筑波大学(前期日程)の世界史対策

本記事では筑波大学(前期日程)の世界史対策について記載しています。

筑波大学の世界史は学群・学類によって配点が異なります。

学群配点
社会・国際(社会・国際総合)800
人文・文化(人文)600
総合選抜(文系)500
人文・文化(比較文化)400
人間(教育・心理・障害科)265
人文・文化(日本語・日本文化)200


試験時間は120分です。

筑波大学の入試情報

筑波大学の公式サイトをご参照ください。

各項目の傾向と対策

大問は全部で4つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。

2025年度2024年度2023年度
・前3~後12世紀のマグリブ
400字以内の論述
・前4世紀後半~後11世紀のメソポタミア
400字以内の論述
・古代ローマの共和政成立とその変遷
400字以内の論述
・ロシア東方進出
400字以内の論述
・12~17世紀前半の女真・満州
400字以内の論述
・宋~明初の国内商業と対外貿易の進展
400字以内の論述
・ハイチの独立
400字以内の論述
・16~17世紀のオランダ
400字以内の論述
・13~17世紀半ばの北インドの歴史
400字以内の論述
・17世紀後半~20世紀半ばのチベット
400字以内の論述
・17世紀半ば~20世紀半ばの台湾
400字以内の論述
・1910年代~80年代のチェコスロヴァキア
400字以内の論述

全て400字以内の論述問題です。指定の語句を用いて論述します。
通史の理解を丁寧に積み重ね、そのつながりを自分の言葉で説明する力が問われる試験です。
難問奇問は多くありませんが、標準からやや難レベルの良問がそろっており、暗記した知識をそのまま再現するだけでは対応が難しい構成になっています。
古代から近現代まで幅広く出題されるため、特定の範囲だけを深く学ぶ方法では安定した得点を確保しにくく、全体の流れをつかみ、時代ごとの因果関係を説明できる力が必要になります。

●対策

最重要となるのは通史の理解と論理的な説明力です。
メインの対策は、記述問題に対応するための通史整理に重点を置くべきです。

筑波大学の世界史は、単なる出来事の羅列ではなく、変化の流れを説明する問題が多いことが特徴です。
社会構造の変化、政治体制の推移、宗教や文化の拡大と統合、経済圏の広がりなど、複数の時代や地域にまたがる視点が求められます。
たとえば、古代オリエントと地中海世界の交流、中世ヨーロッパの封建制と都市の発展、大航海時代がもたらした世界経済の成立、近代革命の影響と国民国家の形成、帝国主義と植民地支配の展開など、長期的な変化を押さえておくことが重要です。

対策の中心となるのは、教科書レベルの通史を丁寧に押さえることです。
筑波大学では、基礎知識を踏まえたうえで、その出来事がどのようにつながっていくのか、どのような影響を与えたのかを説明する力が求められるため、政治・経済・宗教・文化をひとまとまりとして理解する必要があります。
教科書や参考書で時代の特徴を整理し、前後の流れを説明できるようにすることで、記述問題に対応しやすくなります。
また、単に語句を覚えるのではなく、出来事の背景・要因・結果の三つを関連づけて理解することが、筑波大学の問題と相性が良い学習方法になります。

過去問演習は、世界史対策の中でも特に効果的です。
筑波大学は出題の形式が大きく変わらないため、過去問を解くことで記述の量、問われ方、必要な深さが把握しやすくなります。
初めは時間を気にせず、丁寧に文章を読み、自分の解答と模範解答の違いを比べながら改善していくとよいです。
二回目以降は時間を決めて解き、制限時間内に必要な情報をまとめる練習をしておくと、本番で安定した記述ができるようになります。
また、過去問で間違えたポイントは教科書に戻り、どの流れを理解していなかったのかを確認することが、知識の定着につながります。

記述力の強化も不可欠です。
筑波大学の記述問題は、背景や理由を簡潔に説明する力が求められ、不要な情報を削り、必要な内容だけをまとめる技術が得点に直結します。
模範解答を丸暗記するのではなく、問いの意図を読み取り、自分の言葉で短くまとめる練習をすることが大切です。
因果関係を意識して文章を組み立てることで、論理的な記述ができるようになります。

総合すると、筑波大学の世界史は、通史理解を重視し、出来事のつながりや変化の流れを説明する力を必要とする試験です。
流れの理解、背景の把握、簡潔な説明、この三つを意識して学習すれば、十分に合格点へ到達できます。

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