金沢大学(前期日程)の国語対策
本記事では金沢大学(前期日程)の国語対策について記載しています。
国語の試験時間は90分で、配点は下記の通りです。
学部学科 | 配点 |
人間社会学域(国際学類) | 600点 |
人間社会学域(法学類) | 500点 |
融合学域(先導学類、観光デザイン学類、スマート創成学類) | 450点 |
人間社会学域(経済学類) | 350点 |
人間社会学域(人文学類、地域創造学類(国語傾斜)) | 300点 |
人間社会学域(学校教育学類) | 200点 |
人間社会学域(地域創造学類(数学傾斜)) | 100点 |
金沢大学の入試情報
金沢大学の公式サイトをご参照ください。
各項目の傾向と対策
大問は全部で3つです。
大問ごとの問題と構成は下の表を参照してください。
2024年度 | |
一 | ・現代文 出典:『ある晴れた日に』加藤周一 1. 漢字問題×5 2. 空所補充問題(記述)×2 3. 傍線部に関する問題(80字以上100字以内) 4. 空所補充問題(記述)×2 5. 傍線部に関する問題(100字以上140字以内) |
二 | ・古文 出典:『発心集』鴨長明 1. 傍線部の現代語訳×3 2. 抜き出し問題 3. 傍線部の現代語訳 4. 空所補充問題 |
三 | ・漢文 出典:『資治通鑑』北宋・司馬光 1. 傍線部の読み方×2 2. 傍線部の書き下し文 3. 傍線部の現代語訳 4. 傍線部の理由を説明する(70字以内) |
2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
一 | ・現代文 出典:「涼しさの文化ー俳句はなぜ短いか」長谷川櫂 1. 漢字問題×8 2. 空所補充問題(記述)×6 3. 傍線部の口語訳 4. 傍線部の理由(60字以上~80字以内) 5. 空所補充問題×2 6. 抜き出し問題 7. 空所補充問題(30字以上~50字以内) | ・現代文 出典:『死刑 その哲学的考察』萱野稔人 1. 漢字問題×5 2. 傍線部に該当するもの 3. 傍線部に関する問題(50字以上70字以内) 4. 抜き出し問題 5. 傍線部について説明する(100字以上150字以内) | ・現代文 出典:「カンナニ」湯浅克衛 1. 漢字問題×5 2. 傍線部の理由を説明する(100字以上150字以内) 3. 空所補充問題×3 4. 傍線部に関する問題 |
二 | ・古文 出典:『中務内侍日記』 1. 傍線部の読み×4 2. 傍線部の現代語訳 3. 傍線部が指す内容の抜き出し 4. 空所補充問題 | ・古文 出典:『沙石集』無住 1. 傍線部の現代語訳 2. 抜き出し問題 3. 傍線部に関する問題 4. 傍線部の現代語訳 5. 本話の評語 | ・古文 出典:『四条宮下野集』 1. 傍線部の読み 2. 抜き出し問題 3. 傍線部の現代語訳 4. 動作主の抜き出し問題 |
三 | ・漢文 出典:『東坡志林』北宋・蘇軾 1. 傍線部の読み方×2 2. 空所補充問題 3. 傍線部のついて説明する 4. 傍線部に関する理由(80字以内) | ・漢文 出典:『世説新語』南朝宋・劉義慶 1. 傍線部の読み方×2 2. 傍線部の指す対象 3. 傍線部の書き下し文 4. 傍線部の理由 | ・漢文 出典:『帰田録』宋・欧陽修 1. 傍線部の意味 2. 傍線部の読み 3. 傍線部について説明する 4. 記述説明問題(70字以内) |
現代文が1題、古文が1題、漢文が1題という構成です。
現代文は文章量が非常に多く、適切な情報処理をしていかないと回答の精度とスピードが落ちてしまいます。
古文、漢文は基礎基本を間違えなくアウトプットできるようにしていきましょう。
●現代文
漢字問題、傍線部に関する問題、抜き出し問題、空所補充問題などが出題されます。
文章量はかなり多く、2023年度は10ページにもおよぶ文章を読んでいく必要がありました。(通常は3~5ページ程度)
漢字問題は『漢字マスター1800+』のような標準的な漢字問題集で対策していきましょう。
傍線部に関する問題は、傍線部の理解と理解したことを言語化する能力が試されます。
「こうすれば解答できる」というものはなく、文章を徹底的に理解する練習を積んでいくことが必要です。
基本的に記述するときに把握する必要がある箇所は傍線部の遠い場所、近い場所、分散しているのどれかですが、これをわかったからといって満足に解答できるとは限りません。
解答する際は文中の言葉を利用する他、自分でわかりやすく言い換えて添削する人に「自分は文章を理解している」ということを伝える必要があります。
文章の徹底理解、解答作成の際に論理性があり、わかりやすい文を書けているのかを丁寧に確認していきましょう。
抜き出し問題や空所補充問題などは傍線部の言葉を言い換えたり、空所の前後をみて判断できるようにしていきましょう。
いずれの問題も文章理解を徹底するようにしてください。
最初から時間設定をするのではなく、いくら時間をかけてもいいので必ず正解にたどりつけるという状態にしてから時間を意識する勉強に切り換えていくと効率的です。
●古典
古文は記述の練習を始める前に、古文単語、古文文法の他、和歌修辞、文学史、古文常識を身につけ、基本的な読解力を上げていく必要があります。
文章を解釈するときは、指示語があれば具体的な内容をつかむこと、主語と目的語を把握することが重要です。
主語がないという点が苦手となってしまう理由の一つなので、普段の読解練習のときから氏名や官職などによって変わる敬語表現の把握を徹底したり、日記や随筆などであれば筆者が作品の中に登場している可能性があるので、これらの点を意識して勉強していきましょう。
漢文は漢字の知識や句法を頭に入れて(入れつつ)読解の練習をしていきましょう。古文と同じように主語や目的語が省略されている可能性があるので、明確にして記述説明していきましょう。
傍線部に関する問題が多いので、はやめに読解の練習を積めるような状態にしておいてください。