京都大学(前期日程)の国語対策

本記事では京都大学(前期日程)の国語対策について記載してます。
国語の試験時間は文系が120分で、理系が90分です。配点はこちらをご参照ください。
文系は一二三、理系は一四五(一部問題を除く)に回答します。
目標得点率は65以上に設定して勉強していきましょう。
京都大学の入試情報
京都大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で5つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| 一 | ・現代文 出典:「現代社会に生きること」中井久夫 1. 傍線部について説明 2. 傍線部について説明 3. 傍線部について説明 4. 傍線部について説明 5. 本文全体を踏まえて説明 | ・現代文 出典:『夕暮れに夜明けの歌をー文学を探しにロシアに行く』奈倉有里 1. 傍線部について説明 2. 傍線部から読み取れる筆者の心情を説明 3. 傍線部について説明 4. 傍線部について説明 5. 傍線部のように筆者が言う理由について説明 | ・現代文 出典:『芸術とはなにか』福田恆存 1. 傍線部について説明 2. 傍線部のように筆者が言う理由について説明 3. 傍線部のように筆者が言う理由について説明 4. 傍線部について説明 5. 傍線部について説明 |
| 二 | ・現代文 出典:『ロゴスと貝殻』小津夜景 1. 傍線部について説明 2. 傍線部について説明 3. 傍線部のように筆者が言う理由について説明 4. 傍線部について説明 5. 傍線部について説明 | ・現代文 出典:「永遠の感覚」高村光太郎 1. 傍線部について説明 2. 傍線部について説明 3. 傍線部について説明 4. 傍線部について説明 5. 傍線部について説明 | ・現代文 出典:『数学する身体』森田真生 1. 傍線部について説明 2. 傍線部のように感じた理由を説明 3. 傍線部について説明 4. 傍線部について説明 5. 傍線部について説明 |
| 三 | ・古文 出典:『義経記』 1. 傍線部の現代語訳 2. 傍線部について説明 3. 傍線部について説明 4. 傍線部について説明 5. 傍線部の現代語訳 | ・古文 出典:『とはずがたり』 1. 傍線部について説明 2. 傍線部の現代語訳 3. 傍線部の現代語訳 4. 傍線部について説明 5. 傍線部のようになった理由について説明 | ・古文 出典:『駿台雑話』室鳩巣 1. 傍線部の現代語訳×2 2. 傍線部の意味について説明 3.傍線部の意味について説明 4. 傍線部の意味について説明 |
| 四 | ・現代文 出典:『友だちは無駄である』佐野洋子 1. 傍線部について説明 2. 傍線部について説明 3. 傍線部のように「私」が感じた理由を説明 | ・現代文 出典:『永遠への理想』石原純 1. 傍線部のように筆者が言う理由について説明 2. 傍線部について説明 3. 傍線部について説明 | ・現代文 出典:「小山わか子さんの歌」福永武彦 1. 傍線部のように筆者が言う理由について説明 2. 傍線部について説明 3. 傍線部について説明 |
| 五 | ・古文 出典:『玉勝間』本居宣長 1. 傍線部の現代語訳 2. 傍線部について説明 3. 傍線部の現代語訳 | ・古文 出典:『草庵集玉箒』本居宣長 1. 傍線部について説明 2. 傍線部について説明 3. 傍線部の現代語訳 | ・古文 出典:『後松日記』 1. 傍線部のように言う理由について説明 2. 傍線部の現代語訳 3. 傍線部について説明 |
現代文の出題では、評論や随筆が中心となることが多く、テーマは哲学、社会、文化、思想、倫理など幅広く、時に抽象度の高い論説が用いられます。
設問形式としては傍線部の意味説明、段落の要旨把握、論理構造の整理、筆者の主張の読み取りなどが中心で、単なる言葉の意味の確認にとどまらず、文章全体の論理を正確に把握する読解力が求められます。
古文では、近世以降の随筆や歌論、小説、和歌を含む文章が多く使われる傾向があり、文語文や修辞が含まれるものもあります。和歌に関する出題も一定の頻度で見られ、歌の解釈や修辞表現の読み取り、登場人物の心情・状況理解などが問われることがあります。
漢文は独立した大問として出されることは稀で、基本的には現代文+古文の構成が続いています。
●対策
まず読解力と記述力の基盤を固めることです。
特に現代文は抽象的・難解なテーマの文章が多いため、普段から評論、随筆、小説など幅広いジャンルの文章を読み、論理構造や主張の把握、筆者の意図・背景の理解を意識する訓練をすることが重要です。
段落ごとの要点を自分の言葉で整理するクセをつけると、本番でも読み飛ばさずに内容をしっかり把握しやすくなります。
古文対策としては、文法・古語・敬語・助動詞などの基礎を丁寧に復習したうえで、和歌の修辞や表現、古典文化・背景知識にも目を向けるべきです。
特に和歌・歌論問題に備えて、和歌の形式、掛詞・枕詞・序詞・修辞技法などに慣れておくと、解釈問題で有利になります。
答案の書き方にも工夫が必要です。
京都大学では、単に本文の言葉を抜き出すだけでなく、自分の言葉でかみ砕き、論理的に整理して書くことが求められます。
解答欄は数行〜数行半という制限が多いため、冗長を書かず、「結論 → 根拠・理由 → 補足」の構成で端的に論じる練習を普段からしておくことが効果的です。
また、時間配分と戦略も大きなカギです。
文系であれば120分で3題をこなす必要があるため、過去問や模擬試験を用いて「読む → 考える → 書く → 見直す」の流れを時間をはかって練習し、どの順で解くか、どこで時間を残すか、自分なりのペース配分を確立しておくと安心です。
さらに、出題のジャンル・形式の幅広さに対応できるよう、読書量を増やすことと並行して、複数ジャンルの問題に触れることが重要です。
評論や随筆、小説、歌論など、過去問だけでなく多様な文章に当たっておくことで、「このジャンルは苦手」「この形式は慣れていない」といった弱点を減らせます。
最後に、過去問演習と答案添削を繰り返すことが最も実践的な対策だと思います。
実際の出題傾向・設問形式を把握し、解答形式や字数感覚・記述の質を磨くことで、合格に必要な「読む力」「考える力」「書く力」の総合力を着実に鍛えられるはずです。
京都大学の国語は、単に「知識を詰め込む」「速く読む」だけでは太刀打ちできません。
読む・考える・書くを高いレベルで統合する「総合国語力」が問われる科目です。
だからこそ、基本に忠実でありながら、多様な文章に触れ、記述・論述の練習を重ねることで、安定した得点力を身につけることが合格への近道です。
旧帝大対策のまとめはこちらです!↓
