筑波大学(前期日程)の日本史対策

本記事では筑波大学(前期日程)の日本史対策について記載しています。
筑波大学の日本史は学群・学類によって配点や試験時間が異なります。
| 学群 | 配点 |
| 社会・国際(社会・国際総合) | 800 |
| 人文・文化(人文) | 600 |
| 総合選抜(文系) | 500 |
| 人文・文化(比較文化) | 400 |
| 人間(教育・心理・障害科) | 265 |
| 人文・文化(日本語・日本文化) | 200 |
試験時間は120分です。
筑波大学の入試情報
筑波大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で4つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
| 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | |
| Ⅰ | ・遣唐使の展開と意義 400字以内の論述 | ・奈良時代の政治と仏教 400字以内の論述 | ・氏姓制度と律令体制 400字以内の論述 |
| Ⅱ | ・常陸国南部における領国支配の転換(史料問題) 400字以内の論述 | ・日明貿易の開始(史料問題) 400字以内の論述 | ・御家人の所領と相続形態 400字以内の論述 |
| Ⅲ | ・江戸時代の日本とオランダ 400字以内の論述 | ・百姓一揆と打ちこわし 400字以内の論述 | ・江戸幕府による儒学の受容 400字以内の論述 |
| Ⅳ | ・井上哲次郎と内村鑑三不敬事件(史料問題) 400字以内の論述 | ・高度経済成長長期の国民生活と社会 400字以内の論述 | ・日比谷焼討ち事件(史料問題) 400字以内の論述 |
すべて400字以内の論述問題です。古代~近現代まで幅広く出題されます。
暗記一辺倒の学習では対応しにくく、歴史事項を因果関係で理解し、自分の言葉で説明する力が求められる試験です。
標準からやや難レベルの問題が中心で、特定の分野に大きく偏らず、古代から近現代まで幅広い時代を扱うため、通史理解に抜けがあると得点が安定しません。
また、史料やグラフ、地図など情報量の多い資料を読み取り、問いに沿って考察する力が問われる点が特徴です。
●対策
教科書レベルの重要語句を覚えるだけでは足りず、出来事の前後関係や社会的背景、政策の目的などを関連づけながら学習することが重要になります。
特に筑波大学は、出来事の変化や発展の過程を問う問題が多く、たとえば律令制の成立から変容、江戸幕府の社会制度の展開、近代国家形成の流れなど、複数の時期にまたがる比較や整理を要求される傾向があります。
また、史料問題への対応も必須です。
史料は古文書だけでなく、法律文、外交文書、日記、新聞、回想録など多様であり、難読なものは少ないものの、内容を要旨で把握し、どの時代や出来事に関係するのかをすばやく判断する力が求められます。
史料をそのまま訳すのではなく、設問が何を聞いているのかを分析し、史料の要点を史実と結びつける思考が必要です。
教科書や資料集、史料集の頻出史料を一通り目を通し、年号ではなく文脈で判断できるようにしておくと安心です。
対策の中心は、まず通史の理解の徹底です。
筑波大学の問題は、知識の断片をつなげて説明する力を試されるため、教科書を軸に各時代の政治、経済、社会、文化の流れを整理し、それぞれがどのように影響し合ったかを説明できるようにしておく必要があります。
特に古代の律令制度、鎌倉から室町の武家政権の構造、江戸社会の特徴、明治維新から近代国家形成の過程などは頻出であり、制度や思想の変遷、各政策の目的と結果をまとめる訓練が有効です。
さらに、資料問題への慣れも重要です。
教科書の図版や資料集のグラフを見ながら、読み取れることを言語化し、歴史の流れに関連づける練習をすることで、初見資料への対応力が高まります。
特に人口グラフ、農業生産、貿易統計、宗教文化の広がりなど、基本的な資料は対応できるようにしておくと有利です。
過去問演習は筑波対策で欠かせない要素です。
筑波大学の日本史の問題構成や設問の深さは、年度によって大きく変わらないため、数年分を解くことで出題傾向がつかめるようになります。
まずは時間を気にせず丁寧に解き、解答の根拠を確認したうえで、二回目以降は制限時間を守って本番形式で取り組むのが効果的です。
また、解けなかった問題は、関連する通史内容を教科書に戻って復習し、なぜ間違えたのかを分析することで理解が定着します。
記述問題では、模範解答を丸写しするのではなく、自分の言葉で歴史の流れを説明できるように練習することが得点につながります。
知識暗記のペースと同じくらい大切なのが、説明力の強化です。
出来事を単に「起こった」と覚えるのではなく、「なぜ起きたのか」「どのような影響を与えたのか」「他の出来事とどうつながるのか」を自分で説明する習慣をつけると、記述問題に強くなります。
特に、因果関係と比較の視点を意識し、時代のつながりを立体的に捉えることが、筑波大学の日本史では高得点に直結します。
総合すると、筑波大学の日本史は、幅広い通史理解と資料読解力、そして自分の言葉で歴史を説明する力を重視する試験です。
教科書を軸とした通史の整理、資料の読み取り練習、過去問演習をバランスよく組み合わせ、知識と考察力の両面を鍛えることで、安定して合格点に到達できます。
丁寧に歴史の流れを説明する姿勢を忘れなければ、十分に戦える試験です。
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