弱点補強と学習効率の改善に役立てることが合格への近道です。
過去問をまとめた参考書も市販されており、効率よく取り組めるので活用の価値があります。
旧帝大対策のまとめはこちらです!↓

