筑波大学(前期日程)の生物対策

本記事では筑波大学(前期日程)の生物対策について記載しています。

筑波大学の生物は学群・学類によって配点や試験時間が異なります。

学群配点
社会・国際(国際総合)800
総合選抜(理系Ⅰ・Ⅱ)、理工(数・物理・工学システム・化・応用理工)、情報(情報科)500
総合選抜(理系Ⅲ)400
生命環境(生物)、医(医)300
人間(教育・心理・障害)265
生命環境(地球)、医(看護・医療科)200
生命環境(生物資源)150


試験時間は社会・国際・人間・医(看護)は60分、他は2科目で120分です。

筑波大学の入試情報

筑波大学の公式サイトをご参照ください。

各項目の傾向と対策

大問は全部で4つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。

2025年度2024年度2023年度
・ウニの発生、遺伝子発現の調節
設問×5
・個体群の相互関係、種間競争によるフィンチの進化
設問×3
・体液濃度の調節、腎臓のはたらき
設問×5
・タンパク質の構造
設問×4
・細胞内共生、光合成、核と葉緑体での遺伝子の移動
設問×3
・酵素反応のグラフ、遺伝の計算
設問×2
・二名法、ハエトリソウの接触傾性
設問×5
・植物ホルモン、花芽形成と遺伝子発現
設問×4
・生体膜の構造と光合成
設問×5
・個体群
設問×5
・触覚と痛覚の伝達
設問×5
・海洋生態系
設問×3

単純な暗記だけでは対応できず、生物現象を仕組みや因果関係から理解し、資料を根拠に考察できる力が求められる試験です。
難問奇問が出るわけではありませんが、標準〜やや難レベルの良問が多く、文章量や資料量が多い年度もあるため、じっくり読み取る力と論理的にまとめる力が得点の差につながります。
分野の偏りは大きくなく、細胞、遺伝、代謝、植物、動物、進化、生態などがバランスよく出題されます。

●対策
筑波大学の生物の最大の特徴は、資料を読み取り、それをもとに考察させる問題が多い点です。
実験データ、グラフ、表、系統図、模式図などが提示され、それをどのように解釈するかが問われます。
資料の内容をそのまま述べるだけでは得点にならず、前提となる生物学の知識を使って「なぜそうなるのか」「どのような仕組みが働いているのか」を説明することが重要です。
そのため、資料問題に強くなるためには、基礎知識の理解と、資料から読み取った事実を論理的に結びつける練習が欠かせません。

特に頻出なのは、遺伝と生態分野です。
遺伝では、メンデル遺伝、減数分裂、連鎖と組換え、確率計算、遺伝子発現の調節などがよく出題されます。
筑波大学では、遺伝のグラフや交配実験を読み取る問題が多く、具体的な数値をもとに遺伝様式を推定する力が必要です。
生態分野では、生態系のエネルギー収支、個体群増減、競争と共生、遷移などが中心で、グラフや表を読み取りながら、背景のメカニズムを説明する問題がよく出題されます。

細胞や代謝の分野も重要であり、細胞構造、酵素作用、呼吸、光合成、恒常性など基本的な仕組みの理解が問われます。
筑波大学では、細胞レベルの現象を具体的な数字で扱う問題も多く、ATPの量、反応速度、濃度変化などを読み取る力が必要です。
また、植物生理では植物ホルモンや光屈性、維管束の輸送、蒸散などが頻出で、動物生理では神経、筋肉、ホルモン、免疫などの仕組みを図で説明する力が求められます。

筑波大学の生物は、記述式の問題が比較的多く、文章で説明する力が重視されます。
長文を書く必要はありませんが、資料の根拠を示しながら、必要な内容を簡潔にまとめる技術が必要です。
そのため、普段の学習から、実験の結果や図を見て「どのような考察が成り立つか」を自分の言葉で説明する練習を行うと効果的です。
語句の暗記だけでは評価されにくく、現象の理解と説明力を両立させることが高得点の鍵となります。

対策としては、まず教科書レベルの基礎知識を丁寧に固めることが重要です。
生物は暗記量が多い科目ですが、筑波大学の問題に対応するためには、知識同士のつながりを理解し、仕組みを説明できる状態を目指す必要があります。
生物基礎の内容も頻出であり、細胞、遺伝、進化、生態などは教科書レベルの整理が欠かせません。
暗記が苦手な場合でも、図や仕組みの流れを理解することで、知識の定着がスムーズになります。

次に、標準問題レベルの演習を通して、思考力や資料読解力を鍛える必要があります。
センター試験・共通テスト形式の資料問題であっても、資料から読み取る力を伸ばす練習として有効です。
さらに、入試基礎レベルの問題集や過去の大学入試問題を解き、資料の読み取りを繰り返すことで、初見の図やデータにも落ち着いて対応できるようになります。

そして、過去問演習は筑波大学対策の中でも特に重要です。
筑波大学の問題は、文章の書き方、資料の提示形式、記述量などが安定しているため、過去問を数年分解くことで、試験の特徴に慣れ、本番で確実に得点できる体制が整います。
最初は丁寧に資料を読み、解説を参照しながら、どのような知識を引き出しているのか、考察の論理を確認することが大切です。
二回目以降は制限時間を意識し、時間配分と資料読み取りのスピードを改善していくとよいです。

総合すると、筑波大学の生物は、基礎理解、資料読解力、考察力、記述力の四つをバランスよく鍛えることで高得点を狙える試験です。
暗記に頼るのではなく、生物現象の背景を理解し、資料から読み取れる情報をもとに論理的に説明する姿勢が重要になります。
基礎をしっかり固め、標準問題で応用力を身につけ、過去問で形式に慣れれば、安定して合格点に到達することができます。

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