九州大学(前期日程)の化学対策

本記事では九州大学(前期日程)の化学対策について記載しています。
試験時間は2科目で150分で、配点はこちらをご参照ください。
目標得点率は70%に設定して勉強していきましょう。
九州大学の入試情報
九州大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で5つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| 1 | ・金属の結晶構造、コロイド(30点) 設問×6 | ・ラウールの法則、蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下(25点) 設問×2 | ・理想気体と実在気体、混合気体の分圧、蒸気圧、反応の量的関係(25点) 設問×6 |
| 2 | ・燃料電池、ファラデーの法則、酸化還元反応(25点) 設問×5 | ・混合気体の反応の量的関係と圧力、化学平衡(25点) 設問×6 | ・エネルギー図、解離エネルギー、熱化学方程式、ヘスの法則(25点) 設問×3 |
| 3 | ・肥料の三要素、窒素の化合物、熱化学、反応の量的関係(20点) 設問×4 | ・金属の製錬、ファラデーの法則、鉛蓄電池、結晶構造(25点) 設問×6 | ・遷移元素の性質、酸化還元滴定(25点) 設問×4 |
| 4 | ・環状アルコールの決定と関連化合物の性質(25点) 設問×5 | ・アルケンの構造推定と関連化合物の性質(25点) 設問×8 | ・有機化合物の構造推定(25点) 設問×4 |
| 5 | ・単糖、二糖、多糖(25点) 設問×5 | ・スチレンとその関連化合物、イオン交換樹脂、アミノ酸と等電点(25点) 設問×5 | ・糖類、合成高分子化合物(25点) 設問×7 |
出題分野としては、理論化学・無機化学が3題分ほど、残り2題で有機化学・高分子化合物などが扱われる傾向が強いようです。
とくに理論化学からは化学平衡、反応速度、酸・塩基、溶液・電離、気体・状態図、熱化学など、基本知識と計算力を試す設問が多く出ます。
無機化学では反応式や結晶格子、電気・電解、酸化還元、化学反応の性質などが問われやすく、理論化学との融合問題になる場合も少なくありません。
有機化学・高分子化合物では、構造決定、反応機構、異性体、高分子の性質・合成、官能基の性質、物性の理解などが中心で、知識問題と論理的思考を問う問題がバランスよく出題される傾向があります
全体として、九州大学の化学は「極端な難問」は少なく、おおむね標準〜やや応用レベルの構成が多いです。ただし問題量が多く、時間との勝負になりやすいため、スピードと正確性の両立が合格の鍵となります。
●対策
まず、教科書レベルの基礎知識と計算公式・反応式・構造式などを確実に定着させることが出発点です。
理論化学の基本(モル計算、濃度、気体・溶液・電解・平衡、熱化学、有機化学の官能基、無機化学の物質の性質など)をあやふやにせず、どの分野が出ても対応できるようにしておきます。
次に、時間制限を意識した過去問演習を繰り返すことが非常に大切です。
大問5題で約75分という短時間で、多様な形式の問題を処理する必要があるため、本番を想定した練習を通じて、読解 → 分析 → 計算・記述 → 見直しの流れを体に覚えこませるべきです。
理論・無機・有機のどの分野においても、途中式・理由・論理の記述を丁寧に書く練習を重ねましょう。
特に反応機構、有機構造、酸・塩基、溶液・電離、平衡などの問題は、ただ答えを書くのではなく「なぜそうなるか」を説明できるようにすることで、安定した得点につながります。
有機化学や高分子は、構造決定・反応の理解・物性や性質の把握が鍵になります。
さまざまなパターンの問題をこなして「この条件ならこの反応/生成物」「この構造ならこの性質」という対応力を身につけることで、得点源にできます。
無機化学・理論化学では、平衡、電解、反応式、物質量・濃度、気体/溶液、状態図、熱化学などの頻出分野を重点的に復習し、計算と概念理解の両方を確実にしておきます。
これらは安定して点数を稼ぎやすい「基盤」になります。
最後に、苦手分野を放置せず、全分野をまんべんなく対策することが重要です。
九州大学の化学は「理論+無機」「有機+高分子」というようにバランスよく出題されるため、どこかに弱点があると失点につながりやすいです。
九州大学の化学は、「広く浅く」「基礎重視」「速度と正確性」「論理的思考」と「記述力」のバランスが大事な科目です。
きちんと基礎を固めて過去問を繰り返し、時間配分や答案構成の練習を積むことで、安定した得点力を身につけられると思います。
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