筑波大学(前期日程)の物理対策

本記事では筑波大学(前期日程)の物理対策について記載しています。
筑波大学の物理は学群・学類によって配点や試験時間が異なります。
| 学群 | 配点 |
| 社会・国際(国際総合) | 800 |
| 総合選抜(理系Ⅰ・Ⅱ)、理工(数・物理・工学システム・化・応用理工)、情報(情報科) | 500 |
| 総合選抜(理系Ⅲ) | 400 |
| 生命環境(生物)、医(医) | 300 |
| 人間(教育・心理・障害) | 265 |
| 生命環境(地球)、医(看護・医療科) | 200 |
| 生命環境(生物資源) | 150 |
試験時間は社会・国際・人間・医(看護)は60分、他は2科目で120分です。
筑波大学の入試情報
筑波大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で3つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| Ⅰ | ・台の円弧面を滑落する小球および台の運動、斜方投射 設問×5 | ・衝突と摩擦によるエネルギー損失 設問×6 | ・非等速円運動 設問×6 |
| Ⅱ | ・コンデンサーの接続 設問×5 | ・電磁場中の荷電粒子の運動 設問×7 | ・磁場に侵入するコイルの電磁誘導 設問×7 |
| Ⅲ | ・気体分子運動論、マイヤーの関係 設問×3 | ・くさび型層での光の干渉 設問×8 | ・水素原子のイオン化、コンプトン効果 設問×7 |
標準からやや難レベルの良問がそろっており、基礎原理を正しく理解し、問題の設定を丁寧に読み取りながら数学的に処理する力が求められる試験です。
難問奇問は少ないものの、誘導が少なめで、受験生自身が考えて式を立てる場面が多いため、公式暗記に依存した学習では対応しきれません。
全体としては、力学、電磁気学、波動、熱力学を中心に幅広く問われ、理解の浅い単元があると得点が安定しない構成になっています。
2023年度では原子に関する問題が出題されているので、全範囲を満遍なく勉強しておきましょう。
●対策
筑波の物理で最も重要なのは、力学と電磁気の二つです。
力学では、運動方程式の立式、エネルギー保存、運動量保存など、基本法則を状況に合わせて使い分ける力が求められます。
特に、台車と糸、滑車、斜面など典型的な装置を使った問題がよく見られ、力の向きや作用点を正しく認識して式を組み立てる訓練が必要です。
電磁気学では、ローレンツ力、電磁誘導、コンデンサー回路、電流と磁場の関係などが頻出で、物理現象を図示しながら考える習慣が重要になります。
筑波大学では、電磁誘導の導入部分を丁寧に理解していないと式が立てられない問題が見られるため、磁束変化と起電力のつながりを深く理解しておく必要があります。
波動と熱力学も軽視できません。
波動では、ドップラー効果、共鳴、定常波など基本的な現象を正確に扱えるかが問われます。
グラフの読み取りや、式の変形を段階的に進める数学力も必要です。
熱力学では、状態方程式、気体の膨張、熱サイクルなどが標準的に出題されます。
エネルギー収支を誤らないように、図と式を組み合わせて考える練習が必要です。
筑波大学の物理は、計算量が比較的多い年度もありますが、数学的に複雑な問題はあまり出題されません。
むしろ、途中の計算を省いたり、力の向きや符号を誤ったりすることで失点するケースが多いため、丁寧で正確な計算能力が得点の差につながります。
また、記述式で部分点が与えられる試験であるため、途中の式や考え方を省略せず書き残す習慣をつけておくことが非常に重要です。
解法の流れを言語化できるようになることで、記述の安定感が増し、得点率が上がります。
対策としては、まず教科書レベルの基礎を徹底し、公式を暗記するのではなく「なぜその式になるのか」を説明できる状態にしておくことが欠かせません。
特に力学と電磁気は、図を描いて問題の状況を整理し、力や磁束の方向を正しく把握する訓練が効果的です。
基本に抜けがあると筑波の問題は太刀打ちできなくなるため、物理のエッセンスなど、基礎を固める教材を丁寧に取り組むことが大切です。
そのうえで、標準問題レベルの演習が必要です。
重要問題集などのレベルで、典型的な解法パターンと必要な数学処理を習得することが、筑波大学の得点力向上につながります。
特に、標準問題でよく出る構図を何度も練習し、初見の問題でも同じ原理を使えるようにしておくことが重要です。
問題を解いた後は、解法の流れを「自分で説明できるか」を確認するようにすると、記述問題にも強くなります。
過去問演習は、筑波大学対策の中でも最も効果的です。
筑波の物理は、問題の構成や問われる深さが安定しているため、過去問を数年分解くことで本番の難度感や配点感覚がつかめます。
初めは時間無制限で丁寧に解き、考え方を確認したうえで、二回目以降は制限時間を守って実戦形式に慣れていくと、時間配分が改善します。
過去問でつまずいた単元は必ず参考書に戻って復習し、どの物理法則の理解が不足していたかを確認することで、弱点が確実に解消されます。
総合すると、筑波大学の物理は、基礎理解、数学的処理能力、図示による状況整理、そして丁寧な記述という四つの力がそろえば、高得点を狙える試験です。
暗記に偏らず、物理現象を自分で説明できる力を重視した学習を進めることで、安定して合格点に到達できます。
特に力学と電磁気を重点的に固め、標準問題で演習量を確保し、過去問で形式に慣れることが、筑波大学の物理攻略の最短ルートになります。
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