私立大学が公表する「合格最低点」を鵜吞みにしてはいけない理由【答えは得点調整】
受験勉強をはじめる前にまず最初にやるべきことは志望大学の合格最低点を調べることです。
今まで公表されている合格最低点を調べないと具体的にどの教科をどれくらい勉強したらいいかがわからないからです。
しかし、公表されている合格最低点を鵜吞みにしてはいけません!
なぜかというと多くの大学は合格最低点を得点調整したあとに公表しているからです。
本記事では得点調整について簡単に解説します。
得点調整とは?
多くの受験生は私立文系大学を英語、国語、地歴公民 or 数学で受験をすると思います。
英語、国語はともかく、地歴公民や数学では問題内容によっては得点にかなり差がついてしまいます。
例えば受験の結果、全体の日本史の平均点数が70点で数学の平均点が40点だとします。
このままだと数学受験者が完全に不利です。
上記のような不公平が起こらないように様々な方法で「得点調整」がおこなわれます。
そして公表されている合格最低点はこの得点調整がおこなわれたあとの最高点である可能性があるということです。
つまり、公表されている合格最低点を超えているのにも関わらず不合格になることもあるということです。
大学によっては英語や国語にも得点調整を採用しているところもあるので注意が必要です。
得点調整の方法は主に3つ
得点調整には下記の3つの方法があります。
・中央値で換算する方法
中央値とはデータを小さい順に並べたときにちょうど真ん中にくる数値のことです。
たとえば、AさんからEさんまでの5人の点数が下記のとおりだとします。
Aさん:40点
Bさん:50点
Cさん:60点
Dさん:70点
Eさん:80点
この中で真ん中にくるのはCさんですので、Cさんの点数を基準として調整されるということです。
・平均値で換算する方法
平均値はすべてのデータ数を足して、データ数の数で割った数値です。
たとえば、AさんからEさんまでの5人の点数が下記のとおりだとします。
Aさん:40点
Bさん:50点
Cさん:60点
Dさん:70点
Eさん:80点
平均値は(40 + 50 + 60 + 70 + 80)÷ 5 = 60となります。
たまたま中央値と同じ点数になりましたが、中央値と平均値は違うものです。
・偏差値で換算する方法
こちらの記事で解説しています。
あらためて本記事に書くと長くなりますので割愛します。
もちろん具体的な計算式はどの大学も公表していません。
また、受験者の情報を集めて計算式を予測しようと思えばできるのですが、確実な情報ではないので調査、公開はしません。
まとめ
私立大学の文系学部を受ける人たちは、過去問で得点する点数に約0.8~0.9くらいをかけて考えた方がいいかと思います(もちろんこの計算もしっかり調査したものではありません)
たった3教科ですので、どれも高得点を目指しましょう。
少なくとも公表されている合格最低点を参考に計画を立てないようにすべきです。